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『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)』書評・目次・感想・評価

78点
255ページ 45文字 17行
45文字×17行×255ページ=195,075文字
図表や改行分を計算に入れて3/4を掛けると=195,075文字
日本人の平均的読書スピードを毎分600文字として325分
平均的な読者で
読了まで5時間25分程度
 
著者はどうやらリバタリアンらしい。
歴史上、競争が行われていれば問題なかったのに政府の介入があった為に繁栄は阻害され、時に繁栄は失われたというのが著者の意見。
さらに環境保護団体が、アフリカを飢えに陥れ、自然環境保護を阻害しているというのも、著者の見解。
確かに刺激的な内容ではあるし、今までの常識がひっくり返るような内容もあるので、面白く読める部分もあるが、随所に強引な論理展開や一方的な事例の列挙があり、鵜呑みにしてはいけないと頭の中で警報が鳴る。
グリーンピースなど環境保護団体のあり方もいかがなものかと思うことも多いが、かといって手放しでバイオ企業のやる事を賞賛していいことにはならない。
企業が実際、公害を出したことは日本においても事例があるし、問題が生じた時に企業では責任が取りきれないのは原発事故を見ても明らかだ。
責任が取れない奴らに自由にやらしていいわけがない。
何しろ株式会社は有限責任なのだから。企業が環境や国民全体をリスクに晒すことで自己の利益を得ようとするのを許してはならないだろう。
また、消費者が自分と接点が大きい政府より、関わるかどうかを選択できる企業に文句をいうのはおかしいというが、こんなのは完全に論点ずらしだ。
消費者は行政にも文句をいうし、企業にも文句をいう。どちらかを選ぶ必要など微塵もない。
著者のなんでみんながわからないのかまったくわかんないんだけどという不遜な態度が見え隠れ。
リバタリアンはなんだかみんな不遜なのだろうか?自分の理論がわからないやつはみんな馬鹿みたいな……。
(下)を読むかどうかちょっと悩む。

 

【『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)』目次と読書メモ】


<<用例>>
太字 もくじの写し
要約 内容の要約(ただし恣意的です)
引用 気になった部分をメモとして引用しています(最後に引用ページを記載)
名言 気になった名言をピックアップしてメモ
小話 後で人に話したくなるような内容をメモ
^_^  一読者としての意見・感想(笑顔ですが読者の感情ではありません)

プロローグ アイデアが生殖するとき
つがう心
 
直ちに消費されるサービス・商品市場は放置してもイノベーションが起こり発展していくが、金融市場は慎重な運営と規制が必要である。
 
第1章 より良い今日ー前例なき現在
万人が豊かに
安価な光
時間の節約
幸福
停滞
相互依存宣言
労働の掛け合わせ
自給自足イコール貧困
桃源郷、再び?
イノベーションに向かわせるもの
 
紹介書籍「消費」(ジェフリー・ミラー)

 

消費資本主義!: 見せびらかしの進化心理学

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^_^ 世の中が良くなっているというのは賛同できる。それは間違いない。しかし、現在の消費世界が正しいと断ずるには余りに無理がある。結局はバランスの問題なのだろうが、消費が礼賛され過ぎているのは間違いないのではないだろうか?人からの賞賛の為の消費はやはり狂気に至っているのではないだろうか?最高級iPhoneケースなど機能に変化はないのに本体よりはるかに高い。人より良いもの、せめて人並みのものと求めることで人々はラットレースに巻き込まれているのではないだろうか?生きていくのには金がいる。しかし、見栄を張るために使うための金に人生の貴重な時間を売り飛ばすのは正しい選択か?自給自足やフードマイレージ固執するのも、この本の著者のように、お金とラットレースが幸福と連動していると盲信するのも、間違っていると感じる。その間に答えがあると思う。
イノベーションが加速し続けているのは間違いない(それでも人の想像力に追いついていないので空飛ぶ車などが実現していないことは元夢見る少年としては不満だが)。ならばイノベーションに拍車をかけずに危うい方向に行かないようにちょっとだけ考えることは必要なのではないだろうか?それでイノベーションが少し減速しても、既に十分に早いのだし、加速するんだし。
 
第2章 集団的頭脳ー20万年前以降の交換と専門家
ホモ・ダイナミクス
物々交換の開始
狩猟と採集の分業
海辺づたいに東へ
交換しようか?
リカードの魔法の芸当
イノベーションのネットワーク
近東のネットワーク化
 
テクノロジーの発展には一定の人口か、交易が必要であり、タスマニア島の原住民が良い道具を持ち得なかった原因に当たる。
 
第3章 徳の形成ー五万年前以降の物々交換と信頼と規則
公益仲間を見つける
信頼のホルモン
未来の影
もし信頼によって市場が機能するなら、市場は信頼を生み出せるか
圧政は自由の反対
モンスター企業
商業と創造性
規則と道具
 
第4章 九〇億人を養うー1万年前からの農耕
交易なくして農耕なし
資本と金属
下劣な野蛮人?
肥料革命
ボーローグの遺伝子
集約的農業は自然を救う
有機栽培のまちがった選択
さまざまな遺伝子組み換え
 
引用
農業とは、分業と交換を他の種まで広げることにほかならない。ページ176
 
^_^ この発想は面白い。
 
引用
森を焼き払う火から放出される二酸化炭素が、気候の温暖化を流した可能性もあり、6000年前には最高潮に足して、夏に北極の氷がグリーンランドの北岸から後退した。初期の農耕に使用された人口一人当たりの土地は、今日の農耕の9倍もあったために、当時は人口が少なくても一人当たりの二酸化炭素放出量は大量だったからだ。ページ185
 
^_^ こういう適当な記述が散見されると、読む気が失せる。同時の人口と現代の人口がどれだけ違うかを考えれば一人当たり9倍の耕地面積が必要でも、温暖化を推し進めるほどの二酸化炭素を出したとは思えない。ましてや彼らはあとは煮炊きぐらいしか火を使用しないのにだ。イデアは面白いのだが、論点ずらしや、強引な結論、余りにも無茶な論理展開が多すぎる。
 
第5章 都市の勝利ー5000年前からの公益
原始の都市
綿と魚
旗幟は交易をおう
海運革命
政治体制分裂の徳
ガンジス川からテベレ川へ
砂漠の船
ピサの商人
犠牲を強いる国家

原注

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