『マルクス・アウレーリウス 自省録』感想
『マルクス・アウレーリウス 自省録』
- 作者: マルクスアウレーリウス,神谷美恵子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫
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いろいろな場合、例えば病気の時でさえも、機嫌よくしていること。ページ16
^_^ これはとても難しいことだが、機嫌よくいることの大切さは最近身にしみている。
特筆すべきは、例えば雄弁とか、法律、倫理、その他の事柄に関する知識など、何かの点で特別な才能を持った人々に対しては、妬みもせずに譲ったこと。それのみから彼らを熱心に講演して、各がその独特の優れた点に応じて名誉を得るように計らったのであった。ページ19
^_^ これがとても難しいことであることが歳をとればとるほどわかってくる。
たとえ君が3000年生きるとしても、30000年生きるとしても、記憶すべきは何人もいて現在生きている生涯以外の何物をも失う事はないと言うこと、また何人も今失おうとしている生涯以外の何物をも生きる事は無い、と言うことである。したがって、最も長い一生も最も短い一生と同じことになる。なぜなら現在は万人にとって同じものであり、(したがって我々の失うものも同じである)ゆえに失われる時は瞬時に次のように見える。何人も過去や未来を失うことができない。自分の持っていないものを、どうして奪われることがあり得るか。であるから次の2つのことを覚えていなくてはいけない。第一に、万物は永遠の昔から同じ形を成し、同じ周期を反復している、したがってこれを100年見ていようと、200年見ていようと無限にわたって見ていようと、何の違いもないと言う事。第二に、最も長命のものも、最も早死にするものも、失うものは同じであると言うこと。なぜならば人が失い得るものは現在だけなのである。というのは彼が持っているのはこれのみであり、何人も自分の持っていないものを失うことができないからである。ページ32
^_^ 科学技術の発展を見たいから長生きしたいなぁと、思いつつ、人が失いうるのは今、この瞬間のみというのは、心に刺さる一言だ。若者にも老人にも与えられているのはこの一瞬のみ。死者のみは静かに眠る。
他人に関する思いで君の余生を消耗してしまうな。なぜならばそうすることによって君は他の仕事をする機会を失うのだ。すなわち、誰それは何をしているだろう、とか、なぜとか、何をして、何を考え、何を企んでいるかとか、こんなことが皆、君をぼう然とさせ、自己の内なる指導理性を注意をぶかく見守る妨げとなるのだ。ページ38