『世界を変えるエリートは何をどう学んできたのか?』書評・目次・感想・評価

[読みやすさ 8/10] 翻訳物ですがとても読みやすいです。 
[学び 9/10] 学ぶということにいて学べる一冊です。若いころに読みたかった。 
[娯楽性 6/10] 娯楽性は高くありません。

【Q1】どんな人にオススメ?

  大学に入ってまで今更、教養学かよ、しかも必修かよと思っている若者たちに是非、読んでもらいたい。リベラルアーツの価値、真に学ぶことの意味と喜びに導いてくれる一冊。

【Q2】この本の弱みは?

  "真のエリート"という言葉が誤解を与える点と、実例とされる登場人物が章を隔ててあちこちに登場するので、散漫な印象があった。もうちょっと整理したらもっといい本になったのではないかと感じた。

【Q3】この本の強みは?

  点数を取る、いい成績を取って、将来、より多くの金と名誉を得ることが、学ぶことの本質ではないということを忘れていた人には思い出させ、知らなかった人には教え、考えたこともない人には気づかせてくれる価値ある一冊。

【著者・ケン・ベインさんの気になる著書リスト】

 

ベストプロフェッサー (高等教育シリーズ)

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【『世界を変えるエリートは何をどう学んできたのか?』目次と読書メモ】

世界を変えるエリートは何をどう学んできたのか?
 
 学校に行くのは教師のためじゃないとわかったの。教師が私の人生を生きるわけじゃない。自分の将来像に責任を持つのは、自分だけと言うことが
 
第1章 世界を変えるエリートの「成功のルーツ」をひも解く
 
第2章 何が彼らを「プロフェッショナル」にしたのか?
 
■名言
生まれて初めての人生だろう?完璧にいくわけがないじゃないか スティーブン・コルベア p084
 
■名言
「10年後、5年後、1年後、半年後、1ヵ月後、2週間後、1週間後、そして翌日の自分の目標」を決めることにした。ティア・フラー   
 
第3章 自分の「学びをマネジメント」する
■名言
「人生には驚きがいっぱいだ、ただ、それに気づけばの話だが」 ニール・ドグラース・タイソン(宇宙物理学者)p105
 
“マイサイド・バイアス“ 自分の視点が冷静な判断の邪魔をする。自分の意見の反対側の意見の根拠を想像できないなど。
ビビットネス・バイアス“
刺激的な出来事、刺激的なデータが判断を誤らせる。
 
■小話
9.11で世界貿易センターに旅客機が突っ込んだあと、アメリカでは航空機による旅行が減り、その代わりに多くの人が車での長旅をした。しかしそれは誤りで飛行機を避けて車を選んだために、研究者の見積もりによれば数ヶ月で300人以上が死亡している。本来的に自家用車での旅の方が危険なのだ。p118
 
■小話
「あなたのような」と言う一般的な負のイメージを“認めなくても“、それが影響する。
女性は数学が苦手などのステレオタイプは、それを“認めていない“女性にも影響与える。逆にアジア人は数学が得意という肯定的なステレオタイプは、それを“認めていない“はアジア人に影響を与える。しかし、それを知っていればその影響を避けることができる。
p127
 
第4章「失敗」との付き合い方
 
■名言
有意義な人生は、失敗を避ければ作れると言うものではない。むしろその対処の仕方次第で決まるようだ。ケン・ベインp147
 
■名言
完璧にやりたいと思っている人に限って、どう見ても成功できない方法をとり、墓穴を掘ることが多い。ケン・ベイン p152
 
■名言
“真のエリート“たちは「比較」という考えを捨てて花開いた。自分を見つめ、自分に訴えるものを知り、「どの位置にいて、どう見られたいか」ではなく、「何を“したいか“」に注目した ケン・ベイン
 
第5章「面倒な問題」「厄介な問題」との付き合い方
 
■名言
人は経験から学ぶのではなく経験について考えることで学ぶ ジョン・デューイ(アメリカの教育哲学者)p198
 
第6章 成功するまで続ける「モチベーション」の作り方
 
■名言
やり続けろ、思い悩むな スティーブン・コルベア(コメディアン)
 
第7章 “真のエリート“に共通するのは「好奇心」と「終わりなき学び」
 
「卓越の倫理」リチャード・テイラー
 
自分の道に、型通りの挑戦や名声以上のものを求める
 
^_^ 逆に言うと型通りの名声等をあえて求めないということか。自分の内発的なやる気に任せて自分自身を満足させるといことか。
 
第8章 “真のエリート“がしてきた「人生を変える学び方」
 
■小話
心理学者のジョン・バージらは「誰かに教えるつもりで勉強した学生は、記憶力も理解力も上がること」を発見した。親は学校で習ったことを教えてねと言うこと、学生同士で得意科目を教えあう事は学習として効果的だと言う証拠が発見されたと言えるのではないだろうか。
 
■小話
カルフォルニア大学ロサンゼルス校の実験で、1つの問題に対し答えを見る前に自分でその答えを考えてみた学生の方がたとえ自分が出した答えが間違っていても復習に時間を費やした学生よりも著しく良い成績が取れた。
 
■小話
いつも同じ場所で勉強しているなら新しい場所を増やしたほうがいい。
数多くの実験で、少なくとも2つの勉強場所がある人は物事を思い出しやすいことがわかった。
 
■小話
ニューヨーク大学の「神経科学」のウェンディ・スズキ教授は「工業聞く前に1時間エアロビクス運動を行った学生らは、そうでない学生に比べて成績が著しく良かったこと」を発見した。