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書評『誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』

 

誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性

誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性

 

 92点
読み終わるまでに掛かった時間 3時間半


[1]どんな人に薦めたい?

 ビッグデータについて興味があるけど、堅苦しい本は苦手な人に。受験からポルノまで身近な例を使って書かれているので、最後まで楽しく読めます。またビッグデータが万能だと思い込んでいる人にもお勧めです。

[2]何歳ぐらいから読めるのか

 人の性癖や闇を覗き込むことにもなるので、せめて高校生ぐらいになってから。

[3]読み終わるまでどれぐらいの時間がかかった?

3.5時間程度。

[4].新刊で買った方がいい?中古で安くなってからでいい?

 読んで面白い上に、まさにこれから利用が広がっていくビッグテータについて学べるので時代を先取りする為にも、読むなら早めに読むことをお勧めします。

[5]金額での評価

3000円

[6]最も肝になるのは?(立ち読みをするならどこがお勧めか)

7章、8章のビックデータの危険性を取り扱った部分は読んでおくべき。

[7]本の内容を140文字程度に纏めると

 グーグルの検索履歴やフェイスブックのデータから人々の隠れた本性を暴き出そうとする問題の書。下世話な話も多いが、面白おかしく読める上にビッグデータの欠点や危険性についても学べる必読の書。

[8].お勧めの関連書籍

 著者が触発されたという「やばい経済学」がお勧めです。「デ、データからこんなことが読み取れるかっ!」と最初に感動した本です。

【読書メモ】

誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』

 
序章 今起きているビッグデータ革命
 
 グーグルの検索データの価値は、規模が大きいからではなく、人々が誰にも気兼ねなく、心情を吐露している点である。データの量ばかりに価値を求めるのは誤りである。グーグルの検索データで人々は思ったより人種差別的で、セックスの回数を多く申告し、都会より田舎ものの方が心理的不安に陥っていることなどがわかった。
 
!人々の心の中を覗く、背徳感がつきまとうグーグルの検索データというビッグデータ先が気になる!
 
1章 直感は裏切り者
 
ある意味、すべての人はデータサイエンティスト足り得るが、自己の経験を重視しすぎるなど誤りを犯す。直感は万能ではない。
 
2章 夢判断は正しいか?
 
フロイト的なバナナを夢に見るのは云々はビッグデータで見る限り誤りだった。ただ、ポルノサイトの検索データではフロイト的な近親相姦願望などがデータとして取り出せる。
 
3章 何がデータになるのか。驚くべき新データの世界
 
データはそれだけでは価値はない。馬の心臓のデータを取って活躍する馬を見つけ出す男、グーグルの評価方式、被リンクも新しい視点でのデータ活用による。データサイエンティストたるものは新しい相関関係を見つけ出す目が必要なのだ。
 
!グーグルのデータを使って株式投資に活かせないだろうか?!
 
4章 秘められた検索
 
グーグル検索はデジタル自白剤。なぜなら正直であれば知りたかった情報にたどり着けるから。
ポルノ、人種差別など人々が公にしたがらない事柄に関してはその隠された人々の本音が明かす。
フェイスブック世論調査は嘘に塗れる。フェイスブックは見栄の張り合いだし、世論調査は正直に答えるメリットがない。
大きな景気後退時、行政は懸念された児童虐待の増加はなかったとしたが、パパが殴るなどの、子供からのSOSの検索は大幅に増加していた。どこかに正しい情報を歪める何かがあったのかもしれない。その点でもグーグル検索のビッグデータは一定の価値があったと言っていいだろう。
 
!この章は全体的にポルノとヘイト、下ネタが満載だが、グーグル検索などの新しいデジタルビッグデータがより世界を正しく映す鏡足り得ることを示している。もちろん、データを扱う側のスキルや意識に関しては重要なファクターではあるが。自分でもグーグル検索のデータから面白い情報を引っ張り出せないだろうかと考えてしまう!
 
5章 絞り込みという強力な手法

IT時代でデータ量が膨大になったことで絞り込みという手法が使えるようになった。各データを地方や州、郡などに絞って他の地域との比較ができるようになった。データが少ない頃は絞り込むとサンプル数が少なすぎて使い物にならなかった。
また、調べたい対象に似た存在(ドッペルゲンガー)をさがすという手法も使える例えば成績の下がった野球選手を雇い続けるべきか、過去の似た選手を探してきて傾向を探ることができる。これは医療の世界でも強力な力を発揮するだろう。
 
!これは面白い。競馬に使えないかとか、同じ傾向のレースを集めて比較とか、!
 
6章 世界中が実験室
 
グーグルなどのIT企業では広告表示の変更など数かぎりない実験を繰り返して最適化を進めている。フェイスブックなどでは顧客が不満の声上げている新サービスでもデータから顧客の滞在時間が伸びていれば導入する。ITでは実験にコストがほぼゼロだからだ。
他にも過去のデータから指導者が暗殺された国ではその後、どのようになるか、超一流高校にギリギリ受かった人と、ギリギリ落ちた人ではその後の大学進学や就職、収入などでどの程度差が出るかをビッグデータで割り出すことができる。結果的には差はほとんどない。つまり優秀な高校の卒業生が優秀なのは特別良い教育をしているわけではなく、優秀な生徒を集めているに過ぎないということ。無理に背伸びをする必要はない。
 
グーグルやアマゾンがやたらめったら仕様変更する理由がわかった。あいつら顧客を実験台にしてやがるw
    我々がウェブサービスを行うときは何もかんがえずにアマゾンやグーグルの使っている色を使い、形を似せるのが良策なのかも知れない。もちろん、偽装サイトと思われない範囲で。
いい高校に入ったやつが優秀なのはもともと優秀だったからで、いい高校の教育のおかげではないと言うのは面白い。では、優秀な奴が底辺校に行った時のその後のデータを知りたいと思う。まともな授業ができないので、ダメになるのか、自習と教師に目を掛けられるというメリットでいい大学に行けるのか?!
 
7章 できることできないこと
 
ビッグデータを取り扱っていると様々な因子から偶然、結果に結びついているような動きをするものを見出してしまうことがある。
例えば1000枚のコインにナンバーを振り、すべてを毎日投げて表裏を記録し、株価指数との相関を記録する。すると、偶然にも株価指数との強い相関を示すコインが見つかってしまう。なんせ、1000枚もあるのだ。そして愚かにもその一枚をラッキーコインとして、株価予想に使い始める。
ビッグデータは人間の判断に取って代わるものではなく、人間の判断の保管をするものなのだ。
 
!今までの章ではビッグデータの威力を見せられてきたが、ここで著者がその盲信を戒めているのは意義深い。最終的には人間が判断すべきなのだ。少なくともいまのところは!
 
8章 やってはいけないこと
 
ビッグデータを用いて企業は消費者から最大限搾り取る戦略をとることができるし、実際におこなっている。一方で、消費者も評価システムなどのデータから良い取引をしてくれる企業を選ぶことができるビッグデータを使った戦いはここでも行われているのだ。
さらに例えば検索履歴のビッグデータを用いて犯罪を犯しそうな人、自殺しそうな人を見つけることもできるかも知れない。
しかし、個々人の可能性に踏み込むべきではない。テロに関する検索が増えた地域ではモスクの警備を強化する、自殺の検索が増えた地域の自殺対策費を増額するなど、地域での対応にとどめるべきだ。
 
著者はビッグデータの時代にビッグデータの専門としてどのようにビッグデータを用いるべきかをよく考えている。著者とビッグデータによる新時代をワクワクして迎えられることは喜ばしい!
 
結び ここまで読み通す人は何人?
 
著者は「やばい経済学」に感銘を受けてデータサイエンティストの道に進み、この本を書いた。