『世界しあわせ紀行』書評・目次・感想・評価
文庫: 544ページ
- 出版社: 早川書房 (2016/6/9)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4150504660
- ISBN-13: 978-4150504663
- 発売日: 2016/6/9
【目次】
はじめに
一章 オランダー幸せは数値二章 スイスー幸せは退屈三章 ブータンー幸せは国是四章 カタールー幸せは当たりくじ五章 アイスランドー幸せは失敗六章 モルドバー幸せは別の場所に七章 タイー幸せとは何も考えないこと八章 イギリスー幸せは未完成九章 インドー幸せは矛盾する十章 アメリカー幸せは安住の地にエピローグー幸せは見つかったのか?謝辞訳者あとがき
評価98点
この本を読んでも結局は幸せとは何なのかわかるわけではありません。
だもそこがこの本の良いところであり、価値だと思うのです。
自己啓発書によくあるのは「わかる」「実は簡単」「実は単純」「気づかないほうがおかしい」というような何とかができれば幸せになれるとか、成功できるとか。
でも人生も人間もそんなに単純ではありません。この本を読むと世界中の幸せの色々な形を著者と一緒に見て回ることができます。
そして世界の豊かさを人の多様性を感じて、幸せなんて単純なものではないと思い知らされます。
そして自分なりの幸せを考えされられるのです。そして自分が「幸せでもあり、不幸でもあるね」と思えるのです。
答えが出なくても著者と幸せを見て回る旅はとても豊かなものです。
つくづく、良い本というのは世界が実はもっと複雑で豊かなんだと教えてくれる本で、決して「人は〇〇が9割」とか「〇〇とは付き合うな」とか世の中を断定して、読む人の世界を単純で貧しくするタイプの本ではないのだなと感じました。
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