『評価の経済学』書評・目次・感想・評価

【Q1】どんな人にオススメ?

 頑張っても評価されないとお嘆きのあなた。自分の評価を守るための謝罪方法について知りたいあなた。

【Q2】この本の弱みは?

 評価に対する取扱いで個人に落として込んで実践できることが少ない。もっと読み終わってからすぐ実践できる方法論を知りたかった。

【Q3】この本の強みは?

 評価という曖昧に処理されてきた問題を系統だてて、過去の実例を取り混ぜて解説した意欲的な一冊。

評価の経済学

評価の経済学



【『評価の経済学』目次と読書メモ】

第1部 評価をつくる最強戦略
 
第1章 「評価ゲーム」に勝つためのルール
 
 評価とは実際にどんな人であるかではなく、どんな人だと他人から考えられているか
 
第2章 評価を決定する3つの要素1ー行動
 
 バイキングの狂戦士ファミリーのメンバーは狂戦士のファミリー以外の半分ほどしか殺されなかった
 
^_^ こう考えると日本の神風特攻隊が残したものはいざとなれば死さえ恐れぬ戦士になるという日本人に対する評価なのではないだろうかそれを維持することで日本の平和を守る効果もあるのかも知れない。外人にもっと伝えるべきかも。
 
 マフィアにとっては悪名は資産になった。それにより実際に手を下さなくても人々はマフィアを恐れ従った。
 
 イギリスのSASもその高い評価により、存在するだけでテロリストたちの行動を抑制している。
 
 評価には性質と能力がある。能力の評価を変えるのは難しい日本軍は未だに高い評価を持ち中国の野心を抑えるのに役立っている。
 
 女性は男性と同じ程度に他者を信頼するが、女性の方がより信頼に値するということだろう
 
^_^ これは逆に言えば女性の方が試供品や紫色に弱いとも言えるのではないか
 
 文化はそよ風のようなもので見るのは難しいが感じることができる
 
第3章 評価を決定する3つの要素2ーネットワーク
 
 閉じたネットワークでは新しいアイディアが発生しづらい。
 
 行動がメッセージならネットワークはそのメッセージの送信方法だ
 
「自分とは似ていない人、慣れ親しんだ者とは違う考え方や行動と接する価値は評価できないほど高い。こうした交流は、いつの時代でも、特に現代では信仰の主要な源となる」ジョン・スチュワート・ミル
 
 ストラクチュラルホール(構造的な隙間)を超えて交流する人は、競争上の強みを得られる
 
「評価は、将来の通貨だ」 マイケル・ファーティク
 
第4章 評価を決定する3つの要素3ー物語
 
 若者を中心に、人々は様々なソースから好みのニュースをニュースフィードに取り込んだり、Twitterでニュースを読んだりする。
 世間から遅れをとらないよう、何が起こっているかを秒刻みで確認して時間を無駄にするにはぴったりの方法だ。
 
^_^ 辛辣な物言い。確かに情報を追い続ければあっという間に日が暮れる
 
 NGOに標的とされるのは最悪の違反者と言うわけではない。最も目立って最も評価の良い相手だ。
 
 アップルが方針を変えたかどうかは重要ではない。世間の注目を集めるために活動家がアップルを選んだのだ。
 
^_^ 活動家は知られていない団体の悪行より、世間の耳目を集めやすい有名企業のちょっとしたミスを大げさに取り上げる。見せしめとしてはいいのだろうが、社会にとってはこれでいいのだろうか?
 
第二部 最高の評価をつくる実践法
 
第5章 危機的状況の中で評価ゲームを勝ち抜く
 
 能力の評価はなかなか失われないが、性質の評価はすぐに変わることだ。
 
 ダニエルカーネマン「ファスト&スロー」
 
 謝罪を成功させるには、申し訳ありませんと言うだけでは足りない。遺憾の意を示し、責任を認め、補償を提示することが必要である。
 

 

ナイロビの蜂〈上〉 (集英社文庫)

ナイロビの蜂〈上〉 (集英社文庫)

 

  

ナイロビの蜂〈下〉 (集英社文庫)

ナイロビの蜂〈下〉 (集英社文庫)

 

 

 
第6章 評価を「貸し借り」する上級テクニック
 
 スティーブスタウト「タンニングオブアメリカ」
 
 評価の貸し借りは、お金が絡んでいないと言う印象を与える必要がある。商売ではなく善意のため、正しい目的のためだと思われないといけない。
 
 評価は、信用情報よりもずっと強力な21世紀の通貨になりつつあります。
 
 地位が上がるにつれ、リーダーまたは起業家としての評価を他所へ移すことができるようになり、仕事がやりやすくなる。
 
 ブランドとはどう見られたいかであり、評価とはどのように見られているかだ。
 
第7章 評価ゲームで伝説を残す
 
 カリギュラは怪物だったので暗殺されたのかもしれないが、暗殺されたから怪物にされたと言う可能性も同じ位ある。
 
第八章 評価ゲームの達人がすべきこと
 
 評価を管理すると言う考え方は危険なことだ。
 
 閉じたネットワークでは自分に関して信頼できる情報が素早く伝わる。開いたネットワークでは情報はもっとゆっくりきた。だがより多くの異なるタイプの人々と個人的に関わり新しい考え方を知る機会が得られる。
 
89点 
5時間
 
 結論として他人からの評価はコントロールできない。ではいまいち納得できない。少なくとも一定期間はコントロール下におけるわけだから。もちろんそれが崩壊する危険も隣り合わせで。