書評『「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実』イグ・ノーベル賞を取った著者によるおいしい一冊
94点
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【『「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実』目次】
アミューズ・ブッシュ
1章 味
2章 香り
3章 見た目
4章 音
5章 手触り、口当たり
6章 雰囲気
7章 ソーシャルダイニング
8章 機内食
9章 記憶
10章 個人食
11章 新しい食体験の世界
12章 デジタルダイニング
13章 未来派への帰還
【書評『「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実』】
ヘッドフォンでパリパリ音を補強してやると、しけたポテチもパリッとおいしく感じるという驚異の実験結果を発表し、食の世界に科学を持ち込んでイグ・ノーベル賞を受賞した作者。
ぼくの中では、イグ・ノーベル賞は面白い分だけノーベル賞よりも上だと思っているので、読む前から期待していたのですが、期待以上でした。いや、これほんと面白い。
まず、食に興味ない人はほとんどいないのですから、中学生ぐらいから、どなたにでもお勧めできると思います。
そんな中でも、特に飲食関係を経営している人、働いているひとには読まなきゃいけないレベルの一冊。
先端を行くレストランがもはや食事出すという範囲を超えて新しい総合芸術にたどり着きつつあること。
味覚には個性があって同じものを食べても自分と相手が味わっているものが違うこと。
そして、何より舌以外の感覚が "おいしい" にこんなにも大きな影響を与えてること。
そんな驚きが世界中の様々な事例と共に紹介されていて、科学の解説付きで世界の食の先端と未来をめぐる旅が楽しめる、おいしいおいしい一冊です。
【『「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実』目次+超個人的読書メモ】
アミューズ・ブッシュ
味覚は環境に左右される。食べる場所、食器材質、 フォークの重さ。
人は味が期待から外れるとマズイと感じる。
ブロッコリーの苦味を感じられる人、感じられない人、
!これは面白い。確かに色覚も人それぞれなように、 味覚も人それぞれでも不思議はない。
それなのに人は結構簡単に「えーこんなに美味しいのに〜、 食べたら絶対美味しいのに〜」とか人に言ってしまう。
絵画や映画に関しては人には好みがあり無理強いはいけないと理解 しているのに味覚に関しては結構傲慢だ。 自分はわりとなんでも食べられる方なので反省反省!
2章 香り
食べ物の香りは普通に鼻から嗅ぐものと、 食べた時にまるで味のように感じる香りの2種類がある。
チョコレートは低温では香りを発散しないのでメーカーはパッケー ジにチョコレートアロマを付けている。
食品会社や先端のレストランでは食べ物にアロマを付けることを試
ただ、アロマ、香りというものは化学的なものである。
!食べ物から感じる香りが2種類あるのは知らなかった。 言われてそう言えばと感じる。 コーヒーやチョコレートなどはパッケージや充填時にアロマを付け ているのは知らなかった。味覚って?なに?!
3章 見た目
多く盛ってあるように見える皿を使うことで食べる量を減らすこと ができる。
食事量が減ってしまった老人や病人には皿の色を変えることで食欲
韓国では美男、美女が食事をすり動画が流行っている。
食品の広告はコップに注がれる、
テレビでコックが作る料理は大抵、
多く盛った様に見せかけられるお皿で一儲けできないだろうか?
見た目を考慮することで食の問題を解決できる事柄は結構ありそう だ!
4章 音
サクサク感やパリパリ感は文化や個人で様々、 サクサクとパリパリに区別の無い文化圏もある。
サクサク感やパリパリ感は歯で感じていると思ってるが歯から歯茎
油分の多い(つまりカロリー的報酬の多い)
! チキンのもも肉をグリルオーブンで焼いて食べるのが我が家では流 行っている、 皮がパリパリになってそりゃもう焼いている最中から美味そうな音 を立てるのだ。音、確かに美味しさの大事な一要素だ!
5章 手触り、口当たり
触覚もまた味に影響を与える、 フォークやナイフがチープだと料理の評価は当然落ちる。
手で食べるというのも非常に味覚に影響する。
フォークとナイフ、
!もっと家でも手で食べることを実行してもいいかも知れない。 チキンを骨つきにするだけでも実現可能だ。
肉が大きくなるからレンジで温めてからグリルで焼くか。
ただ、食べる前に手をよく洗わないと危険だが!
6章 雰囲気
雰囲気の構成要素としては音は大きい。
フランスっぽい音を流せばワインが売れ、 ドイツのビアホールの音を流せばドイツビールが売れる。
しかもお客は音なんかに影響されていないと言い張るw
また、アップテンポ音楽で客の飲食のスピードが上がる。
また、
だから混雑時にはアップテンポ、
また、
照明は最もコストのかからない雰囲気作りのアイテムだ。ただ、
!当然、雰囲気は味覚に影響するよね!
7章 ソーシャルダイニング
人と食事するのは社会性の基本である。しかし、 現代社会では一人で食事する人が増えている。
テレビを見ながら食事をすると余計にて食べてしまうことがある。
ネットで繋いでの食事は共に食べているという雰囲気にはなってい
!食べ放題バイキングで、真ん中でテーブルで仕切られていて、 向こう側の人に頼まないと半分のメニューは食べられないレストラ ンはどうだろう?出会い系バイキング? お客はプロフを首から下げて!
8章 機内食
昔は飛行機は富裕層の乗り物だったので、 機内食はそれはそれは豪華だった。
機内では普段飲みたがらないトマトジュースを頼む人が多い。
騒音、低い気圧、乾燥など機内は悪条件が揃っているのだ。
鉛は甘みを強化する金属だが有害で使えない。
したがって、あなたがレストランオーナーなら最初にサプライズ、
食べ放題の印象が悪いのは客が最後には食べ過ぎの罪悪感を味わっ
人は味を結構覚えていない。
有名レストランのシェフが来店2週間後の客に食べたものの印象を
認知症の人にアロマで食事を思い出させる機械を作った。
!人の食に関する記憶が何ともいい加減で驚いた。 ないだろうけど、 僕がレストランをやるときは味よりも大事なことがあると学んだw !
10章 個人食
スターバックスでコーヒーを買うと名前が書かれている。
高級レストランでは予約が入るとお客の名前で検索してお客の記念 日や情報を集めておもてなしに利用する。
ただそれはプライバシーの問題との兼ね合いがあるので時に問題に なることもある。
自分で作ったもの、
レストランで料理に塩胡椒した客を追い返したシェフがいた。
前の章でも述べたが、人は異なる味覚世界で生きている。
! ホームパーティでゲストに料理を手伝って貰うのは良いアイデアだ 。僕自身、家庭での料理の半分を受け持っているのだが( 一週間交代)、 たまに自分で喰ってガッカリする料理を作ることがある。 自分で喰ってマズいんだから、 相方はどんな思いで食べているのかと申し訳ない気持ちになってし まった。ごめんよ。!
11章 新しい食体験の世界
最近ではシェフをアーティストとして見る傾向が強まっている。
食事だけでなくレストランでの体験そのものを提供するのだ。
目の前で料理したり、デザートで絵を描いたり、演劇を見せたり、 行き過ぎという声ももちろんあるし、失敗もあるが、 この傾向はこれからも進むだろう。
レストランは3つに別れる。 コンビニエンスなレストラン。特別な時の食事の為のレストラン、 エンターテイメントな食体験を提供するレストラン。
レストランは3つに別れる。
! レストランで誕生日の歌を歌われるのも嫌なぼくにはちょっと先進 の食体験のレストランは敷居が高い。
まぁ、ご予算の時点で無理なのでまぁいいか。
いつも考えているのだが、常に焼きたてを提供するパン屋、 揚げたてのサツマイモを提供する天ぷら屋やコロッケ屋は絶対受け ると思うんだけどなぁ。
店の上部にデジタル時計を設置してカウントダウン。 お客はそれをワクワクして待つ。お持ち帰りはできません。 その場でお召し上がりください!
12章 デジタルダイニング
注文システムはもとより、レストラン業界にも、 デジタル化の波はやってきている。
だだレストランに行くのは人との触れ合いを求めていく部分も大い
!先日、 回転寿しチェーンのはま寿司に行ったらロボットのペッパーくんが 受付をしていた。 来店数を伝えると座るべき席を教えてくれるのだ。
実際にロボット接客を受けるとは、 やっと21世紀が来たと感じた。
ロボット& デジタル化でコンビニエンスなレストランがより気軽に楽しめる様 になるといいなと思う!
13章 未来派への帰還
彼らは食を総合芸術の様にした最初の人々で先駆者は現代のシェフ
将来、レストランは衰退するかもしれない。デリバリーが発展し、
新しい味覚の取り合わせもAIによって見出されるかもしれない。
今、 思うとマックのメニュー表示がなくなったのはビッグデータに従っ たのではないかと思う。 ここのパターンでは一人当たりの売り上げは上がるとビッグデータ は示したが、 顧客の不満が不買運動的行動を取らせるところまでは予想できなか ったのではないだろうか?
どちらにしろ、当時のマクドナルドが顧客の利便性より、 売り上げか、利益を優先したのは間違いないのだか、 それを提案したのが、AIなのか、ビッグデータなのか、 社外コンサルなのか、社内の人間なのかはわからないが。