『サードドア 精神的資産のふやし方 アレックス・バナヤン』

 

サードドア: 精神的資産のふやし方

サードドア: 精神的資産のふやし方

サードドア: 精神的資産のふやし方

 

 

STEP1 行列から飛び出せ

【要約】
元難民の両親を持つアレックスは両親が切望する医師になるため勉強に意欲を失っていた。そこで気晴らしに伝記を読み漁り、現代の偉人たちに成功への最初の一歩を聞きにいくというアイデアを思いつく。

【感想】
イデアを実現する資金を得るためにアレックスはクイズ番組に出場するのだが、賞金を得るために事前に研究し、現地で人に尋ね、キーマンにアピールをする姿に考えさせられる。他人が「運」の一言で片付けそうなことにも、できることはないかと考えて行動している。振り返って自分はどうか?

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STEP2 裏道を駆ける

【要約】
アレックスはスピルバーグがやってくるイベントに潜り込みアイデアを売り込むが責任者に激しく叱責される。その後、気晴らしに『「週4時間」だけ働く。』を読み著者にメールを送り、電話インタビューを成功。その後、チー・ルー、シュガー・レイのインタビューをする。

【感想】
相手の迷惑がわからない青臭さが読んでいて痛々しい部分もあるがそれも若さという一点で許されてしまう。それでもインタビューの実績を積み重ねるに従って大物にも手が届くようになっていくのは間違い無いのでワクワクする気持ちも否定できない。ぼくはここから何を学べるのだろうか?

 

紹介書籍
『「週4時間」だけ働く。』

「週4時間」だけ働く。

「週4時間」だけ働く。

 

 


STEP3 インサイドマンを探せ

【要約】

ビル・ゲイツの秘書からは出版エージェントが決まったらインタビューについて話をしようと言われ、アレックスはエージェントにコンタクトを取るがことごとく断られる。そんな中、起業家サミットを開催する若き起業家エリオットに出版を諦めて自分の元で働けと言われる。

【感想】
若き起業家エリオットの「生きるのに必要な額以上のお金はさ、ゲームに参加するために使うんだ」という言葉は「生きるのにそんなにお金いらない、人生をお金で売らない」と考えている自分にはお金の新しい価値を見せられたようで衝撃。お金はチケットを体験を買う為に使うべきなのだろう。

生きるのに必要な額以上のお金はさ、「ゲームに参加するために」使うんだ144


バフェットの教え
これから先1年で達成したい25のことを書く、その中から3ヶ月で達成したいものを選ぶ、残りを諦める。それがワールドクラスになるためのやり方。

 

ベストセラー作家になりたいと言う見栄があっても良い。その見栄のせいで、若い起業家をインスパイアする本にしたいとか、強力な企業文化の作り方を読者に提示したいと言うモチベーションが損われることはない。見栄とモチベーションは共存するんだ。185 

 

STEP4 ぬかるみを歩く
【要約】
アレックスは大学を休学することを決心するがそれは母と祖母をとても悲しませた。バフェットに傾倒するアレックス、オマハの総会で知恵を絞ってバフェットに質問するチャンスを得るが失敗、大恥をかく。ラリーキングの言葉に気づきを得てビルゲイツの秘書に会いに行く。

【感想】
タイトルにある通り主人公は他人が気づかないサードドアを見つける。この章ではオマハ株主総会でバフェットに質問する権利を得るのに知恵を絞った部分だ。他の人が何も考えず運に任せるような事でも主人公は尋ね、知恵を絞り、確率を高め、近道を見つける。自分も考える人でありたい。
とりあえず読書

 

私は大学生にこう言いたい。君たちが私の歳になって、自分を愛してほしいと思う人から愛されていれば、君たちは立派な成功者だ。ウォーレンバフェット214

 

どんなに才能に恵まれて多大な努力をしても、時間を要することがある。9人の女性を妊娠させたからといって、1ヵ月で赤ちゃんを産んでもらうことはできない。ウォーレンバフェット214

 

じっくり考えることに、毎日でも時間を費やすと言いたい。アメリカの実業界はそれをやらなすぎる……私は実業界の誰よりも多くの本を読み、じっくり考える。思いつきで決断する事は少ない。ウォーレンバフェット214

 

ウォールストリートで金持ちになるコツを教えよう。他人が不安抱いているときに貪欲になることだ。そして他人が貪欲になっているときに不安を抱くことだ。ウォーレンバフェット215

 

私に言わせれば、株式市場に三振アウトはない。すべての魂を振る必要はなく、これはと言う魂を待てば良い。ただし金融業者になって困るのは、元から「触れよ、馬鹿野郎」とやじられることだウォーレンバフェット215 

 

 

私が買おうと思うのは、愚か者でも経歴そうなほど素晴らしい会社の株だ。遅かれ早かれ、そういう人が経営するようになるのだから。ウォーレンバフェット215

 

ビジネスは射撃訓練じゃない。1つの的に執着しちゃだめなんだ。できるだけたくさんの選択肢を用意して、そこからあたりを見極めるんだよ。235

 

大事なことを紹介しよう。まず、ダラダラと失敗を重ねるよりは、それが不可能であることを証明した方が良い247

 

^_^ 一歩引いて逆の立場から見てみるということか。

 

すべてのカエルにキスしようとするなってことだ。カエルが何十億匹といたって、その種類が1種類だけってこともあるだろ?まず何種類のカエルがいるか突き止めるんだ。そして、それぞれの種類から1匹だけ取ってキスすればいい248

 

^_^ これは大切なアドバイスだ。カエルにキスをしろと言われて闇雲にキスをするバカは多いが頭を働かせればもっと効率的に王子様を見つけられる。

 

STEP5 サードドアを開けて

【まとめ】
アレックスはついにゲイツのインタビューにこぎつけるが、実りあるものにできない。さらに繋がろうとしていた成功者がほぼ男性であることに驚愕する。男性偏っていると気づいてすらいなかった、と。そして父の癌。アレックスは身近な人の死と向き合う事になる。

【感想】
一つの成長物語としても良くできている。アレックスは現代の成功者を最初はアイコンのようなものと扱っていたが、物語の終盤ではひとりひとりが苦悩を抱え日々生きる人間だということに気づく。ただ他の人違うのは前に進むための哲学を持っているということ。教訓があり、勇気が湧く良著。

 

「僕が子供の頃」とウォズニアックは言った。「2つの人生の目標があったんだ。1つは電子工学で世の中を変えるものを作り出すこと。2つ目は自分で決めた道を生きること」
「大半の人は、社会からやるって言われたことをやる。でも立ち止まってしっかり考え、自分をちゃんと見つめればさ、もっと良い道があることに気づくんだ」
「だからあなたは幸せなんですか?」と僕が聞いた。
「正しく操作」とウォズニアック。
「ウォズニアックは言った。「2つの人生の目標があったんだ。1つは電子工学で世の中を変えるものを作り出すこと。2つ目は自分で決めた道を生きること」
「大半の人は、社会からやれって言われたことをやる。でも立ち止まってしっかり考え、自分をちゃんと見つめればさ、もっと良い道があることに気づくんだ」
「だからあなたは幸せなんですか?」と僕は聞いた。
「正しく操作」とウォズニアック。
」僕が幸せなのは、毎日やりたいことをやっているからだ」僕が幸せなのは、毎日やりたいことをやっているからだ」
「そうね」と奥さんは笑った。「この人は本当にやりたいことをやっているわ」344

 

^_^ この部分はとても好きだ。わからない人にはジョブズのようになれなかった負け惜しみに聞こえるかもしれない。でも本当はそうじゃない。このような生き方も絶対ありだ。しかもジョブズの生き方と違って誰もが目指せるタイプの幸せだ。

 

「世間的には、成功とはなるべく権威のあるポストに就くことだろうけど」とウォズニアック。「僕は自分に問うたんだ。それで僕は本当に幸せなのかってね」346 

 

^_^ 何だかウォズニアックのファンになってしまいそうだ。

 

生きている限り見習いで居続けたい356

 

成功を維持するカギは、常に見習いでいたいと言う姿勢にあった356

 

^_^ ぼくは毎日何かを学んでいるだろうか?見習いで居続けているのだろうか?

 

「自分の前を行く人たちから、できるだけ多くを吸収することね」と彼女が続けた。
「それがあなたにとって雲の中にある虹よ。あなたの名前を知らない人でも、あなたの顔を知らない人でも構わない。何をした人でもいいの。彼らが描いた虹は、あなたのためにあるのよ」371

 

書くことほど怖いものはないけれど、書くことほど自分を満足させるものはない372

 

「今私がしていることを、若い作家にも勧めたいわ。1人で部屋に入って、ドアを閉め、書いたものを読んでみるの。声に出して読めば、言葉の中にメロディーが聞こえてくる。
言葉のリズムに耳をすませて、しっかり聞くの。するといつの間にか「うん、そんなに悪くない!結構いいかも」と思えてくる。
やってみたら、自分を褒めたくなるわ。楽しいこととは言え、こんなに難しくて面倒なことをよくやってるわねって」374

 

^_^ 音読して心地よい文章はきっと読んでも気持ちいいだろう。

 

一見複雑なようで、割と実はシンプルなんだ。つまり、“リラックスして神に委ねる“ことさ415

 

自分の得意分野で成長していくときに味わう気分は最高だよ。成長は失敗から生まれる。失敗を大事にすれば、そこから学べる。失敗は最高の贈り物なんだ415 

 

 

^_^ 得意分野で成長する為には得意分野にいなくちゃいけない。でも多くの人はよりお金が稼げるとか、世間体がいいからとか、親が言うからということで得意分野から離れてしまう。

 

僕は、成功と失敗は正反対なものだと常に思ってきた。でも今は違う。実はどちらも、挑戦した結果だと言う点で同じものなんだ。417

 

^_^ 挑戦もしないことこそが本当の失敗なのだろう。

君が何者であるかは、君の持っている能力ではなく、君の選択によって決まるんだよ ダンブルドア 414

 

98点

 この手の本は若いうちに泥と恥にまみれないと書けないものだと思うので、かすかな嫉妬心が自分の中にあるのを認める。自分は怖いものをたくさん知ってしまったから。

 それでも、若い人はもちろん、中年にも、それを乗り越えても読んでもらいたい一冊。

 アレックスは何かあると図書館に救いを求めに行くような青年なのだが、これこそが彼をここまでの冒険に駆り立てた要因だと思う。

 実生活が充実していて花が咲くような青春を送っている人間は、恐らく図書館には足を踏み入れない。

 しかし、彼らの周りには同じ学校の友達、先輩、後輩、親、せいぜい学校の先生ぐらいしか居ない。だから彼らのやらかす無茶なんて、学校の先生の想像の範疇を超えることはない。

 一方、落ち込むと図書館の自伝コーナーや物語に救いを求めるような生徒は、周りにガンジーがいて、リンカーンがいて、仏陀がいて、ナイチンゲールがいて、キルヒアイス(銀河英雄伝説)がいる。

 彼ら図書館組がやってのける冒険は良くも悪くも、世界クラスになりうる。何しろ、世界クラスの人間について、感じ、学び、ときに自分に重ね合わせているのだから。

 やはり本はとても大きなちからを持っている。主人公で著者のアレックスが落ち込むたびに図書館に入り浸るシーンを読んで強くそう思った。