女性著者からの女性への応援歌『これからは、生き方が働き方になっていく』書評・目次・感想・評価

[読みやすさ 7/10] おおむね読みやすい。所々の一般的ではない横文字必要か? 
[何度も読む 7/10] 人生のシーズンが変わったら読みなおしたいかも。 
[読後感 8/10] 新しい時代を予感させる内容。
[学び 7/10] 自身の体験談に寄り過ぎて掘り下げ方が甘いか。 
[斬新さ 6/10] 女性に対する応援歌的内容だが斬新さは感じられない。 

【Q1】どんな人にオススメ?

 自分の可能性をもっと強く信じたい女性の皆さん。
 仕事を頑張れば頑張るほど男性化するしかないのでは悩んでいる女性の皆さん。
 自己啓発本の著者は男性が多いのでバランスを考えて女性の著作も読んでみたいあなた。(著者からはいわゆる男っぽい女性ではない)

【Q2】この本の弱みは?

 著者が自分をフェミニストと呼び、女性だけのコミュニティの必要性を説き、女性の連帯、そしてこの本もほぼ女性向けに書かれているため、男性読者を遠ざけてしまっている感がある。女性の権利拡張運動であるフェミニズムは女性に訴えることで成功するのだろうか?男性も納得させ巻き込んでいかなければならないと思うのだがどうだろう?
 また、炎上や批判を恐れているのか言い回しが慎重すぎ、また女性は謙虚過ぎると言いながら自身も、とても優秀な経歴を持ちながらも謙虚に過ぎる。もう少し尖った意見で論争を巻き起こすぐらいの気持ちでもいいのではないだろうか?
 もったいない。 

【Q3】この本の強みは?

  女性が女性向けに女性であることを活かして新しい時代を生きる方法を記した自己啓発本なので貴重。上から目線で説教臭い自己啓発本が多い中、きらりと光る一冊。

 

これからは、生き方が働き方になっていく イメージ

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【『これからは、生き方が働き方になっていく』目次と読書メモ】

第1章 世の中はどう変わる? 
 
 ウーバーなどのヤンチャな男性的ブロウカルチャーの組織に対する疑問が鬱積し爆発した。とにかくセクハラが酷かったらしい。
 新しい潮流として株主だけでなく、従業員、地域コミュニティ、環境など、あらゆるステークホルダーに配慮する「ティール組織」が評価を高めている。
 楽(ラク)ではなく楽しいに目を向けてみてはどうか?
 
!ラクではなく楽しいに目を向けるというのは賛成。ぼくは油断するとすぐにラクに走る!

第2章 これからの時代に必要な3つの要素 
 
 何でも専門家の様に解説したがる男が多い、時には女性の身体についてさえ、それはマンスプレイニングと名付けられている。
 
!これは気をつけたい。本をちょっと読んだだけで人に教えたくなるのか、やたらと語っている自分がいる。気をつけよう!
 
 1人が広場で踊っている。するともう1人が踊り始めると、1人目の行為は正当化され、次の1人は踊り始めやすくなる。やがて、多くの人が踊りだし、お祭りになる。起業とはそういうもの。
 
 コミュニティは出入り自由であることが前提。カルトの様に脱退できなかったり、入るのに試験がいるのはコミュニティではない。複数のコミュニティにはいるとバランスのとれた人間になれる。
 
!女性だけのコミュニティをやたら薦めるが(著者はそれがたまたま同じ境遇にいて価値観が合うからだといっているが)それでバランスのとれた人間になれるとは思えない。複数のコミュニティに入るなら女性限定なんて偏ったコミュニティは1つだけにして他のコミュニティはもっと多様なコミュニティに入って欲しいと、思う!

第3章 とにかく、自分の好きなことで働くしかない
 
 自分の好きを掘り下げる。例えばファッションが好きだとする。じゃあファッションの何が好きなのか?ファッションに関われさえすればいいのか?ファッションブランドの財務を見ていても恐らく満足はできない。ちゃんと掘り下げよう。
 好きは複数のあっていい。むしろあったほうがいい。複数の好きを複数の仕事にできればいい。
 
ポートフォリオワーカーについては賛成。ぼくの場合は本と何だろ!
 
第4章 柔軟に、自分をアップデートしていく
 
アップデート
 アップグレードではなく、アップデート。常に自分のやりたいこと、ありたい姿などに近づけていくこと。
 
 フィードバックをくれる人は貴重。常にフィードバックをもらいに行くことは手間をかけても価値がある。
 
!フィードバックは大事だね。ぼくもフィードバックをもらえるように手をうってみよう!
 
第5章 カンとユーモアを武器に、「人間らしく」生きよう 
 
 こんな時代だからこそ、迷ったらカンが大事。人間らしいことがAIに居場所を取られない方法。
 疲れたら休むべき。いろいろ言う人もいるが休むべき時はある。
 ユーモアも大事。十分考えたらあとは冗談でも言う。
 
著者が批判がましい上司と対決した時の話をカンが大事だというエピソードとして語っているが、それはカンか?それではっきりおかしいと思わないのがおかしいだけだ、、、と思う。それはカンではない。彼女にまだ社外の常識が残っていただけ!

第6章 これからの家族――恋愛や子育てについて 
 
 結婚はまず、自分自身と結婚する。
 
!自分自身と結婚するというのは、まず、自分自身を好きになる、受け入れるということだと思う。それを受け入れてくれる相手を探すということで、モテるために自分を変えるということではないと著者は言っているのだと思う!
 
 子育ては楽しめ。
 
!今、世間では子育てのハードルが上がりっぱなしで、それが若い人たちが子供を作ることを躊躇する1つの遠因になっているように感じる。みんな文句言い過ぎ、過敏に反応しすぎ、他人のいうことに引っ張られすぎってとこですかね。!
 
85点
1時間半
 
著者がフェミニストを自称しているだけあってフェミニストらしい考えに共感できない部分もあるが、未来を見る視線にはとても共感できた。男というだけで排除する姿勢は正しいフェミニストの在り方なんだろうか?!