書評『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』一度プレゼンに失敗した人に捧げる一時間半で読めるプレゼン攻略本。

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
82点
読み終わるまでに掛かった時間 1時間半

 一度プレゼンに失敗した人に捧げる一時間半で読めるプレゼン攻略本。

 読めば今度はきっとうまくいくそんな風に思わせてくれる一冊。表や見開きイラストも豊富で読みやすいのもおすすめポイント。

 厳しいことも書いてあり、練習しないでプレゼンするのは理解できないとか、さらに人は9割人の話を聞いていない上に次、会った時には8割忘れてるとか。

 それでもコミュニケーションをあきらめてはいけないと読者を励まし、基本的なテクニックから、情熱を持つことの重要性、ちょっと笑ってしまった「超一言」という裏?テクニックまで、あっという間に読めるのに読み終わるとプレゼンできそうな気になりました。

 むしろちょっとプレゼンやってみたい。 

 ちなみに著者がコンテストで孫正義氏にプレゼンするときは300回練習したとか。著者のプレゼンに対する熱量も伝わってくる良著です。

【『1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術』目次+読書メモ】

序章 そもそも「伝える」ために考えておくべきこと──うまいプレゼンより、「動いてなんぼ」

 
人は話の8割、いや9割は聞いていない。その前提で話をする。しかし、コミュニュケーションは諦めてはいけない。
 
!初っ端から飛ばしてくるね。最近の本の流行タイトルでいうと「人は話を聞いていないのが9割」ってところか!

第1章 STEP1 「伝える」ための基本事項
 相手は誰か? どんなことに興味があるのか?
 ゴールは何か──「理解してもらう」はゴールにならない
 結局、動かしてなんぼ──「きれいに話す」のは目的じゃない
 
目的を明確にすること。プレゼンの目的は動いてもらうこと。話を聞いてもらうこと、理解してもらうことで止めてはいけない。それではそこでプロジェクトは止まってしまう。
 
!プレゼンの目的を見失う、プレゼンの目的が綺麗なプレゼンになってしまうことは往々にしてあるよね。手段の目的化はよくある落とし穴。そして落ちてる本人は気づかない。とにかくプレゼンの目的は人を動かすこと。肝に銘じよう!
 
第2章 STEP2 1分で伝える──左脳が理解するロジックを作る
 てっぺんのないピラミッドになっていないか──ロジカルな1分ストーリーを考える
 考える=結論を導き出す──事実やデータは結論ではない
 根拠は3つ──ピラミッドで「枠組み」を共有しよう ほか
 
1.前提を共有する
2.結論を明確にする
3.結論に至る根拠を示す(3つぐらい)
4.意味が通っているか確認
 
注意事項
笑いはいらない、頑張った報告はいらない、気を使い過ぎない。
 
プレゼンは自分の考えや枠組みを他人の頭に移植する作業。
 
改めてプレゼンやビジネスの場と言うのは日常生活の会話とは大きく違っているんだなぁと思う。わかってはいたのだが!
 
第3章 STEP3 相手を迷子にさせないために「スッキリ・カンタン」でいこう
 集中して聞いてもらうための「スッキリ・カンタン」
 言葉もスライドも「スッキリ」が鉄則
 カンタン──中学生が理解できるレベルの言葉しか使わない
 
グラフにするのは基本。映写は見やすいフォントサイズを事前に調べておくこと。中学生でもわかる言葉を使うこと。
 
!ここはよくあるプレゼン本にある内容。まぁ、聞いたことない横文字使われると聞く気なくなるな。しかし、小池百合子は何であんなに受けたんだろう。わけわからん横文字ばかり使ってたのに!
 
第4章 STEP4 1分でその気になってもらう ──右脳を刺激してイメージを想像させよう
 正しいことを言うだけでは、人は動かない
 人は、イメージを想像することで、感情が揺さぶられる
 イメージを描いてもらうために行なう2つのこと ほか
 
ピラミッドは結論⇨根拠(3個)⇨事実(1〜2個ずつ)(例えば)で組み立てる。例えばで人のイメージに訴える。使えるならビジュアルがあると人の右脳に訴えやすい。だだし関係ないビジュアルはノイズにしかならない。お子さんも大喜びですよなど人の情感に訴えることも必要。
 
!今度は事実(例えば)が登場した。何だかプレゼンやってみたくなってきたw!
 
第5章 STEP5 1分で動いてもらう
 「超一言」で包み込む
 「ライブでダイブ」──プレゼンもアーティストと同じ
 「リトルホンダ」を作る──いかに「相手の立場」に立って話すか ほか
 
人は話を聞いていない上に8割忘れます。
そこでプレゼンの核を一言の造語で言い示す「超一言」。著者は数日先の指定時間にキッチリくるサービスを「キチリクルン」と名付けてプレゼンしたところ、今だに覚えていてくれる人がいるのです。
優秀なビジネスパーソンは「メタ認知」に優れていて、相手の立場にたった考え方ができるので人を動かすことができるのです。
聞き手に憑依したり、第3者として自分のプレゼンを見たり、もう一人の自分の視点を持ちましょう。
手始めに始まる前に聴衆の席に座ってみるのもいいかも知れません
 
!超一言は面白いやり方だと思った。人に影響を与えるにはやはりテクニックが必要なんだ。憑依とか第三者視点などのメタ認知は意識していかないとできないよなぁ!

第6章 STEP6 「伝え方」のパターンを知っておこう
 伝えたい言葉はあるか
 動かしてなんぼ
 
プレゼンには情熱が必要。この件に関しては自分が一番よく知っていて、存在を賭けて伝えたいという思いを持ってプレゼンすべき。根回し、アフターフォロー、動画、グラフ、フォントサイズ、話し方、などできることは全部やる。
著者は孫正義氏にプレゼンするときは300回練習した。10回に1回は録音して修正を繰り返した。
プレゼンを練習なしでやる人の気が知れない。
 
!著者のプレゼンに対する熱い想いが伝わる。やっぱりプレゼンは練習しないとダメなんだね!
 
第7章 実践編
 【会議】とっさに意見を求められて真っ白になる
 【プレゼン】自分の話を聞いてくれているような気がしない
 【上司への提案】プレゼンではなく、「対話」を意識しよう ほか
 
ツッコミをしてくる上司には最初からツッコミ処を用意してツッコンで貰い、上司との共犯で磨き上げた形にする。
プレゼンは情感を込めて行う。ロジックだけでは人は動かない。
 
!あえて穴の開いた提案をして、上司に修正させて、上司を共犯にするというのは中々の策士、これはどっかで使いたいw!
 
読むのに1時間半。
プレゼンで失敗したことのあるビジネスパーソン
一度は失敗しないとこの本に書いてあることの意味も価値もわからないだろうから。