『誰もが「人と違うこと」ができる時代』手元に置いて繰り返し読みたい。

 

ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 (単行本)

 

 

成功とは多くの場合、他の人たちを出し抜くことで得られるものではなく、行動起こす絶好のタイミングを待つことでこそ得られるものである ページ3
 
^_^ 現代においてはその傾向は強くなっていると思う。技術的に可能だからといって受け入れられるか別のアイデアが求められる。自動運転も、ドローンのビジネスも。
 
Part1 変化を生み出す「創造的破壊」
「最初の1歩」をどう考えるか
 
低所得者層は一貫して、高所得者層よりも「現実を容認する傾向がある」(中略)「堅実による被害を被っている人ほど、逆説的ながら、その状況に疑問を持ったり異を唱えたり、はねつけたり変えたりしようとしないものである」24 

既知の物を目の前にしながら、新たな視点でそれを見つめ、古い問題から新たな洞察を得ることだ。26

リスクを嫌い、アイディアの実現可能性に疑問を持っている人が起こした会社の方が、存続する可能性が高いそして、大胆な勝負師が起こした会社のほうがずっと脆いのである。ページ42

^_^ これは考えなければならないことだ。大胆なアイデアを実行するには安全圏にいなければならないのだ。またネット右翼の一部が自分たちが恵まれていないにもかかわらず、現政権をやたらと肯定するのも、この一部なのだろうか。

 
ある分野で危険な行動を取ろうとするなら、別の分野では慎重に行動することによって全体的なリスクのレベルを弱めようとするのだ。44 

 

ある分野において安心感があると、別の分野でオリジナリティーを発揮する自由が生まれると言うメリット45
 
最も優れた起業家は、あらゆるリスクを犯そうと言う人ではありません。リスクテイキングからリスクを取り除こうとする人です46
 
パート2 大胆に発想し、緻密に進める
きらりと光るアイディアとは
 
ある分野における天才的な創作者は、同じ分野に取り組む他の人たちよりも、特に創作の質が優れているわけではない、と言う。ただ、大量に創作すると、多様な作品が生まれ、オリジナリティーの高いものができる確率が高くなるのだ。(中略)「影響力のあるアイディアや成功するアイディアを生み出す可能性は、創出されたアイディアの総数が多いことがプラスに働く」68
 
^_^ 量が質を連れてくるというわけだし、質はどれが高いのかは誰もわからないのだからね。
 
オリジナリティーを発揮したいのであれば、「最も重要な事は、とにかくたくさん作ること。大量に細くすることしかありません」70
 
直感が頼りになるのは、予測可能な環境で判断を下す経験を積んだときだけ96
 
^_^ では私が直感を使えるのは…
 
パート3 “無関心“を“情熱“変える法
周りを巻き込むタフな説得力
 
ある考え方に10回から20回繰り返し触れると、好感度は上昇し続ける。134
 
例えば上司に何かを提案したいのなら、まずは火曜日にエレベーターの中で30秒ほど話、翌週の月曜日その話題に再度簡単に触れ、その週の終わりに意見をもらうのがいいかもしれない。135
 
^_^ アイデアに幾度も触れさせるというアイデア
 
私たちにできる事は何かと言うと、声を上げつつ、リスク・ポートフォリオを安全に保ち、必要であれば立ち去るために準備をしておくことだ。153 

 ^_^ 日本に対しても?

 
パート4 賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ
チャンスを最大化するタイミング
 
課題のことを一旦ちょっと考えてから、意図的に先延ばしにしたときだけ、意外な可能性にまで考えが及び、面白いアイディアが生み出された。160 

 

先延ばしは「生産性の敵」かもしれないが、「創造性の源」にはなる。161
 
^_^ これの根本的な内容として、その作業がクリエイティブな要素を必要としているかどうかと言う問題がある。例えば税務申告等は先延ばししても意味がないように思われる。
 
先発企業の失敗率は47%、そして後発企業はわずか8%だったのだ。先発企業は後発企業よりも約6倍、失敗率が高かったことになる。先発企業は、生き残っても、平均10%の市場を占有するのみで、対する後発企業の占有率の平均は、28%だった。意外なことに、先発企業となる事は、利点よりも不利な面が大きいことがままある。172 

 

「2番目か3番目になって、先発者がどうしたかを見届けて……それから改良するほうがいいと思いませんか?」(中略)「アイディアや世界がどんどん複雑になっていく中で、1番手の人が全てを解決できると考えるのは愚かでしょう。良いものは、考え出すのに時間がかかりますから」175
 
アメリカの自動車業界を100年近くにもわたって観察してある研究によると、先発企業は生存率が低かった。その理由は、製品そのもののニーズを確立することに苦労したり、まだ地上に存在しない慣習を作ったり、消費者の求めるものが明らかになるにつれて時代遅れになったりしていたからだ。176
 
^_^ 顧客の存在掘り起こしはもちろん、顧客の習慣を変えること、もっと言えば顧客自体存在するかどうかわからない中で起業する先発企業の負担はそれらを見て始める後発企業の比では無いのだろう
 
新しい科学的事実が勝利を得るのは、反対する者を納得させ、理解させたからではない。反対するものがいずれ死ぬからだ。物理学者マックス・プランク 178
 
^_^ このセリフ何度聞いても痺れます。
 
先駆者が優位になりやすいのは、特許技術が関わっている時や、強い「ネットワーク効果」(製品やサービスのユーザが増えると、その価値が高くなるという効果。電話やソーシャルメディアなどが好例)が存在する時だ。178
 
Part 5 「誰と組むか」が勝敗を決める
パワフルな結束を作る人の見分け方
 
非常に似通っている者同士のわずかな違いこそが、互いの間に違和感や敵といった感情を生み出す原因になっている ジークムント・フロイト 192
 
オリジナルの人が成功するには、「節度ある過激派」になることが必要203
 
内部の人間が考える同盟の代表者と外部の人間が考える同盟の代表者とでは明らかな違いがある(中略)外部の人間にとっては、グループの代表者とは最も極端な物の見方をする人だ。208 

^_^ そう考えると最も過激な発言をする韓国人が韓国を代表していると日本人は思っており、最も過激な発言をする日本人を韓国人は日本を代表していると思い込んでいる。どちらも多数派は互いに思っているよりもはるかに穏健であるのに

 
態度が一環しない人との付き合いは、感情的なエネルギーを消耗し、うまく対処するための方策がより多く必要となる(中略)両価的な関係はマイナスな関係よりも肉体的にも不健康であることを発見した。ある研究では、両価的な関係が多いほどストレスを感じたり、鬱になったり、人生に不満を感じたりする割合が高くなると言う結果が出た。212
 
「フレネミー」を切り捨て、敵を味方にするようにした方が良い(中略)最高の味方となるのは、はじめは反対していたが次第に味方になってくれた人たちだ。214
 
^_^ これは恋愛ドラマや、少女漫画によくあるパターンで、いけすかない異性が最も愛すべき相手に変わる物語はたくさんある。皆さんも思いつきませんか?花より男子とかね。
 
誰もがオリジナリティーを求めているものですが、最適のツボと言うものがある。尖ったオリジナリティーがある程度ないと、つまらなくなります。逆にオリジナリティーが強すぎると、周囲が理解するのが難しくなることもある。目標は限界の枠を広げることであって、限界を破壊することでは無いのです228
 
^_^ これは深い。自由は少しずつ獲得するものであり、無政府状態を求めるものではないということでしょう。
 
Part 6 「はみ出す人」こそ時代を作る
どこに可能性が隠されているか
 
人柄を褒められると、それを自分のアイデンティティーの1部として取り込むのである。ページ266
 
^_^ 大人でも利用できるのではないだろうか。パートナーを、頼れる人、優しい人などと褒め続ければパートナーはそのように変わっていくのではないだろうか?
 
「不正をしないでください」と言う言い方ではなくて、「不正を働く人にならないでください」と言う人格に訴える言い方に変えることで抑制をする被験者が半分になったのである。
 
^_^ やはり大人にも効くのである。
 
驚くべきことに、奇抜な目標を達成する子供向けの本がたくさん出版されると、次世代の人たちはイノベーションを起こす可能性が高いと言う研究もある。273
 
^_^ これは面白い。児童文学が次世代のイノベーションに影響与えると言うのか。ハリーポッターはどんな影響与えるのだろうか?いやこれは日本では既に起こっている。アトムやガンダムが日本の次世代の技術者に影響を与えるている事はデータがなくても明白だ。
 
最近の実験によると、「ハリー・ポッター」を読むことで、社会的なマイノリティーの人たちに対する子供たちの姿勢が向上するとのことだ。登場人物のハリーや、ハーマイオニーが、純潔の魔法使いではないために差別を受ける様子を目の当たりにすると、子供たちは同情し、現実に存在するマイノリティーたちに対しても偏見を持つことが少なくなるのだ。274
 
^_^ やはりハリーポッターは影響をあたえるのか。
 
Part 7 だめになる組織、飛躍する組織
風通し良く、進化を遂げる仕組みづくり
 
「強い文化を持つこと」と「カルト集団のようになってしまう」事は紙一重なのである。280 

 

^_^ これはあらゆる組織に所属する者又は組織を率いる者にとっては肝に銘じなければならない命題だと考える。学生時代なら運動部の不祥事、社会人になってからは世間の倫理と乖離したテレビ局などのマスコミや原子力村の論理など、挙げていったらキリがない。
 
^_^ 実は献身的な文化を持つ企業の方が存続率も高い、しかし人材が均質化されがちで、環境の大きな変化には対応できないということか。
 
少数派の視点は大切だ。意識の幅が広がったり、違った考えが生まれたりするからだ。たとえ少数意見が間違っていたとしても、より良い解決法を見つける時や、決断をする際の役に立ち、結果的に良いものが生まれる290
 
悪魔の代弁者を「誰かにやってもらう」のは確かに魅力的ではあるが、本物の悪魔の代弁者を「発掘する」ほうがさらに効果的なのだ。300
 
 ^_^ そう考えると心のそこから反対してくれる反対者の意見とものがどれだけ正しい選択肢を選ぶために必要であるかがよくわかる。
 
建設的に異論を交わせない人々が、人間にとって最大の悲劇を生み出す303
 
^_^ これは戦争のことを言っているのかな。
 
医学の分野では、「証拠の確実性」は6段階に分類できると言う考えで多くの専門家が一致している。うち、確実性が最も高いものは、連続して無作為に行われる対象事件により導かれた客観的な結果だ。逆に、最もおぼつかない証拠は、「権威もしくは専門家の団体の意見」である。319
 
^_^ データ至上主義。
 
強烈な感情を抑圧しようとするよりも、違う感情にすり替える方が簡単だ332
 
^_^ 著者は恐怖心を打ち消すよりも、恐怖心を興奮にすり替える方が効果的だと述べている。
 
神経科学の研究によると、不安を感じている時、「不確実であること」はネガティブなことよりも恐ろしく感じられるようだ。
 
^_^ これは他の書籍でも述べられていた。自分はガンではないのかと恐れて医師の診断を待つときの方が、実際にガンであると医師に診断された後よりもストレスを強く感じると言う研究結果もあるようだ。
 
地殻を変動させるような大爆発を起こすのが、神の革命なのではありません。じわじわと燃やし続けることこそが革命なのです336
 
^_^ 大変革を人々は賞賛するが、現場にいる人にとっては大惨事だ。実際、フランス革命は大惨事を引き起こしながら結局、ナポレオンによる帝政に戻ってしまった。革命ではなく、一歩一歩改革していくことが、遠回りのようで正しい道だと僕は考えている。
 
恐怖心で誰かを黙らせると言うのは、暴君でなくてもできるものだ。
自分1人の意見が違うと言うだけで、確固たる信念を持つ人でさえ強くなって、多数派に合わせてしまう。
宮宮ゲー子を予防するための最も簡単な方法は、反対派を1人加える事だ。
起業家のデレク・シーバスは、「ひとりめの支持者が、孤立した異端者をリーダーに変える」と述べている。被験者が他の7人と一緒に座っている時、6人が誤った答えを選んでも、残りの1人が正しい答えを選ぶと、被験者が同調する確率は劇的に低下した。344
 
^_^ 突飛な意見に関して一人が賛成を述べると人はそれを検討するに値すると考えるのかもしれない。
 
^_^独裁国家において、あからさまな反政府は自殺行為だが、実は政府に不満を持っているのが、自分だけではないと気付かせるのが何よりも変革のスタートになるのだと知った。それは車をゆっくり走らせたり、ピンポン球をばら撒いたり。本当に興味深い。では?日本では何ができるだろうか?アンチ、オリンピック。アンチ、原発
 
行動が安全だと相手が思うなら、行動によって生じるすべての良いことを強調すべきだ−そういった利益を得るために、相手はすぐさま行動を起こそうとする。だが行動にはリスクが伴うと考えている場合には、この方法は役に立たない。相手は既に現場に満足しているため変えることの利益を示されても魅力を感じない。
そのため、現場揺るがし、行動を変えないことで起こる悪いことを強調する必要がある。行動しなければ確実に損失がある場合、リスクを犯すことに魅力を感じるようになる。356
 
^_^ これはセールスなどで悪用されていますよね。あとは雑誌の見出しとか、絶望老後の未来とか、今すぐ始めなければ必ず後悔するとか。
 
最も素晴らしいプレゼンターはまず「今はこのような状況です」と言う現状を示す。その上で、「どうなり得るかを示して現場と比較」し、「その違いをできるだけ大きく見せる」と言うことだ。358
 
白人男だとすべきでも、貶めるべきでもない。A2続くかのような精神的な塩味わう人生から、我々の子供たちを解放することだ キング牧師366
 
「他者に対して「怒りを感じていると復讐心が生じるが、「他者のために「怒りを感じていると、正義はより良いシステムを作る動機になる。人を張したいのではなく、助けたいのだ。367
 
^_^ これはすべての社会変革をめざす人に感じて欲しいことだ。社会を変えるということは誰かを泥水の中にたたき落とすことではない。
 
100点
とても内容の濃い一冊。手元に置いて繰り返し読みたい。