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『平成史』書評・目次・感想・評価

 

83点
読了まで4時間
 
 賛成できる点、納得しかねる点があるが、時折見つかる佐藤氏の知識と経験から生まれる斬新な視点がとても面白い一冊。
 読んで理解できるのだから、自分自身でも思いつきそうなものだが、おそらく絶対自分では思いつかないような視点なのだ。
 ただやはり、佐藤氏は過去の蓄積が厚い分のだけ自身の知識に縛られる部分があるのか、マルクス経済学に拘泥する点など、やや意識が古い感じはする。
 佐藤氏が新しいことに飛びつくミーハーさがあればもっと面白いかもしれない。
 例えば仮想通貨に投資してみたり、VRゲームにはまってみたり、彼の視点から新しいものを見た時の感想ぜひ読んでみたいと思うがおそらく実現しないだろう。
 その点では片山氏の方が、現代社会を遊んでいる感覚がある。
「おわりに」で片山氏は、明治、昭和ははらんと右肩上がりの時代、大正も平成は停滞の時代、と対応していると述べているがそう考えると次の元号は波乱と右肩上がりの時代と言うことになる。
 どんな時代になるか楽しみでもあり恐ろしくもあり。

【著者・佐藤 優さんの気になる著書リスト】

 

いま生きる階級論

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40代でシフトする働き方の極意

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十五の夏 上

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十五の夏 下

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【著者・片山 杜秀さんの気になる著書リスト】

 

未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命 (新潮選書)

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国の死に方 (新潮新書)

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【『平成史』目次と読書メモ】

第一章 バブル崩壊55年体制の終焉 平成元年→6年
 
^_^ 家庭教師で週五、一日四時間で年収200万円で満足している学生に、外交官試験を受けて研修をえれば年収一千万だ。もったいない言ってやった、ここまで言わないとわからないと言っているが、わかっていないのは佐藤自身ではないか?
ましてや若い連中は幼子と同じで今しか見ていないとか、、、。
佐藤自身、外交官を経験して残業200時間、日本にほとんど帰国できずだったと言っているのにおなじようなことをしろと?
いくら貰っても使う時間はなく、ましてや事件に巻き込まれて逮捕された人が他人を同じ道に誘うとは、、、。
今の若者の方がわかっているのだ。自分をすりつぶして金に換えて何の意味があるのかと。
今の若者の方がお金との距離の取り方を理解しているのだ。
 
第2章 オウム真理教が誘う千年に1度の大世紀末 平成7年→11年(1995年ー1999年)
 
 フョードロフは自然科学の発達によって近未来に万民が復活すると考えた。
 過去の死人がすべて復活すると地上に土地と空気が足りなくなる。だから他の惑星に移動しなければならないと主張した。その思想はアポロ計画ソユーズ計画に生かされ、やがてフョードロフはロケット工学の父と呼ばれるようになる。ページ61
 
^_^ このフョードロフがオウム真理教に影響を与えていたとは。発想はSF的で面白い。アメリカもソ連もそんなことを考えてロケットを飛ばしていたのか
 
佐藤 極論かもしれませんが、オウム真理教イスラム原理主義あるいはキリスト教の違いは単なる数に過ぎない。週末的なドクトリンを内包する宗教は、キリスト教でもイスラム教でも暴発すればオウム真理教と同様の行動に走る危険性がある。ページ66
 
^_^ こんな大胆な発言、佐藤氏、そこに痺れる憧れるぅ。
 
佐藤 地下鉄サリン事件は、日本が法治国家では無い現実を浮き彫りにしましたよね。信者がドライバーを持っていれば銃刀法違反で、駐車場に足を踏み入れれば建造物侵入で微罪逮捕した。これは放置国家によることでは無い。ページ67
 
政府は破防法適応してオウム真理教を解散まで追い込まなかった。これは日本政府のインテリジェンスの高さを表している。解散させたところで組織は地下に潜る。それならば合法的な組織として残し行動や全体像を把握した方が賢明だと言う判断をした。反社会性力の非合法化が逆効果なのは歴史が証明している。
 
^_^ なるほど。当時はなぜオウムを残したのかわからなかったが、こう言われると納得。
 
そのクライマックスが沖縄戦です。この歴史を記憶していれば今のように本土は振る舞えないでしょうひたすら歪みを復元させてきたふぐの兄が弟が沖縄なのですから。でも歴史は忘却される一方のようで。
佐藤 そうなんです。昼長期的スパンで見るならば、沖縄が日本から独立する可能性は十分にあります。私は生生と言う時代がそのプロセスになると見ているんです。
 
^_^ 僕個人的にでも本土の沖縄に対する態度は理解ができない。全く歴史を知らないのか、歴史をあえてゆがめて認識しているのか、沖縄に対しては頭を下げるこそすれ、ゆすりだ、たかりだ、民度が低い、怠け者だという論調には虫唾が走る。大田実中将の打電を読んだのか、どれほど本土が沖縄に負担を強いた来たのか、今でも女性がレイプされ殺され、12歳の少女が3人の男に犯されるなど、米軍基地関連の事件は起きている。その米軍基地の軍事力に寄って平和に生きている本土の人間がよくぞこんな妄言がはけるというような、沖縄は米軍基地で生活しているから文句を言う権利がないだとか、補助金もらってるだろとか、の論調がネットにはあり、許しがたい。そんな書き込みをしているのは自分は本を読まない、歴史を学んだことのない人間だと言っているようなものだと思う。
そして、同じようなことを被爆した福島県にも述べる輩がいる。補助金もらってただろうと。こんな事を書き込む奴らが同じ日本国民だとは思いたくもない。
 
 
第三章 小泉劇場、熱狂の果てに 平成12年→17年(2000年ー2005年)
 
 災害や火災のリスクがあるにもかかわらず日本にはいまだに木造建築が多い。合理的に考えればできんコンクリート住宅の方がいいはずなのだが、、、。
 
片山 日本人はやはり大破壊を前提として生きているのでしょう。いくら丈夫に作っても壊れるのは当たり前。瓦礫の中からやり直すのも織り込み済み。それでみんな困るはずなんだけどなんとなく受け入れてしまう。
 
 あるいは循環していくと言う感じなのではないですか。蘇りの破壊が胃炎と繰り返されていく。それは週末思想を持つキリスト教にはない感覚でしょう。破壊と再生がセットになっている日本には、神の終末論は無い。ページ130
 
天井のない勉強 英会話など
天井のある勉強 英検など
 
 労働組合の強かったJR東日本では3.11では会社のマニュアルを無視して、乗務員は電車を捨て、自身と乗客の身の安全を守るために高台に避難した。
 一方、労働組合の弱いJR西日本では会社の利益追求が過度にいたり、時間合わせのために速度を出しすぎた通勤電車をマンションに突っ込ませる大事故起こした。
 労働組合のような中間組織がなくなることが害を及ぼすこともある
 
第4章 「美しい国」住む絶望のワーキングプアたち 平成18年→20年(2006年ー2008年)
 
 資本主義ここでは年金などの社会保障は、あくまで社会主義への対抗手段だったのだから、その脅威が認められなくなれば切り捨てていいと言うことになりますよね。ページ174
 
^_^ 年金問題すら、ソ連崩壊が絡んでいるとは。
 
 ゴルゴ13は実は韓国と北朝鮮ネタがない。あえてめんどくさそうなところは避けている。著者のさいとうたかを氏もゴルゴ同様、危機管理がしっかりしている。
 
第五章 「3.11」は日本人を変えたのか 平成21年→24年(2009年ー2012年)
 
 小沢、菅、鳩山。政権を奪った民主党は3人のトロイカ体制で政権を運営した。
 もし鳩山が3·11の時、総理大臣であれば画期的な対応していたかもしれない。なぜなら彼はトップレベルの学者であり、数式を組み上げて最適な対応していた可能性がある。
 
「すぐ決めたい!られる政治」が有効なのは非常時であって、そうでなければ「すぐ決められる政治」は、「後悔先にたたず」で、単に怖いだけのような気が!します。ページ211
 
^_^ 煽り立てる奴はいつだって「今は未曾有の危機」
 
 探査機はやぶさの帰還は美談ではない。あれは日本が新の場所に何でも落とせる能力があると世界に知らしめた事件である。
 ましてや7年越しで、小惑星に行って戻ってきて、オーストラリアの砂漠に落下させたのである。
 これは、世界中の任意の場所に爆弾を落とせると言うことであるし、他国の人工衛星に攻撃を仕掛けることもできると言う証明でもある
 
 個人で平和を作り出すことができないが個人で戦争を引き起こすことができる
 
 日本が脱原発できない理由はやはり常に核兵器を作ろうと思えば作れる状況を用意しておかなければならないと言うこと。探査機はやぶさで投射能力は証明できているわけだ。
 
第六章 帰ってきた安倍晋三、そして戦後70年 平成25年→27年(2013年ー2015年)
 
紹介書籍「最低生活研究」

 

最低生活研究 (1943年)

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紹介書籍「底辺への競争」
紹介書籍「国体の本義」

 

国体の本義 (名著復刊文庫)

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紹介書籍「ナチス・ドイツ憲法論」

 

詳説『ナチス・ドイツ』憲法論

詳説『ナチス・ドイツ』憲法論

 

 

 韓国の団体が慰安婦像をアメリカやオーストラリア立てているが日本に食べに来ないのは日本を恐れているから。
 何しろ彼らは戦前、戦中の日本の暴虐を調べまくっているわけだから、日本を恐ろしく思っている。
 しかしやがて日本に土地を買って、慰安婦像を立てた場合、日本の団体がその慰安婦像を破壊しにやってくるだろう。
 すると日本の警察は器物破損でその人物を逮捕しなければならなくなる。
 さらに幾度も対応されるうちによくぞ破壊した人物は英雄視される
 ここに至って日本の世論も、韓国の世論も沸騰するだろう。
 日本人の中にも分断が生じるだろう。
 
第7章 天皇は何と戦っていたのか 平成28年→31年(2016年ー2019年)
 
 テロリストは3つのタイプに分けられる、1人で行動するローンウルフタイプ。
 兄弟や夫婦など少数で行動するローカルネットワークタイプ。
 そして爆弾を使うタイプ。
 最近のテロリストは精神科医を通じてリクルートされる。
 自殺願望を持つものに、テロ行為の実行を持ちかけ成功すれば天国行けるぞとそそのかすのである。
 
^_^ なるほど。精神科医に来る自殺願望者は自爆テロリストに1番必要な自殺願望、既に持っているのだからこれはもう効率的なわけだ。おぞましくも恐ろしい。
 
紹介書籍「カウンター・テロリズム・パズル 政策決定者への提言」

 

カウンター・テロリズム・パズル

カウンター・テロリズム・パズル

 

 

 座間9人殺害事件では容疑者が自殺志願者をたやすくリクルートていた。
 もし犯人の願望が快楽殺人ではなく、テロであった場合、恐ろしいことになっていた可能性がある。その視点が行政府にもマスコミにも欠けている。
 その対策として政府の予算で自殺願望を持つものを引き寄せてケアする仕組みを作ること。それが福祉にもテロ対策にもつながる。
 
^_^ これは大事な知見かもしれない。
 
紹介書籍「神様」

 

神様 (中公文庫)

神様 (中公文庫)

 

 


紹介書籍「神様2011」

 

神様 2011

神様 2011

 

 


紹介書籍「夜のピクニック

 

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

 

 

紹介書籍「蜂蜜と遠雷」

 

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

 

 

 みんなやってるんだから新聞にもゲーム批評があって良さそうだけど、いまだに誰も見に行かないようなお芝居の批評何かが掲載されている。ページ413
 
^_^ 確かに。さてどこの新聞が始まるかな?
 
 野村萬斎、私も賛成です。彼は名跡をつげば能楽師になれるのに、学理に興味を持ち、難関の東京芸大に進んで能楽を学ぶんです。
 もう一つ私が野村万斎を尊敬する理由が「陰陽師今井絵理子とにの共演していること。今井は中国からやってきた蝶の妖怪を演じたのですが、
 長いセリフを、覚えられなかった。そこで野村萬斎が話す言葉の語尾を繰り返すだけの役になってしまった。ページ418
 
紹介書籍「歴史とデカダンス

 

歴史とデカダンス (叢書・ウニベルシタス)

歴史とデカダンス (叢書・ウニベルシタス)