2章 考え方編08 クジャクのような生き方から抜け出そう

 クジャクのオスは美しい羽を広げて、それを見せびらかすことに必死です。同じように私たち人間は自己顕示欲を満たすためにモノを買います。

 

 そして企業はカッコよかったり、カワイイあこがれのモデルを見せて、お金を使わせようとします。とてつもない広告宣伝費を掛けて、私たちの自己顕示欲を刺激しようとします。

 

 自己顕示欲は厄介です。何しろこれを満たすことほどコストのかかることはないのです。

 

 たとえば車。うちのプリウスは5年ほど前に22万円で買った。中古のオンボロです。一方で同じトヨタ系の最上位のレクサスは1700万円に達します。

 

 その差は77倍を超えます。

 

 どちらも5人乗りでアクセルを踏めば走り、ブレーキを踏めば止まる。燃費ももしかしたらうちのプリウスの方が上かもしれない。


 確かに様々な装備に差はあるが、それだけで1678万円の差がつくとは思えない。
つまり、最上位のレクサスの新車に乗っている自分をみんなに見せられる権利の代金がこの差額の1678万円の相当部分に含まれているのです。

 

 世の中のモノの価格に差をつけているのは自己顕示欲です。お金持ちがもっとお金持ちになろうとする理由もその多くが自己顕示欲です。

 

 ブランド物のバックなんかも、自己顕示欲消費の最たるものです。たまにブランドのバッグをたまたま使い勝手がいいから使っているなどという人もいますが、誰もそんな言葉信用しませんよね。

 1万円のバッグと100万円のバッグに100倍の性能差があるわけはなく、他人の視線がその価格差を生み出し、メーカーはそれを利用して利益を上げているのです。

 

 自分がお金を使うとき、この代金のうち他人にどう見えるかに払っている金額をちょっと考えてみるのはどうでしょう。

 もし、誰にも見られないとしても、それを買いますか?

 それを考えてみると私たちはいかに周りの人たちに与える印象のために、人生の大切な時間を売って稼いだ大切なお金を使っているかがわかります。

 

 他の人にちょっといいものを持ってるなと思われるために、ぼくたちはやりたくもない仕事を長い時間やっていたのです。