2章 考え方編12 お金にからめとられる人、お金から自由な人

 世の中のお金持ちがみんなお金に執着しているわけではありません。

 

 お金から自由なお金持ちと言えば、ウォーレン・バフェット氏が有名です。

 

 彼は1958年に3万1500ドルで購入した家に住み続けていますし、好物はチェリーコークハンバーガーで、(体に悪いことこの上なく、医師にも常人ならとっくに死んでいると呆れられている)まったく質素な暮らしをしています。

 

 フェイスブックマーク・ザッカーバーグ氏もシンプルに暮らすことを心がけており、フォルクスワーゲンマニュアル車に乗っていて、資産の99%を存命中に慈善事業に寄付すると宣言しています。

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 長い間、世界一のお金持ちだったビルゲイツ氏も慈善団体ビル&メリンダ・ゲイツ財団を立ち上げて、莫大な資産使ったを慈善事業に力を注いでいます。ちなみに友人のバフェット氏も財団に莫大な寄付をしています。

 

 彼らの感覚としてはやりたいビジネスをやり遂げたらば莫大な資産が手に入ったというわけで、お金に執着して集めたというのではなく、自分の事業の成功の証としてのお金があるだけで、そのお金を見せびらかしたり、お金の量を他人と競い合ったりすることに意味を見出していないのだと思います。

 

 彼らは自分の人生を切り売りすることなく、やりたい事を貫き通したら、結果として世界的な大富豪になっていたというのが、実際のところなのでしょう。

 

 特にビルゲイツ氏は慈善財団を立ち上げて自ら運営していることからも、お金をうまく使うことは、お金をうまく稼ぐことよりも、難しいということを理解しているのかも知れません。

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 一方でお金に囚われてしまった人の例として思いつくのが、話題の日産の元会長カルロス・ゴーン氏です。

 

 彼は自分が受け取る報酬にこだわり過ぎて塀の向こう側に囚われることになりました。結果として有罪になるかどうかはともかく、ベルサイユ宮殿での結婚式など、見栄と虚飾に飲み込まれ、英知の感じられないお金の使い方はどうにも品のない印象です。

 

 通常の感覚で言えば彼はすでに十分なお金持ちでした。しかし足りなかった。世の中には彼よりもっとお金持ちでさらに豊かな生活をしている人がいたからです。

 

 結局、自ら受け取る報酬にこだわり過ぎて、自らの自由とビジネスを失うことになりました。