03 週休5日、国民年金(額)で起こる心境の変化

 週休5日、国民年金(額)(6万5000円)で暮らすようになると、心境に変化が現れます。

 

 他の人と同じだけ働いて他の人よりお金がないというのは心理的にとても苦しいものですが、週休5日の生活では他の人よりお金がないのは気にならなくなります。

 

 他の人よりずっと働いていないのですから、お金が少なくて当然です。自分が他の人より劣っていてお金がないのではありません。「お金」ではなくて「自由な時間」を自分の意志で選び取ったのですから。

 

 自分のモノサシがお金の量ではなく、自由な時間や、しあわせであるかどうかに変わります。となりの人が自分よりいい車に乗っているのも、大きなの家に住んでいるのも、当たり前のことで、気にならなくなります。となりの人は自分よりずっとお金に人生を捧げているのですから。

 

 逆にとなりの人が哀れに思えてくるかも知れません。

 

 必死に稼いで買ったピカピカの高級車も週末にせいぜい数時間乗るだけ、この後、何十年も働き続けることを約束してローンを組んで買った新築の大きな家も、夜遅く帰って寝るだけ、逆に大きな家に帰って来ないお父さん。お嫁さんと子供は寂しい思いをしているかも知れません。

 

 お金のモノサシから解放されるとくだらない見栄がなくなります。ピカピカの高級車に乗る必要も、キラキラの腕時計を見せびらかす必要もないのです。それよりもっと大事な自由に使えるたくさんの時間があなたにはあるのですから。

 

 世の中で一番お金を使うのは、人と比べる時です。

 

 じつは、見栄をはる必要がなくなるとお金はグッと節約できます。モノの本質にだけお金を払うようになれるからです。

 

 ひとつの例として、腕時計について考えてみましょう。

 

 今の日本では、必要なら千円も払えば機能的には十分な腕時計が買えます。しかし、腕時計は10万、100万、1億円の腕時計もあります。

bunkumo99.com

 

 なぜか?比べるからです。みんなが10万円の腕時計をしているなかで、千円の腕時計をしていると恥ずかしく、100万円の腕時計をしていると誇らしくなります。

 

 その100万円の腕時計をしている人も、一億円の腕時計をしている人の中にいれば、自分のビジネスや人生がうまくいっていないと思われるような気がして、いたたまれない気持ちになるのです。

 

 車も20万円程度で十分乗れるものを買うことができます。しかし、高級車は天井知らずで76億円を超える車もあるようです。どちらも基本性能は同じで、アクセルを踏めば走り、ブレーキを踏めばたぶん・・・とまります。

car-moby.jp

 

 家だって空き家問題が生じている日本には数百万で十分住める中古住宅がたくさん余っています(ぼくの家は280万円で買いました)し、ゼロ円借家もあります。それでも人気の駅の側という立地にこだわり、大きな門構えにこだわって、誰もが新築の家を建てることが夢だと語ります。

www.newsweekjapan.jp

 

 人生の価値を「お金」から「時間」に移すと、自分の持っているものを他人と比べる必要がなくなり、モノにお金を払うときはモノの本質的な価値にお金を払うようになります。

 

 すると生きていくにはそれほどお金は必要ないと気づきます。

 

 他の人と比べないだけで、一気に国民年金(額)で暮らすのは難しいことではなくなるのです。

 

 じつは、一番むずかしいのは人生の進路変更をして「手に入れた時間」をどう使うのか?ということだと思います。

 

 もしも手に入れた貴重な時間を捧げる価値あるものを見つけているなら、国民年金(額)での生活はあなたの人生をすばらしいものにするでしょう。

 

 ある人は子育てを、ある人は何かの研究を、またある人は大切な人と過ごす時間を。楽器演奏にかける人もいるでしょう。芸術や社会貢献に身を捧げることもできます。

 

 心の底からやりたい事をして人生を過ごすことは、一瞬、一瞬に「やりたい事をする喜び」という報酬を受け取ることでもあります。今を生きることです。

 

 心の底からやりたいことやって、結果として社会的、金銭的な成功がもたらされることもあるかも知れませんが、それは二次的なものです。

 

 認められても認められなくても、やりたい事をやって人生を過ごすという報酬は既にあなたは受け取っているのですから。

 

 あなたがやりたいことは何ですか?