『ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ――若き日のバフェットに学ぶ最強の投資哲学』書評・目次・感想・評価

【Q1】どんな人にオススメ?

 バフェットの投資を「なぜこの企業を買ったのか」という切り口で学びたいあなた。バリュー投資の信奉者だが、時折、投機に走りたくなる自分を戒めてくれる本が欲しいあなた。

【Q2】この本の弱みは?

 著者も述べているがバフェットの私生活などは、ほとんど書かれていないので、人間を描く物語としては面白いものではない。

【Q3】この本の強みは?

 バフェットの投資時の根拠が書かれているのでバリュー投資の参考書としての価値が高い。バフェットの失敗についても書かれているので、バリュー投資の神様でも失敗はあるのだと、そこから立ち直ったのだと学べる。

ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ――若き日のバフェットに学ぶ最強の投資哲学

ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ――若き日のバフェットに学ぶ最強の投資哲学


【著者・グレン・アーノルドさんの気になる著書リスト】

 

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【『ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ――若き日のバフェットに学ぶ最強の投資哲学』目次と読書メモ】

第1部 投資家バフェットの足跡を追う
 
 企業の詳細を分析し、安全性のマージンを保ち、満足のいくリターンだけをもくひょうとしてこそ投資と言える。これ以外は投機。
 
 気分屋のミスターマーケットの株式評価を受け入れてはいけない。それを利用しよう。
 
 未来の価値に期待に投資してはいけない。
 
^_^ バリュー投資の偉大さは理解しているつもりなのにいつも、投機に走っている自分がいる。うーむ。
 
第2部 ヤング・バフェットの22の投資
 
 投資家と投機家の線引きを明確にそして当然、投資家であること。
 
 バフェットの投資の核心はNCAV(正味流動資産価値投資)
 
 保有する流動資産の価値よりも低い価格で売られている企業は埋もれている。
 
 干し草の中から一本の針を見つけるような作業ができる人間が良い投資機会を見つける。
 
 ミスターマーケットが馬鹿な時に動け。短期的な理由で株価が下がっても長期的には価値に傷がつかないのであれば買い。
 
 バフェットは経営者にストックオプションを付与することを好まない。ダウンサイドリスクのない報酬であるため、株主の資金を使ってギャンブルをするよう経営者に仕向けるからだ
 
^_^ これは確かに言える。ギャンブルして当てれば莫大な金。失敗しても報酬の一部のストックオプションを失うだけだ。これはリストラ経営者にも反映してほしい。首切りまくって表面上の利益を上げて本人は莫大な報酬を貰ってさよなら。会社に残っているのは無能なイエスマンばかり。なんてよくある話。
 
 金銭的報酬以上に敬意を大切に。
 
 自分の得意分野でないことを認めることも大事。バフェットはハイテク分野は得意ではないことを認め、ハイテクには手を出さなかった。
 
^_^ 自分の得意分野を知る以上に不得意な分野を知ることが投資家にとっては大事なのかも知れない。
 
 バフェットは資産運用の規模が小さいのであれば定量面での割安株を拾うことが高いリターンを得るための優れた手法であると言う考えを否定していない。
 
^_^ 我々弱小個人投資家はバフェットの初期の投資手法が最も参考になると思う。運用資金が膨大になってからのバフェットの投資手法はあまり参考にはならないのかもしれない。
 
^_^ 株式市場が熱狂しているときにバフェットにとっては市場が仕上がっていると感じるのは何とも皮肉なものだ。
 
 運用規模の小さい投資家は有利だ。時価総額の小さい企業にも投資できるため、投資可能な企業の数が多くなる。
 
 多くの株主がしぶしぶ保有している時、買いの好機が生まれることがある。
 
^_^ いつだか日本でも日本生命の株が配られたことがあったあれはどうなったんだろう?
 
 サプライヤーが多く、競争の激しい市場から原料買い、価格支配力を持っている市場で製品を売るようにしよう。
 
^_^ 正にキャンディがそうだ。砂糖は激しい価格競争にさらされているが人気のキャンディーには価格決定権がある。
 
 10年間無人島に行って帰ってきても業界の指導的地位に居続けるような会社を買おう。コカコーラ、ケロッグなど。
 
^_^ 著者は述べているがこの本の特色はバフェットはなぜこの企業に投資した日に視点を置いて描かれていることである。
 
88点
3時間