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『これは誰の危機か、未来は誰のものか――なぜ1%にも満たない富裕層が世界を支配するのか,』書評・目次・感想・評価

68点
305ページ 18ページ 45文字
45文字×18行×305ページ=247,050文字
図表や改行分を計算に入れて3/4を掛けると=185,288文字
日本人の平均的読書スピードを毎分600文字として309分
平均的な読者で
読了まで5時間9分程度
 
 この本の著者は私は答えを知っているが、世界が愚かなため、それが実行されていないと思っている。
 そしてなぜか企業、行政に関わる全てのものは強欲で、自己利益しか考えないが市民はそうではないと思っている。
 そして富裕層の行う慈善事業は自己満足で害悪しかもたらしていないとすら述べている。
 まったくの傲慢なのはこの著者ではないだろうか?
 世界はそんな単純にはできていない。良いものも、悪いものもあり、上手くいっているものも、上手くいっていないものもある。
 世界を白黒二色で表せばわかりやすいかもしれないがまったくの欺瞞だ。
 内容は引用と意見表明ばかりで、著者個人の体験に基づく提案がほとんどない。彼女自身は格差問題にどう取り組んだのか?
 デモに呼ばれて演説し、国際会議で発言したという内容しか出てこない。
 格差の貧困の現場にはいったのだろうか?
 自分の意見を補強するレトリックや印象操作が多く、著者が物事を多面的に見ていないと感じるし、読者を馬鹿にしているとすら思える。
 先日「繁栄」を読んだ。こちらは新自由主義者がこの著者と同じように、私は答えを持っているが世界が愚かにも、それを受け入れていないというスタンスだった。
 環境・市民連帯派だろうと、新自由主義者だろうと、このようなスタンスの著者の書籍には高い価値を見出せない。
 ただ両方の著者の意見が一致して、僕もまったくその通りだと感じたのは、たったひとつ。
 無責任な金融市場を規制しろ!ということだった。

 

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

【『これは誰の危機か、未来は誰のものか――なぜ1%にも満たない富裕層が世界を支配するのか』目次と読書メモ】


<<用例>>
太字 もくじの写し
要約 内容の要約(ただし恣意的です)
引用 気になった部分をメモとして引用しています(最後に引用ページを記載)
名言 気になった名言をピックアップしてメモ
小話 後で人に話したくなるような内容をメモ
^_^  一読者としての意見・感想(笑顔ですが読者の感情ではありません)

日本の読者のみなさんへ
 
序章 自由を選びとる
同心円/壁/ダボス階級/脱出路/牢獄の原理と実践/本書でご期待に添えないこと/数字について
 
第1章 金融の壁
なぜこうなったのか/教義/資本の処理/「金融化」レバレッジ/銀行が銀行でなくなる時/政府を抱き込む/プライム、サブプライム、犯罪、犯罪未満/「誰もこうなるとは思わなかった」とはどういう意味か/お寒い規制/世界最大の救難作戦/授かったホルモン=授かるボーナス
 
^_^ そもそも彼らがなぜそんなに金を欲しがるのか理解に苦しむ。お金が10倍になっても幸福が10倍になるわけでもないし、人生はピーチ姫を助けるのが目的であって、延々とコインを稼いで、いやむしろスコアを稼いでも面白くないと思うんですがね。
 
第2章 貧困と格差の壁
研究を食わせておけ/金持ちを研究せよ、貧困層ではなく/格差は皆に重くのし掛かるー最底辺層だけではない/危機はどのように南を襲ったか/雇用の蒸発/出口は?
 
引用
同種の他個体は、同じ欲求を持っているために、住宅、雇用、性的パートナー、食料、衣服等をめぐって最も恐るべき競争者となる。一方でまた、援助、友情、支援、学び、ケア、今後の唯一の源でもある。つまり、我々の物質的幸福は、社会関係の質に常に決定的に依存していたと言うことである。ページ97
 
^_^ つまりこれは競争に参加しなければ、格差を心理面から克服できるとも捉えることができる。人並みとか、見栄とか取っ払っちまって自分はどう生きたいかだと思う。
 
SUVなどを買うのは、単に買える余裕があることを示すためでなく、虚勢を張り、他者からの危害をはねつけられると感じたいがためのようだ。こうした事は皆、統計的に示されている。ページ102
 
^_^ 日本にもバカ高いローンを組んでやたらごつい車を乗り回す奴はいるが、怖いのかもしれないし、自己顕示欲を満たせていないのかもしれない。車メーカーは決して認めないだろうが。
 
引用
不平等な社会は、少なくとも人口一人当たりの特許に生かすと言う物差しで見れば、革新や想像力に乏しいと言う歴然とした事実もある。これも納得がいく。不平等な社会では何百万人もが自分が歯医者であり、劣った失敗者だと感じている女性を認知しようとしない社会と同様、最も豊富な最良の資源、すなわち人々の才能が無駄にされる。ページ103
 
^_^ これは理屈としては納得がいく。確かに諦めている人は発明をしないだろうしなぁ。本当かなぁ。
 
第3章 最も基礎的な必需品 
 
第一部 食糧
見せかけの平穏/数十年にわたる無関心と破壊的「解決策」/新たな食糧問題ー前例は無いが予測がついた/事実とノンフィクション/飢餓を招く独創的新手法/「自由貿易、そして意味嫌われるその反意語/食糧安全保障か食糧主権か
 
^_^ 読めば読むほどバランスを欠く内容だ。気に入らない現象は飢餓も干魃もすべて国際資本と先進国政府、国際機関のせい。
現在人口ですら小資本家族経営の農業では食糧が足りないのは明らかなのに、化学肥料や大規模化などで食糧生産性を上げて、増える人口に食糧を供給してきた「緑の革命」を全面否定。
緑の革命」に問題がなかったとは言わないが、それなしでは数十億単位飢餓が起こるほど食糧が足りなかったはずだ。
それとも小規模農業を推進して、飢餓によって人口増を抑えるべきだとでもいうのだろうか?
農業効率化を行わなければ増える人口に食糧を供給する為により多くの熱帯雨林などの伐採を進めて農地を確保するしかない。その覚悟かあるのか?
さらに著者は環境保護、小規模農業推進派の重鎮らしいが、あなた自身は何をやってきたのか?と問いたい。人の批判ばかりではないのか?
先進国で農業従事者が少ないことでもわかる通り、農業効率化は農民を減らし雇用を減らす。
大規模灌漑や過剰な化学肥料などは環境にダメージを与えるのもかわる。
だが実績を無視し、批判ばかりでは、昔からの家族経営の小規模の農家にもどれとはお花畑にすぎる。
しかもそれは人を飢えさせるお花畑妄想だ。(実際に飢餓に陥った国に遺伝子組み換えの穀物の援助を断らせて、飢餓を蔓延させた実績もある)
あんたの理想も結構だが、まず飢えている人々に食べ物を供給するのが先ではないのか?
環境問題には点滴灌漑などの技術も普及しきてきた。農業従事者の雇用減には対応が必要だ。
食料問題を解決するには、放任主義新自由主義でも、このお花畑殺人理想主義的でもなく、その間のどこかに地に足のついた解決策があるはずだ。
 
第二部 水ー最高の資本主義商品
水の権利、水の不足ー自然、経済、社会の面から/人為的影響ーかつては見えなかった新たな危険/水の権利とその戦い/独占の功罪/もう一つの水の世界は本当に可能だ
 
参考書籍「世界の(水道民営化)の実態ー新たな公共水道を目指して」

 

世界の“水道民営化”の実態―新たな公共水道をめざして

世界の“水道民営化”の実態―新たな公共水道をめざして

 

 

^_^ 水を聖なるものと見なせと著者はいうがそれは問題を考え続けることをやめることになりかねない危険な判断だ。大切なものだからこそ、皆で考え続け最善を求めなければならない。
 
第四章 紛争の壁
暴力は遺伝子に組み込まれたものではない/戦争からの脱却/地球温暖化否定論者は健在/水戦争ー過去、現在、未来/「汝平和を欲すれば、戦争に備えよ」は依然として真実か/市民の責任
 
^_^ 著者が戦争の欄で異種格闘技をやり玉に挙げているのには呆れた。これでは何にでも文句を言うお婆ちゃんレベルの内容だ。
 
^_^ 著者が地球が熱くなるのも氷河期になるのも地球温暖化のせいだと言っている。氷河期の引き金になったのが8200年前の海水流の変化だといいながらである。もう無茶苦茶な論法だ。8200年前に莫大な二酸化炭素供給があったとでもいうのか?僕も地球温暖化は憂慮するがこのような論法を振り回していては、否定派に力を与えるだけだ。
 
^_^ 理論がボロボロ、姑息なレトリックと大袈裟な表現が悲しくもこの本の価値を下げている。
 
第五章 私たちの未来
インセンティブ、報酬、上限/グリーン・ニューディール政策/今すぐ銀行市民の管理下に置く/企業救済ではなく、剣を鍬に変えよ/もしもし、南の債務をお忘れではありませんか?/グリーンで、グリーンで、……しかもリッチに/金、大金、税金/課税を妨害するEU/打開か破綻か/タックスヘイブンは天国/会計学は退屈なものでは無い/交通、貿易、グリーンテクノロジー/ヨーロッパのニーズに応じたユーロ債発行/未来
 
参考書籍「文明崩壊ー滅亡と存続の面を分けるもの(上・下)」

 

文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

文明崩壊 上: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

 
文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

 

 

ハーマン・デイリー著作

 

持続可能な発展の経済学

持続可能な発展の経済学

 
エコロジー経済学: 原理と応用

エコロジー経済学: 原理と応用

 
「定常経済」は可能だ! (岩波ブックレット)

「定常経済」は可能だ! (岩波ブックレット)

 

 

紹介書籍「ファクター4ー豊かさを二倍に、消費資源を半分に」

 

ファクター4―豊かさを2倍に、資源消費を半分に

ファクター4―豊かさを2倍に、資源消費を半分に

 

 

引用
問題は、脳の大きなエネルギー消費が痛みと同じように感じられると言うことだ。だからなぜ変化に抵抗するかと言う質問には自動的に答えが出せる。変化が辛いからだ。熱心に勧めても役には立たない ページ274 
 
^_^ 変化はそれ自体、痛みなのか。
 
^_^ 結局、必要なのは神話というなの共同幻想だというのか?
 
結び
 
参考書籍「精神の危機」

 

 

精神の危機 他15篇 (岩波文庫)

精神の危機 他15篇 (岩波文庫)

 

 

 

 
訳者あとがき

【著者・スーザン・ジョージさんの気になる著書リスト】

 

なぜ世界の半分が飢えるのか―食糧危機の構造 (朝日選書 (257))

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オルター・グローバリゼーション宣言―もうひとつの世界は可能だ!もし…

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徹底討論 グローバリゼーション賛成/反対

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