『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』書評・目次・感想・評価

ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか (青春新書インテリジェンス)

 

 

89点
 
賛成できる部分とできない部分がある。著者は良いバランス感覚を持っているが、基本的にドイツの上げの本なので、ドイツ下げの本と並列して読みたい。
まず日本はおもてなし大国であることは誇るべきだと思う。しかし、デパートのおもてなしを、牛丼屋にまで求めるような場合は大いに問題がある。
我々日本人は高水準のおもてなしをどう省人化、機械化、自動化、ロボット化するかを考えるべきでドイツのようにサービスを切り捨てる必要はないと思う。
無人化できるならコンビニは24時間開いていた方がいいし、宅配は宅配ボックスの完備などや自動化で再配達は維持するべきだろう。
あえて不便に寄る必要はない。
日本がとるべき道は、機械化、ロボット化を進めるために、最低賃金を上げるべきだと思う。
今までサービス業の人件費が安すぎるのでサービス業の効率化が行われてこなかった。激安で人間が使えるから経営側は省人化を考えることなくサービスを非効率化、肥大化させてきたのだと思う。
売り上げが増えるからと営業時間を増やし、客が喜ぶからと長い時間をかけて、品物を過剰に梱包する。
これが時給が高くなれば、挨拶一つにもコストを考え、どうやって効率を上げるかを経営側が真剣に考えなければならない
労働者が減る日本に必要なのはその道だと考える。
 
〈目次〉
 
はじめに
序章ドイツ人の平均可処分所得は290万円! 
でも、どこか生活に「ゆとり」があるのはなぜ?
 
第1章 サービス砂漠のドイツ、おもてなし大国の日本
でも、「便利さ」は「忙しさ」の裏返しでもある……!?
 
第2章 みんなが不便を「ちょっとだけ我慢する」社会
他人のサービスに期待しすぎない気楽な生き方
 
第3章 お金の奴隷にならない働き方
「ドイツの新しい通貨は自由時間」とは?
 
第4章 ドイツ人はお金をかけずに生活を楽しむ達人
ドイツ流・明るいケチケチ生活の極意
 
第5章 世界最大のリサイクル国家・ドイツ
使い回し、分かち合い「お金に振り回されず」に生きる
 
第6章 過剰な消費をしなくても経済成長は可能だ
未来の世代に「豊かさ」を引き継ぐ、と言う事
 
終章「求めすぎない」ことから始めよう
真の「豊かさと安定」を手に入れる第一歩
 
終りに