著者は一人暮らししたことが無いけど『極上の孤独 (幻冬舎新書)』書評・目次・感想・評価

[読みやすさ 9/10] とても読みやすい。 
[何度も読む 5/10] 一度読めば十分。 
[読後感 5/10] すっきりしない。 
[学び 8/10] 同じような内容でも書き方ひとつで人の反感を買うと学べた。 
[斬新さ 8/10] 一人暮らし未経験で孤独を語る斬新さ。

【Q1】どんな人にオススメ?

  下重暁子さんがどんな人なのか知りたいひと。 

【Q2】この本の弱みは?

  世界的にも問題になっている孤独を、著者個人の経験を元に軽々しく扱っている。孤独は素晴らしい、今の人は群れ過ぎだと言い切る。しかし、著者個人にとっての孤独は多くの人の中にありながら、時に自分の意志で一人になるというもの。社会問題になっている孤独とはまったく違う。その程度の見識で孤独に苦しんで時に死に至った人まで批判するのは読んでいて不快ですらあった。

【Q3】この本の強みは?

  とても読みやすい文体。俳句を詠む人だからか文章に美的センスを感じる。

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【著者・下重 暁子さんの気になる著書リスト】

 

わたしが子どもをもたない理由(わけ)

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最後はひとり

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ブレーキのない自転車 私のまっすぐ人生論

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群れない媚びない こうやって生きてきた

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孤独の作法 (中経の文庫)

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【『極上の孤独』目次と読書メモ】

1.なぜ私は孤独を好むのか
 
 若者がスマホいじめで自殺するのは本当に自分と向き合っていないから、首吊り人と称する人殺しに会いに行って殺された人たちも同様、しかも迂闊なのだ。
 日本人は孤独を恐れすぎている。スマホの電源を切れ。
 
!全くひどい内容だ。1人でいる事と孤独をこの人は一緒にしている。著者のは孤独ではなく1人でいたい時に一人でいるというだけで孤独でもなんでも無い。一人でいても、心の中には一緒に住む連れ合いが居て、自分に会ってくれる友人がいる。
それなのに自分は孤独に生きられるなどと、家族を亡くした友人や、孤独に付け込まれ殺された人に上から目線で、ものを言う。
著者は山頭火や尾崎放哉の句に憧れている。つまり所詮妄想お花畑な孤独に過ぎない。
本当の孤独はもっと残酷で毒に満ちたものだ。
彼女は人気者が孤独ごっこをしているだけ。
売れているらしいから読み始めたがこの後、もはや投げ出したい。けど読む。こんな人に孤独を語らせてしかもそんなもんが売れてるって?!
 
2.極上の孤独を楽しむ
 
 素敵な人はひとり。
 なんでもきっちりやってると早死に。
 私みたいにいい加減がいい。
 トイレで俳句を作って最高点。
 
!この人は世話になった人やらを平気で悪く言う。どうやったらこんな風にできるのか?孤独ごっこの害か?つれあいがいながらの精神的不倫。ひとりじゃ無いとドラマが始まらないだ?いいけどそんなのは聞きたい内容じゃ無い。心に納めといてほしい。うーむつらい!
 
3.中年からの孤独をどう過ごすか?
 
 中年になってから何かに狂うとロクなことにならない。
 しかし、庭でもいいから定年後の家に自分の管轄とも言える自分の居場所を作っておくべき。
 夢ノートを作っておくのもいい。
 
!結局はひとりでも複数でも楽しめる人になればいいのだと思う。ひとりでも楽しめれば無理に人に合わせなくてもいいし、複数で楽しめればもちろんひとりの時とは違った楽しみがある。どちらか半分では楽しみも半分だ。ひとり焼肉もひとり映画も、みんなで焼肉もみんなで映画も楽しい。人生半分ではもったいない。著者はどちらの人生も楽しんでいるのに私は孤独だなどと、選択的孤独を真の孤独ど同列に扱うから、イライラするのだ。孤独にいったり戻ってきたりできる人は孤独ではない。社会問題になっている孤独は孤独に閉じ込められている人がいることだ!
 
4.孤独と品性は切り離せない
 
 年をとるとその人の人生が顔に出る。
 若いうちは若さの輝きで隠されていることも多いが年をとるとそれがはがれる。
 自転車振興会の会長を務めた。
 競輪競技用のバンクをつくり、ガールズ競輪を復活させるなどトップとして孤独な決断をした。
 
組織トップとしてした決断に関してはまさに孤独な決断と言っていいと思う。しかし、男性社会に入る時、女性は女性をすごく意識するなぁとつくづく思う。男社会や広報(女性)などジェンダーをすごく意識しているなぁと、まぁオトコはオトコで意識しているものですけれど!
 
5.孤独の中で自分を知る
 
 著者は一人暮らしをしたことがない。
 なんでもやってくれていた母親が81で亡くなると自分を守る屏風がなくなったような気がした。
 同時に見通しが良くなった気がした。
 年をとると友達がみんななくなっていく。
 老人ホームに行くと疲れる。若い人といると元気になる。
 年をとったら若い友人を作るといい。
 先に死ぬ確率も低いし、新鮮に新しい話を聞ける。
 瀬戸内寂聴さんも20代の秘書を雇った。元気にしている。
 
!著者が齢80を過ぎているのに一人暮らしをしたことがなく、
そのていで孤独についての本を書いたという厚顔さに軽く呆れつつこれがベストセラーに名を連ね20万分近く売れていることに驚きを隠せない。
あんまり。
ただ、同年代で固まらず様々な年代の人と友人になれというのはできれば実践したいものだと思う。!
 
68点
読了まで1時間半