二割読書法でおいしいとこだけ頂く読書術『齋藤孝の速読塾―これで頭がグングンよくなる!』書評・目次・感想・評価

[読みやすさ 9/10] さすがに文学部の先生。とても読みやすい。 
[何度も読む 6/10] 何度も読む本ではない。 
[読後感 5/10] 読書とは何なのか混乱してしまう。 
[学び 5/10] 様々な読書のスタイルが学べる。 
[斬新さ 5/10] 速読テクニックとして斬新な内容は無かった。 

【Q1】どんな人にオススメ?

 本を読むことの価値がわからないあなた。
 本を読むのは苦役で楽しいとはちっとも思えないあなた。
 

【Q2】この本の弱みは?

 著者が読書を偏愛しすぎていて、読書のできない時間なんてあるのという、無茶をいう部分や、科学的根拠の無い内容「ゲームをやると小動物を虐めやすくなる」や意味の分からない科学用語「ブラウン運動」を突っ込んて来たりして気になってメインの速読術の理解を妨げる。

【Q3】この本の強みは?

 著者の読書に対する熱い思いや信念、万能感が感じられて読書に対するイメージが変わる。本は頭から最後まで読み通さなければならないという固定観念を壊しにかかってくる。
  

【著者・齋藤孝さんの気になる著書リスト】

 

 

大人の人間関係力

大人の人間関係力

 
不機嫌は罪である (角川新書)

不機嫌は罪である (角川新書)

 

 

【『齋藤孝の速読塾―これで頭がグングンよくなる!』極個人的読書メモ】

第1講 何をどこまでめざせばいいのか?ー速読・多読の目標
 
 内容を要約できて、さらに独自の視点を与えることができる状態をAレベルの理解力と呼ぶ。
 いつでも書評を言うつもりで本を読もう。
 読書の醍醐味で重要なのは視点移動だ。著者の登場人物の視点に立ってみる。
 たとえ 読み終わって違うよなと思っても読んでいる間だけはなりきってみるというのが大事。
 自分の気に入った言い回しばかりを求め続けても読書に偏りが出て広がらない。
 
!著者がたくさん読めば山月記の偉大なる羞恥心とか、君の考えはルサンチマンだよとか言えるというが、そんな奴とは友達になりたくないよな。ちょっと読者に対する動機付けとしては無理がある!
 
第2講 勇気をもって飛ばし読みー二割読書法とは何か
 
 マグロの大トロの部分だけを抜き出して読む、早送りして読む、スキップして読むということを許してもいい。
 どこの二割を読むべきかはタイトル、帯、解説などからヒントを得る。
 起承転結でいうと転。ルーペを持って本を読む意識。三色ボールペンで色をつけていく。
 ドックタグをつけて引用すべき3つ、もしくは5つを選ぶつもりで読んでいく。
 
!著者は小説は細部を楽しんで読むと言いながら、「蹴りたい背中」「蛇にピアスを2割読書で紹介するとは彼女らの小説は小説としての価値がないと言っているのだろうか?また起承転結の説明でエディプスを持ち出すのは適切だろうか?この話はあまり綺麗な起承転結になっていないと思う。桃太郎やら猿かに合戦の方がずっとわかりやすかったとおもうのだが、、、この人は尊敬していたんだか、どこか底意地の悪さを感じるのは僕だけだろうか?
また、2割だけ読むに関してはそれによって著者の心配する嗜好による偏りを助長しないだろうかと心配になるがそれに関しての言及はない
 
第3章 誰でも今すぐできる速読術
 
 本は単体ではなく複数形で考える。つまり本は繋がっているので芋づる式によんでいくと理解が進む。著者で絞って読んでいくのもいい。
 本は折ったり、印を入れながら読むと良い。
 難しい本はキーワードを足がかりに読むことを勧める。何度も読んでキーワードをヘリコプターで拾ってゆくイメージ。
 いい引用文を探すつもりで読むのも有効。
 目次のいい本はいい本である可能性が高い。なぜなら著者の中で内容がしっかり整理されているから。
 10冊を並行的に読んでいくと良い。ジャンルは分かれている方が混乱しない。
 
!この著者は芋づる式で読めと言ったり、ジャンルはバラバラで並行的に読めと言ったり一貫性がない。同じチャプターでこれでは読者としてはどうやってついていっていいかわかりにくい。
本を汚すといいのはわかるが、貧乏人には無理。読書術の本が大抵本に書き込めと書いているのは書籍業界の売り上げのためではないかと思ってしまう自分がいるw!
 
第4講 速読上級者プログラム
 
 評論文は著者が何を敵として戦っているのかを考えると理解しやすい。
 著者との対談があると想定して読むのも理解を深める手がかりになる。会ったらどんな質問をするのか、どんな意見を述べたいか、、、。
 英語の本を読めるようになりたいならひたすら音読することがオススメ。初心者はすでに内容を知っている作品、例えば走れメロスなどが良い。
 
!英語の本が読めるようになったら便利かなぁ。まあ、ネット上の一時情報を読めるようになるには相当な訓練が必要だろうな。評論の敵を探せというのはいい考え方だと思う。著者はこうじゃなくてこうだ、と言っているのが評論文だから!
 
第5講 速読を生活にうまく組み込んでいく方法
 
 乗らないときは音速読をするといい。
 読書の時間がないなんてことはありえない。彼女と喫茶店にいるときだって読める。嫌われる?許してくれる彼女と付き合え。
 毎月、一万円は本を買え。
 
!無茶苦茶言ってる。読書なんかより彼女の方が大事に決まってるわけで、読書のハードル上げすぎ。突然、大した説明もなくブラウン運動を突っ込んできたり、文系の先生のあれなところが出ているなぁと。ゲームをやると小動物をいじめる云々も書く以上はレジデンスを出せと言いたい。人の意見を書いただけって言い訳は許されないと思います。密息もアレクサンダーテクニークも名前だけ出してほぼ解説なし。なんかちょっと酷い。この先生に期待しすぎていたのだろうか!
 
69点
1時間半