『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)』書評・目次・感想・評価
日本文化に精通した英国人による厳しくも愛ある日本論が読み手としても考えさせられる。遅れている分野こそ、飛躍的な発展が望める分野だという著者の主張には勇気づけられる。
【著者・デービッド・アトキンソンさんの気になる著書リスト】
イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書)
- 作者: デービッド・アトキンソン
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/06/23
- メディア: 新書
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国宝消滅―イギリス人アナリストが警告する「文化」と「経済」の危機
- 作者: デービッドアトキンソン
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/02/19
- メディア: 単行本
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デービッド・アトキンソン 日本再生は、生産性向上しかない! (ASUKA SHINSHA双書)
- 作者: デービッド・アトキンソン
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 (講談社+α新書)』目次と読書メモ】
第一章 外国人が理解できない「ミステリアスジャパニーズ現象」
日本人は安易な答えを求めすぎている。 シンプルアンサーが大好きだ。
日本が経済大国であるのは人口が多いから一人当たりのGDPでは 世界25位程度。
人口を考えれば国内総生産で中国に抜かれるのは仕方のないことを 何といっても人口が違う。やがてインドにも抜かれるだろう。
^_^ 日本わっしょい本が多い中で、このような辛口の切り口は新鮮。 このような本こそ意味がある。
第二章 日本の「効率の悪さ」を改善する方法
欧米の労働者と言うのは、 自分自身で力を調整しながら賢く働きます。
しかし、 日本の労働者は会社の制度によって、本当に命がけで働きます。
^_^ まぁそういう傾向はあるとは思うけど一概には言えないと思う。 もしかしたら職人と言う世界がそういうものなのかもしれない。 きっとドイツの職人もイタリアの職人もきちんとした給料もらえば 命がけで働くんじゃないのかな。
日本の非効率の原因は向上心のなさと楽して儲けたいと言う心。
^_^ 楽して儲けたい
第3章 日本の経営者には「サイエンス」が足りない
日本人は苦労話に時間をとり実際に何が言いたいかわからないこと がある。
外国人に日本食の魅力を聞くと
1位がヘルシー
2位が消化しやすい
3位が洗い物が少ない
盛り付けが繊細とか、 旬を取り入れているとかは入っていないんだよ。
日本の経営者は信長に学んだり、坂本龍馬を信奉したりしてるが、 そんなことより数字、サイエンスを学んで欲しい。
第4章 日本は本当に「おもてなし」が得意なのか
評価が高いのは「日本人の個人としてのおもてなし」 であって企業、国家や東京という都市のおもてなしではない。
都合の良い結論にもっていくために、 まったく異なる話をくっつける日本の悪い癖。
日本ではクレーム対応にもめんどくさいから変えたくないの精神が 見てとれる。
日本ではサービスの供給側の都合が優先されすぎている。
一流旅館でもチェックインの時間が融通が利かなかったり。
第5章 「文化財保護」で日本はまだまだ成長できる
日本は文化財保護と言う点でもとても遅れている。
さらに言うと一人当たり文化財の修理費日本64円、
さらに続けると文化財保護は伝統的な技術を持つ職人によって行わ れるので学歴の低い若年層の雇用にもプラスの影響がある。
^_^ 著者が文化財保護の会社の社長と言う点から我田引水の感もあるが 、遅れている分野ほど成長の余地があると言う点でも理解できる。
第6章 「観光立国」日本が真の経済復活を果たす
日本はイタリアフランスなどには及ばないが文化財が残っている国 。
日本の文化財は箱を見せてやるから勝手に見学してお帰り下さいと 言うのが主流、これではお金は落ちないし、満足度も低いまま。
その点伊勢神宮のせんぐう館は社殿や宝物がどういうプロセスで作 られたかレプリカで説明するなどしてよくできている。
^_^ その「せんぐう館」は平成29年浸水してしまったらしい。 今はお休み。
^_^ 先日、 アジアでクールジャパンのイベントが開催されているが閑古鳥が鳴 いていると言うニュースを見た。 先代から受け継いだ文化財をないがしろにして観光立国もクールジ ャパンもあるものかというのが感想。 日本が右傾化していると言うが右傾化している割には伝統文化を守 ろうと言う機運が高まるないのはなぜだろう。 ののしり合うだけが愛国心の表現方法ではないと思うのだが。
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