『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』書評・目次・感想・評価

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位!  ハーパーコリンズ・ノンフィクション) 

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位!  ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ビジネスリーダー1万人が選ぶベストビジネス書トップポイント大賞第2位! ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

  • 作者: クレイトン M クリステンセン,タディホール,カレンディロン,デイビッド S ダンカン,依田光江
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2017/08/01
  • メディア: 単行本
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  • 単行本: 392ページ
  • 出版社: ハーパーコリンズ・ ジャパン (2017/8/1)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4596551227
  • ISBN-13: 978-4596551221
  • 発売日: 2017/8/1

98点

 この手の本が危険なのは、読み終わると自分もなんだか起業して成功できそうな気がしてきてしまうこと。

 世の中の会社は誤った効率化と性能競争で袋小路にハマっている。ここでこの本でジョブ理論を学んだ僕が起業すれば成功は間違いない・・・そんな気がしてしまうのだ。

 この本を読んで世間を見回すと、企業が資源を間違った方向に使っている例をいくらでもあげられるようになる。

 大抵の銀行はお客さまのためにと言いつつ、お客の片付けるべきジョブではなく、手数料のことしか考えていないし、スーパーに行けば、一つヒットするとその亜流ばかり発売して、お客を混乱させるのが目的なのかというような商品が目白押し。

 でも僕には企業の予定はない。とりあえず自分のブログをもう少し読者のジョブ片付けに役立つように考えてみるとか、周りの人、家族・友人・隣人に自分がどういったジョブを片付けるために雇われているのかを考え直してみるとか、そういった方向で生かしていきたい。

 

<目次とメモ>

序章 この本を「雇用」する理由
 
第一部 ジョブ理論の概要
 
第1章 ミルクシェイクのジレンマ
 
「1つで全てを満たす」万能の解決策は結果的に何一つ満たさないのだ。ページ36
 
^_^ これはとても深い。
 
第2章 プロダクトではなく、プログレ
 
第3章 埋もれているジョブ
 
第二部 ジョブ理論の奥行きと可能性
 
第4章 ジョグ・ハンティング
 
第5章 顧客が言わないことを聞き取る
 
第6章 レジュメを書く
 
第三部「片付けるべきジョブ」の組織
 
第7章 ジョブ中心の統合
 
第8章 ジョブから目を離さない
 
私たちの国民総生産は現在、8000億ドルを超えました。ですが、GNPには子供の健康も、教育の質も、遊ぶ喜びも入っていません。詩の美しさも、夫婦の絆の強さも、公に討論する姿勢も、公務員の誠実さも入っていません。私たちの才覚や勇気も、知恵や学んだことも、自身も国家への献身も測定されません。つまり、GNPは何でも外れるようでいて、人生の価値を高めるものは含まれていないのです。アメリカについてあらゆることを教えてくれますが、アメリカ人であることを誇りに思う理由は何も教えてくれないのです。ロバート・ケネディ ページ296
 
第9章 ジョブを中心とした組織
 
効率性に価値があるのは、顧客の優先度の高いジョブを解決して顧客価値を生み出すプロセスの中に於いてのみである。ページ327
 
^_^ 企業は当然効率を求める。しかし、やがてそれは一人歩きを始める。効率のための効率。なぜ効率的でなければならないのか?それは顧客のジョブを解決するため。効率よく解決するため。
 
^_^ 顧客のジョブを解決すると言う北極星ができることで、意思決定を社員に分散できる。
 
第10章 ジョブ理論のこれから
 
1つは、あなたや同僚片付けるべきジョブを形容詞が伏して説明しているとしたら、それは有効なジョブではないと言うこと。ジョブを片付けるために顧客が必要としている「体験」を説明している可能性があるが、この2つは異なるものだ。例えば便利なは、顧客が競合他社ではなくあなたのプロダクトを選ぶ理由ではあるかもしれないが、ジョブではない。明確に定まった「片付けるべきジョブ」は、動詞と名詞で表現できる。「手作業でタイプしたり編集したりしなくてもいいように、本を口述で書く必要がある」はジョブであり、「もっと正直にならないといけない」は、立派な目標だがジョブではない。ページ338
 
謝辞
日本語版解説
索引