9章 ベーシックインカム編01 ベーシックインカムに反対する人へ

 ベーシックインカムに反対する人は大抵こう言います。

 

ベーシックインカムなんて導入したら、人々は仕事もせず毎日、寝転がってテレビを見て暮らすようになるに決まっている」

 

 本当にそうでしょうか?

 

 そんな人に「あなたもベーシックインカムが導入されたら、仕事をやめて、毎日、寝転がってテレビを見て暮らすようになりますか?」と聞いてみます。

 

 すると、多くの人がこう答えます。「わたしはそんな怠け者の連中とは違う、仕事もやめないし、有意義な日々を送る」

 

 なぜ自分はダメ人間にならないのに、他の多くの人はダメ人間になると決めつけるのでしょうか?

 

 自分の運転技術は上・中・下でどれですか?とたずねると、なんと7割の人が「上」と答えるという調査結果があります。

 

 7割の人が平均より運転が上手ということはあり得ません、つまり人間は自分を過大評価する傾向にあるのです。

 

 つまりは平均的な人間はこう考えているのです。

「平均より優秀な自分はベーシックインカムの導入でも、身を持ち崩さないが、自分より出来の悪い平均的な人間はダメ人間になる」と。

 

 あなたは平均的な人で、平均的なあなたがベーシックインカムの導入で、ダメ人間にならないのなら、たいていの人はベーシックインカムの導入でダメ人間にはならないのです。 

 

 これはベーシックインカムに限りません。大麻の合法化でも、同じことが言えます。

 

大麻の合法化なんかしたら、みんな大麻に溺れて、やがてそこから危険な覚せい剤なんかに手を出すようになる、もちろん私は人より優秀だから、そんなことにはならないがね」