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『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』書評・目次・感想・評価

[読みやすさ 9/10] 翻訳も上手でとても読みやすかった。 
[学び 9/10] 起業家はもちろん、起業など考えていない人にも学びは多い一冊。 
[娯楽性 8/10] 読み物としても面白く一気に読み通した。

【Q1】どんな人にオススメ?

 逆張り、反骨の投資家、ペイパルの創業者と聞いて興味が沸いたあなた。また、彼がなぜドナルド・トランプを支持したか、アメリカの有権者がなぜトランプを支持したかを知りたいあなた。

【Q2】この本の弱みは?

  この手のカリスマ起業家本にありがちなのですが、出てくる金額が莫大すぎて、実感が全く伴わない点。10億ドルと100万ドルはどっちが高額がわかるのですが、その差がわかりにくいのです。その時の資産の何パーセントにあたるのかを追記してくれると、ポケットマネーを出したのか、本気で勝負に行っているのか、わかるのですが・・・。

【Q3】この本の強みは?

  ピーター・ティールという人物の多面的な魅力と危険性がよくわかるエキサイティングな一冊。読み始めると止まらない。日本も病んでいるが、アメリカも病んでいるのだとトランプを支持したティールの主張を読んでいて思えた。それぞれの国はそれぞれの病理を抱えて戦っているのだと知った。だがティールは劇薬なのかも知れない。

【『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』目次と読書メモ】

はじめに-なぜ世界は「この男」に注目するのか?
 
■名言
僕らは空飛ぶ車が欲しかったのに、手にしたのは140の文字でした(ピーター・ ティール PayPal共同創業者)
 
 彼にとって「競争」とは、それに巻き込まれた時点で負けなのだ。
 
第一章 始まりの地、スタンフォード大学
 
■名言
競争者は自分の本来の目標を犠牲にして、ライバルを打ちまかすことだけに夢中になってしまう傾向がある。(ルネ・ジラール 哲学者)p25
 
 競争が激しいのは、相手の価値が高いからではありません。人間は何の意味もないものをめぐって必死に戦い、時間との戦いはさらに熾烈になるのです。
 
第二章「競争する負け犬」になるな-挫折からのペイパル創業
 
^_^ 競争を避けるためエックス.comと合併したが、競争が内部に移動しただけとも考えられる。イーロン・マスクが引いたから良かったが、、、。
 
 PayPalスタンフォード人脈による友情を柱にしていた。それによりPayPalが抱えたあらゆる難題を解決してきた。
 
第三章 常識はずれの企業・経営戦略-ペイパル、パランティアはなぜ成功したか?
 
 よくあるスタートアップ神話は、全能の創業者が1人で全てを実現すると言うものですよね。でも僕は、どのプロジェクトである1人でやった事はありません。僕にはよく話を友人がいて、彼らと水に協力しながら仕事をしているんです。(ピーター・ティール)
 
スタートアップが失敗する原因5つ
・アイディアが時期尚早だった
・アイディアが時期的に遅すぎた
・アイディアに意味がない
・アイディアが高くつきすぎる
・アイディアにこれといったメリットがない
 
 君がそれをしなかったら、それは実現しないーこれがPayPalのビジョンでした
 
「毎日を人生最後の日であるかのように生きよ」という決まり文句を聞いたことがあるでしょう?
でも実際は逆です。
「毎日を自分が永遠に生きるかのように生きよ」が正しい。つまり、君の周りにいる人間を、これからも長く付き合うつもりで扱うべきなんです。君が毎日9月ひとつひとつの選択がとても大事です。その結果は時間の経過とともにどんどん大きくなりますから。
 
^_^ ティールのこの考えは斬新。後半の一つ一つの選択が時間とともに大きな答えとなって返ってくるという考えはとても重要だと思う。「チョイス」の本にも書いてあったな。
 
 アインシュタインは、「複利効果」は私たちの宇宙で最も強大な力だと言ったとされています。これは金融や貨幣の話にとどまりません。重要なのは、普遍の友情や長期的な関係を築くことに時間を投資することによって、人生最高の利益が得られると言うことです。(ピーター・ティール)
 
■用語
能力の輪
自分の得意とする分野に集中すること。これを言ったウォーレン・バフェットは自分の理解する能力の外にあるハイテク株には手を出さなかった。
 
 優れた企業は、創業のきっかけとなったイノベーションに対してオープンな姿勢を貫いています。新しいものを作り出している限り創業が続き、それが止まると創業も終わります。おそらく創業の瞬間と言うものは無限に引き延ばせるはずです。
 
 強いチームの優れたトレーナーは誰でも「勝っているチームを決していじるな」と言う教訓もよく知っている。
 
 パランティアを「プライバシーと治安のゼロサム・ゲーム」のルールを書き換える企業だと自賛する。
 
第4章 持論を発信する「ゼロ・トゥ・ワン」と「多様性の神話」スキャンダル
 
読みたい本

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

 

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

 

 

 創業者は君の家族だと言うことを思い出せ。優れた社員は厳密に定義した仕事を与えよ。ニッチ市場を支配するような、野心的ではあるが小さな製品から始めよ。マーケティングの人間を憎むのをやめ、ライバルに差をつける原則あるいは秘密を的確に言葉にすることに集中せよ。
 
^_^ ティールは既存の教育に関して失望しつつ、もし起業家になっていなければ教師になっていた可能性についても言及している。
大学を辞めて起業する若者に対する投資も行っている。
これは既存の教育に対する不満、教育改革について革命的な何かを探しているのかもしれない。
大学は多様性を求めつつも、学費は上がり続け、その結果、親の収入と言う点では多様性をしないつつあることもティールは問題視している。
 
第5章 成功の鍵は「逆張り思考」 スタートアップの10ルール
 
「あなたにとって、賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」
 
^_^ スーパーマリオのスコアを狙っている人はほとんどいない。ほとんどの人はピーチ君を助けに行くと言う本当にやりたいことについて集中している。その結果スコアが出るのだ。
 
■名言
自分に尋ねてみると良いでしょうーなぜこれをするのか?それがしたいからやっているのか?それとも面目を保つためだけにやっているゲームなのか?(ピーター・ティール ペイパル創業者)
 
■用語
スプレー・アンド・プレー戦略
じょうろで水を撒く(スプレー)ようにあちこちに投資し、後は運を天にまかせて祈る(プレー)
 
 資源が限られてこの世界では、新しいテクノロジーなしには、グローバル化を進める事は決してできません。
 
^_^ ティールはテクノロジーを強く信じている。テクノロジーこそが人類の未来を切り開く。その点においては僕の意見と一致する。テクノロジーが進化すると言う点、それを見たいという点で長生きがしたい。
 
 すばらしい企業は常にその背景に「秘密」があると考える。ページランクアルゴリズムを公開していないGoogleやレシピを秘密として来ているコカコーラは、その第一原理に秘密が隠されている大企業の良い例だ。
 ティールによれば成功するスタートアップの鍵は、「唯一無二であること」「秘密」そして「デジタル市場で独占的ポジションを確保していること」である。
 
1 君は人生の起業家である
2 1つのことを他人を寄せ付けないほど上手くやろう
3 君の人生と会社に、自分と結びつきがある人を的確に配置しよう。互いに補い合える相手と組もう。
4 独占を目指そう。競争からはさっさと身を引き他社との競合を避けよう。
5 フェイク起業家になるな。
(人生で何かをしたいかと問われて、「起業家になりたい」と答えているようではだめだ。「金持ちになりたい」とか「有名になりたい」と答えるのと同じで、そんなビジョンでは起業は失敗する)
6 ステータスや評判だけを基準に評価するな。ステータスに惑わされて下した決定は長続きしない。
7 競争は負け犬がするもの。まわりの人間を倒すことに夢中になってしまうと、もっと価値のあるものを求める長期的な視野が失われてしまう。
8 「トレンド」は過大評価されがちだ。最新のホットトレンドに飛びついてはならない
9 過去に執着するな。なぜ失敗したのか素早く分析し、後は前を見て、方向修正していこう。
失敗の原因
・人選がまずかった
・アイディアが悪かった
・タイミングを誤った
・独占の可能性がなかった
・製品が狙ったように機能しなかった
10 成功に通じる秘密の道を探そう。その他大勢がすることを真似してはいけない。
 
■名言
誰もが小さなドアから外にでようとひしめき合っているが、君のそばには、誰も通らない機密の近道があります。その近道を探し当てて、人より先に歩みだそう。(ピーター・ティール PayPal創業者)
 
第6章 ティールの投資術ーなぜ彼の投資は成功するのか?
 
1 徹底的に絞り込め
バフェットも多角化をよしとしない。
 
2 守備範囲を固めろ
バフェットにとって「自分の能力のは」とは、自分が理解できる企業とビジネスモデルだけに投資することを意味する。これがテクノロジー企業を避けるのもそうした理由からだ。自分の能力の及ばない分野の投資案件書類は、デスクの「難しすぎる」と書かれた箱に放り込む。
 
^_^ バフェットは偉大な投資家であると同時に自分が偉大な投資家でいられる範囲をよく理解している。あれだけ成功し、賞賛されながら「自分には難しすぎる」と判断できる凄さがある。
 
3 長期的視点をもて
伝統的なリスクキャピタル業界がダメになった理由はイノベーションがないと言いつつ真のイノベーションには恐れをなして投資していない。イノベーションには時間がかかる。
 
4 隠されているドアから入れ
他の人がパニックに陥っているときに買い、他の人間が貪欲になっているときに売れ。
 
5 バズワードを避けろ
万人が認めるメインストリームから距離を置く
 
6 自分の足で立て
 
■小話
14歳の時に新聞配達を始めたバフェット。彼が配達した新聞は50万部に及ぶという。彼は働いて種銭を作ったのだ。p141
 
7 固い友情
ティールにとって最大の財産は、長年培ってきた固い友情だ。
 
^_^ 億万長者のティールにとっての最大の財産が友情だというのは示唆に富んでいる。振り返ってみるととてつもない財産を持っているそんな人も結構いるのではないだろうか。自分も相方との信頼関係が最大の財産だということか。恥ずかしくて言えないけど。
 
 テクノロジーの本当の進歩は、0から1への飛躍である。非常に困難なチャレンジだから、普通の人間は、単に既存のテクノロジーを改善して1をnにすることに甘んじがちだ。
 
 バブルがバブルでないかではなく、価値があるのかないのかという問いを重視しなければならない。
 
ティールはPEGレシオが1以下の企業に注目するよう勧めている
 
■用語
PEGレシオ
PERを利益成長率で割って求める数値、この数字によって株式を成長期で評価することができる。
 
 完全競争においてはどの企業も利益を出せない。利益が発生すると新しい企業が市場に参入しその利益をさらっていく。独占はその逆だ。独占資本市場そのものを「所有」する。
 
^ ^ Facebookをはじめとするインターネット企業の多くが、広告を収入源としている。しかし広告とはなんだろう。広告が必要だろうか?広告とは本来必要でない人に必要でないものを売り付ける手段と言う言い方もできる。本当に必要なものを個々の消費者が判断できればそもそも広告と言うものは必要ない。モノやサービスを評価するウィキペディアのようなものが存在すればどうだろう?完全に利益から独立した判断材料。例えばアマゾンなどはレビューが載ってはいるがインチキと嘘にまみれている。完全に独立した評価サイトがあるとしてその収益源があるだろうか?ウィキペディアのような寄付によって成り立つそんな可能性もある。広告費が品物の値段を無駄に上昇させている部分もある。人が本当に欲しがるものを作るだけで評価され売れる広告は必要ないそんな世界はどうだろう?
 
^_^ 今思いついたのだが、広告に関して、ウェブ広告もテレビ広告もだが、いちど断りを入れたら同じ会社は一定期間、その人に広告を掲示してはいけないという法律を作ってはどうか?無駄でしつこい広告はなくなるべきだ。
 
第7章 テクノロジーから権力を解放せよーティールのリバタリアン思想
 
ティールの愛読書
・ニュー・アトランティス

 

ニュー・アトランティス (岩波文庫)

ニュー・アトランティス (岩波文庫)

 

 


アメリカの挑戦

 

アメリカの挑戦 (1968年) (タイムライフブックス)

アメリカの挑戦 (1968年) (タイムライフブックス)

 

 


・大いなる幻滅ー軍事力と国家優位性の関係の研究
・ダイヤモンド・ エイジ

 

ダイヤモンド・エイジ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ダイヤモンド・エイジ〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

 

ダイヤモンド・エイジ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

ダイヤモンド・エイジ〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

 

 

メモ iPhoneの音声入力
ダイヤで◇がでる
 
イーロン・マスクは、すでに2014年にステラの全ての特許をオープンソースとして公開した。
 
第八章 影のアメリカ大統領?ートランプ政権を操る
 
 私はゲイであることを誇りに思います。私は共和党員であることを誇りに思います。でも1番誇りに思うのは、自分がアメリカ人であることです。
 
^_^ ティールはゲイだったんだ。それが当然彼のパーソナリティーに影響与えているわけだが、、、知る限りゲイの人は思慮深いが多い気がする。ティールがリバタリアンなのもそこに影響があるのだろうか?
 
■名言
「多様性」というバズワードの背後には欺瞞が潜んでいます。人と足並みを揃えないと、その人は多様性が欠如していると思われてしまうのです。どんな個人的な背景であろうとも。(ピーター・ティール PayPal創業者)
 
第九章 ティールの未来戦略ー教育、宇宙、長寿に賭ける
 
 高校、大学を中退する条件のフェローシップは大学側からとても批判された。しかし、それなりの成果を上げている。
 
^_^ とても斬新なフェローシップ日本にもあったら面白いけど応募者いないかもね。
 
^_^ 満員電車に乗り込む、それこそがピールの言っている多くの人と同じ道を競争して進んでいる誤った選択なのだろう。多くの人がその道を進む。ならば自分は違う道を探そうティールはそう言っているのだろう。
 
おわりにーテクノロジーが開く自由な未来へ
「基本的に、僕は『死』に逆らう人間です」ピーター・ティール
 
92点
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