『遅刻してくれて、ありがとう(下) 常識が通じない時代の生き方』書評・目次・感想・評価
[読みやすさ 9/10] 熟練のライターだけあってとても読みやすい。
[何度も読む 6/10] 何度も読むタイプの本ではない。
[読後感 6/10] ボトムアップならばあるいはと政治に希望がともった。
[学び 8/10] 政治やコミュニティに対する考えが変わった。
[斬新さ 6/10] 一歩間違えると懐古主義のコミュタリアン。
【Q1】どんな人にオススメ?
現在の日本の政治に希望を見いだせないあなた。それでいて自分の住む市町村の長の名前を知らないあなた。世界中の2極化対立に疑問を感じているあなた。
【Q2】この本の弱みは?
コミュニティに帰れというのは一歩間違うと懐古主義であり、著者自身の故郷ミネソタに対する思い入れもあって、コミュニティを過信している感もある。
【Q3】この本の強みは?
民族的・文化的に多様性を持つ社会はレジリエンスが強い。そして社会は、政治はトップダウンではなく、ボトムアップで変えていけると信じられる内容になっている。
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かつての超大国アメリカ―どこで間違えたのか どうすれば復活できるのか
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【『遅刻してくれて、ありがとう(下) 常識が通じない時代の生き方』目次と読書メモ】
PART3 イノベーティング
Chapter9 制御対混沌
冷戦中の世界は実は経済的にも政治的にも安定していた。
冷戦終結時、 我々は世界のあらゆる問題は解決に向かうと思っていた。
しかし、違っていた。
冷戦後、世界は弱体化したものを制御しなければならなくなった。
そしてその力の空白にisisのようなテロ組織が跋扈する。
彼はには相互破壊による抑制は通用しない。
腐敗し、 弱体化した政府を倒すのにはインターネットはおおきな力を発揮し 、多くの独裁をたおしたが、 その後の多くは独裁よりもひどい状態になっている。
無秩序と混乱、政府を倒した勢力同士の同士討ちだ。
インターネットのシステムは何かから自由になるには優秀だか、 何かをできるようにする自由には届かない。例えば民主主義、 投票。
独裁政権を倒した後は嘘と混沌で秩序が打ち立てられずに終わって しまった。
解決策はあるのか?
難民を生む砂漠化の問題に対抗するために現地人に給料を払って植 樹をさせるプロジェクトが進行している。
砂漠を食い止めるのだ。
砂漠を食い止めるのだ。
またインターネットのラストワンマイルを繋げることで多くの人々 に情報と学ぶ機会を与えている。
植樹によって砂漠化を食い止める。
それは砂漠化によって仕事を失った人を使うことで人の流出を防げ るメリットもある。
植樹によって砂漠化を食い止める。
Chapter10 政治のメンターとしての母なる自然
新しい政治によって社会のレジリエンスを高めなければならない。
そこでメンターとなりうるのが38億年という長きの間、 生命を様々な破滅的事件(隕石衝突や気候変動など)の中、 維持してきた母なる自然である。
自然は柔軟で適応性がある。
地面を見ても単種の農地より遥かに様々な植物が入り乱れる草地の 方が生産性が高い。
多様性を受け入れ、 常にそれが競い合っている。
多様性を受け入れ、
外部から優れたものがやってきた時に悔しがってぶん殴るようであ ると、発展は望めない。
外から優秀なものが現れた時は、そこから学び、 自らの成長の糧にできることが大切。
!韓国や中国の日本に文句言っている連中、 いや日本の復古主義者も恨みつらみコレクターみたいなものだな。 日本は中国が新たな大国として現れた今、 そこから学ぶべきは学び、勝ち目がないのにぶん殴ったりせず、 冷静に柔軟に対応できるだろうか? その為には理性なきナショナリズムは邪魔になる。 煽られずにいたい!
!この章全体にアメリカの、加害者の傲慢を感じるとも言える!
Chapter11 サイバースペースに神はいるか?
我々は同じ部族を愛するように運命付けられているが、 それを拡大することはできるはず、 すべての人類を同じ仲間として。
サイバースペースに神はいるのかという問いを受けた著者は宗教の グルに同じ質問をして回った。
サイバースペースに人々が神がいるように振る舞えばサイバースペ ースに神はいる、グルはそう答えた。
人々が因習を打ち破って新しい物語を人々に見せなければならない 。
人類が助け合う新しい物語を。
Chapter12 いつの日もミネソタを探して
この章と次章は著者の故郷、ミネソタの話。
これからの世界は台風の中のように変化が激しく、 トランプをはじめとする政治家のように壁を建てることに意味はな い。
これからは台風の中でフローに生きる。その風にのる。 もしくは台風の中心にある穏やかな場所を築かなければならない。 それこそがコミュニティだった。
中東や世界中の様々な問題を抱える世界に行ったが、 問題を解決する理想の社会が故郷ミネソタだった。
もちろん、ミネソタにも多様性に反対する勢力や差別はあったが。
著者の故郷はモンデール副大統領、 隣町ではサンデル教授などを輩出している。
!サンデル教授と言えばコミュタリアンですよね。なるほど!
今、ミネソタは変わっているが他の場所よりもマシ。
!この辺りから、急につまらなくなった。 結局はお爺ちゃんの昔は良かった話だ。故郷ミネソタ、 昔ながらのコミュニティに現在の問題を解決する力があるとは思え ない。 これは個人的には自分が故郷をあまり好きではないからだろうか!
Chapter13 故郷にふたたび帰れる(それに帰るべきだ)
しかし、推進した議員は自らの提案でやったとハッキリ明言し、 反対していた議員は可決した以上、成功するよう110%努力し、 地域住民は次はなにをやるのか?と尋ねた。
失敗を認めない、失敗の揚げ足をとる、失敗を許さない、 土壌では前進はありえない。
!相変わらずのミネソタ推しだ。だか、学ぶべきことも多い。 ただの民主主義が多数決ではないこと。特に可決した以上、 自分が反対していた事でも、 精一杯上手くいくよう努力するというのは、 今の政治家に必要な事ではないだろうか? 基本的にはすべての政治家は代表する組織の為に、 つまり国会議員は国民のためになることをするという点で同じなの だから。そう考えると今の野党が信頼されないのもよくわかる。 彼らは自分たちの為に与党の政策に反対しているのが丸わかりだか らだ。そして人々は野党を信頼しない、与党に緊張感がなくなる。 政府が国民の方を向いて政治をしない。と、 いう悪いスパイラルになっていると思う。 さらにマスコミも信用できないとなると国民は路頭に迷う。 そしてネットこそ真実がといってフェイクニュースに踊らされる。
ぼくは基本的には政治には首をつっこむべきではないと考えていた 。一生を賭けて臨む覚悟がないなら、 政治は天気と同じで風を読み、雨を予測するだけで、 変えようなどと思うべきではないとかんがえていた。
しかし、この章を読んで少し考えが変わった。地方自治、 自らの所属する小さな自治区域に関しては本業をしつつも、 参加するのもありなのではないかと考えた。日本は大きすぎる。 しかし、 自分の住む市長の名前も知らないのは考えものかもしれない。 政治は足元からボトムアップが大切なのかもしれない。 個人でも町や村、区、市ぐらいまでは変えられるのではないか? そんな力が集まって、日本が変わっていくのではないだろうか? 初めは自分の家の周りのゴミ拾いから始まるのだろう。 ぼくは自分の住む地域を良くする活動もせずに、 天下国家を論ずる奴を、そしてそんな奴だった過去の自分を笑う!
PART4 根をおろす
Chapter14 ミネソタから世界へ そして帰ってくる
デジタル的に歴史上最も人と人がつながる時代、 皮肉なことに最もヒトを蝕んでいるのが孤立だ。
つながりは無限に供給可能なのに人々は気づいていない。
つながりは第2のビタミンである。
つながりは無限に供給可能なのに人々は気づいていない。
!孤独は社会的な問題になっている。 日本には孤独を賞賛する文化があり、孤独を賞賛する本も多い。 その辺りの本も読んで自分の孤独に対する態度を判断をしていきた い!
<その後>それでも楽観主義者でいられる
トランプはアメリカを上手くいっている海岸沿いと上手くいってい ない内陸部に分けようとした。
しかし、それは間違いだ。
しかし、それは間違いだ。
海岸沿いにも上手くいっていないコミュニティはあり、 内陸部にも上手くいっているコミュニティはある。
ボトムアップで上手くいっているコミュニティのやり方を拡大し、 アメリカ全体を立て直そう。
私はそれができると信じているから楽観主義でいられる。
85点
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