目次だけでも読んでいって下さい

読書は孤独です。同じ本を読んだ人はコメントくれると嬉しいです。

『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)』書評・目次・感想・評価

 日本文化に精通した英国人による厳しくも愛ある日本論が読み手としても考えさせられる。遅れている分野こそ、飛躍的な発展が望める分野だという著者の主張には勇気づけられる。

イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)

イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)



【著者・デービッド・アトキンソンさんの気になる著書リスト】

 

デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論

デービッド・アトキンソン 新・生産性立国論

 
デービッド・アトキンソン 新・観光立国論

デービッド・アトキンソン 新・観光立国論

 
デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論

デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論

 
世界一訪れたい日本のつくりかた

世界一訪れたい日本のつくりかた

 

 

【『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)』目次と読書メモ】

第一章 外国人が理解できない「ミステリアスジャパニーズ現象」
 
 日本人は安易な答えを求めすぎている。シンプルアンサーが大好きだ。
 日本が経済大国であるのは人口が多いから一人当たりのGDPでは世界25位程度。
 人口を考えれば国内総生産で中国に抜かれるのは仕方のないことを何といっても人口が違う。やがてインドにも抜かれるだろう。
 貿易大国も幻想。日本のGDPに対する輸出量が15%。200カ国以上の数字の中で下から8番目。自動車以外はほとんどサボっていると言っていい。
 
^_^ 日本わっしょい本が多い中で、このような辛口の切り口は新鮮。このような本こそ意味がある。
 
第二章 日本の「効率の悪さ」を改善する方法
 
 欧米の労働者と言うのは、自分自身で力を調整しながら賢く働きます。
 しかし、日本の労働者は会社の制度によって、本当に命がけで働きます。
 これは外国人には決して真似のできない日本の「強さ」です。
 
^_^ まぁそういう傾向はあるとは思うけど一概には言えないと思う。もしかしたら職人と言う世界がそういうものなのかもしれない。きっとドイツの職人もイタリアの職人もきちんとした給料もらえば命がけで働くんじゃないのかな。
 
 日本の非効率の原因は向上心のなさと楽して儲けたいと言う心。
 
^_^ 楽して儲けたい
 
第3章 日本の経営者には「サイエンス」が足りない
 
 日本とアメリカは逆さまの国。日本は労働者が優秀で経営者が無能。アメリカは労働者の質が低く経営者が有能。
 
 日本人は苦労話に時間をとり実際に何が言いたいかわからないことがある。
 
 日本には今、シンガポールに学べと言う論調があるがシンガポールは小国、売り上げ一億円の会社が売り上げを倍にしたから売り上げ一兆円の会社がそれを真似しようとしているのと同じこと。
 
外国人に日本食の魅力を聞くと
1位がヘルシー
2位が消化しやすい
3位が洗い物が少ない
 
盛り付けが繊細とか、旬を取り入れているとかは入っていないんだよ。
 
 日本の経営者は信長に学んだり、坂本龍馬を信奉したりしてるが、そんなことより数字、サイエンスを学んで欲しい。
 
第4章 日本は本当に「おもてなし」が得意なのか
 
 評価が高いのは「日本人の個人としてのおもてなし」であって企業、国家や東京という都市のおもてなしではない。
 
 都合の良い結論にもっていくために、まったく異なる話をくっつける日本の悪い癖。
 
 日本ではクレーム対応にもめんどくさいから変えたくないの精神が見てとれる。
 
 日本ではサービスの供給側の都合が優先されすぎている。
 その例が多機能携帯過ぎる携帯電話、ガラパゴス携帯だ。
 機能詰め込むことに夢中になりすぎて顧客のほう向いていなかった
 一流旅館でもチェックインの時間が融通が利かなかったり。
 
第5章 「文化財保護」で日本はまだまだ成長できる
 
 日本は文化財保護と言う点でもとても遅れている。
 イギリスが500億円、人口比で言えば日本は1,000億円以上を投入していてもおかしくないのだが、実質は81億5,000万円。どれだけ少ないか分かろうと言うものだ。
 さらに言うと一人当たり文化財の修理費日本64円、イギリス780円。
 予算の少ない中文化財保護に予算が避けるかと言う考え方もあるが、イギリスでは観光等で文化財保護の価値は高い。2兆円を超える経済効果がある。
 さらに続けると文化財保護は伝統的な技術を持つ職人によって行われるので学歴の低い若年層の雇用にもプラスの影響がある。
 
^_^ 著者が文化財保護の会社の社長と言う点から我田引水の感もあるが、遅れている分野ほど成長の余地があると言う点でも理解できる。
 
第6章 「観光立国」日本が真の経済復活を果たす
 
 日本はイタリアフランスなどには及ばないが文化財が残っている国
 当たり前のことだと思うかもしれないが多くの国では政権が変わることで過去の文化財が破壊され残っていないところも多い。
 日本は文化財が残っているにもかかわらずびっくりするほど活用していない。
 
 日本の文化財は箱を見せてやるから勝手に見学してお帰り下さいと言うのが主流、これではお金は落ちないし、満足度も低いまま。
 観光に来る前に勉強してから来いと言うのは供給側の理論。
 その点伊勢神宮のせんぐう館は社殿や宝物がどういうプロセスで作られたかレプリカで説明するなどしてよくできている。
 
^_^ その「せんぐう館」は平成29年浸水してしまったらしい。今はお休み。
 
 
^_^ 先日、アジアでクールジャパンのイベントが開催されているが閑古鳥が鳴いていると言うニュースを見た。先代から受け継いだ文化財をないがしろにして観光立国もクールジャパンもあるものかというのが感想。日本が右傾化していると言うが右傾化している割には伝統文化を守ろうと言う機運が高まるないのはなぜだろう。ののしり合うだけが愛国心の表現方法ではないと思うのだが。
 
 
93点
2時間