『ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』書評・目次・感想・評価
ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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ダニエル・カーネマン 早川書房 2014-06-20
- 文庫: 432ページ
- 出版社: 早川書房 (2014/6/20)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4150504113
- ISBN-13: 978-4150504113
- 発売日: 2014/6/20
100点
45文字×18行×283ページ=229,230文字
図表や改行分を計算に入れて3/4を掛けると=171,922文字
日本人の平均的読書スピードを毎分600文字として286分
平均的な読者で
図表や改行分を計算に入れて3/4を掛けると=171,922文字
日本人の平均的読書スピードを毎分600文字として286分
平均的な読者で
読了まで4時間47分程度
上下巻共になんらかの意思決定をする人は絶対読むべき本だと思い ます。
お昼ご飯を決めるのも意思決定で、 つまりは生きることは意思決定ですから、 すべての人が読むべき本なのです。
人が物事を判断するときの仕組みから、その欠陥を説明し、 その欠陥をどうにか回避する方法まで、 教えてくれるので今後の生き方にまで影響を与える。 そんな価値ある一冊です。
上下巻で厚みがありますが、 語り口も親しみやすく読みやすい内容になっているので、 本の厚さで敬遠しないで、ぜひ手に取ってみてください。
読んだ人からちょっと有利に人生を歩めるかもしれません。
【目次】
第3部
自信過剰第22章 エキスパートの直感は信用できるかー直感とスキル
驚異と欠陥
認識としての直感
スキルの獲得
スキル習得の環境
フィードバックと実践
予測妥当性の評価
エキスパートの直感を話題にする時は
認識としての直感
スキルの獲得
スキル習得の環境
フィードバックと実践
予測妥当性の評価
エキスパートの直感を話題にする時は
紹介書籍「決断の法則ー人はどのようにして意思決定するのか?」
決断の法則―人はどのようにして意思決定するのか? (トッパンのビジネス経営書シリーズ)
- 作者: ゲーリークライン,Gary Klein,佐藤洋一
- 出版社/メーカー: トッパン
- 発売日: 1998/09
- メディア: 単行本
- クリック: 9回
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紹介書籍「第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい」
- 作者: マルコム・グラッドウェル,沢田博,阿部尚美
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/02/23
- メディア: 単行本
- 購入: 28人 クリック: 240回
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引用
一定の規則性が存在しない状況では、 直感は信用できないのである。ページ18
第23章 外部情報に基づくアプローチーなぜ予想は外れるのか
内部情報に基づくアプローチ
計画の錯誤
計画の錯誤を減らすには
決定とエラー
私はテストに落第した
外部情報に基づくアプローチを話題にする時は
内部情報に基づくアプローチ
計画の錯誤
計画の錯誤を減らすには
決定とエラー
私はテストに落第した
外部情報に基づくアプローチを話題にする時は
計画の錯誤
・ベストケース・シナリオに非現実的なほど近い。
・ベストケース・シナリオに非現実的なほど近い。
・ 類似のケースに関する統計データを参照すれば改善の余地がある。
^_^ 何かを行う時、自分たちの感覚以外にも、 外部の似たような案件のデータを集めてそのデータをアンカーに利 用しなければとんでもない失敗をする可能性が高い。 これは覚えておかなければ。
引用
多くの人は過去の分布に関する情報を軽視また無視しがちであり、 この傾向がおそらく予測エラーの中陰だと考えられる。 したがって計画立案者は、 入手可能なすべての分布情報が十分に活用できるように、 予測問題の枠組みを整える努力をしなければならない ページ33
^_^ この手の過ちの最大の例として取り上げられるのが、戦争だろう。 わが国はかの大戦で置いて最も楽観的な予測に基づいて対米戦線を 開き、壊滅の憂き目にあった。 当初は半年では優位に和平に至ると言う計画があったことも知られ ている。
第24章 資本主義の原動力ー楽観的な起業家
楽観主義
起業家の妄想競争の虫
自信過剰
死亡前死因分析
楽観主義を話題にする時は
起業家の妄想競争の虫
自信過剰
死亡前死因分析
楽観主義を話題にする時は
^_^ 楽観主義の最大の強みは立ち直りの早さである。しかし、 楽観が過ぎて経済的、 物理的に立ち直れない失敗をしては意味がない。むしろ、 小さなリスクを挫けず取り続けることや、精神的なリスク、 例えばセールスやナンパを断られるリスクなどを繰り返し試して、 最終的に結果を得るのが正しいやり方なのかもしれない。
死亡前死因分析
今が1年後だと想像してください。私たちは、 先ほど決めた計画を実行しました。すると大失敗に終わりました。 どんなふうに失敗したのか、 5から10分でその経過を簡単にまとめてください
^_^ 何をやるにも、何か大きなものをリスクに晒す時には、 これはやってみた方が良いかもしれない。 少なくともリスクを見落とす可能性は減る。
第四部 選択
第25章 ベルヌーイの誤りー効用は「参照点」からの変化に左右される
ベルヌーイの誤り
ベルヌーイの誤りを話題にする時は
ベルヌーイの誤りを話題にする時は
第26章 プロスペクト理論ー「参照点」と「損失回避」と言う2つのツール
第27章 保有効果ー使用目的の財と交換目的の財
保有効果
トレーダーのように考える
保有効果を話題にするときは
第28章 悪い出来事ー利益を得るより損失を避けたい
目標と参照点
目標と参照点
現状維持願望
法律に見られる損失回避
損失を話題にする時は
法律に見られる損失回避
損失を話題にする時は
第29章 四分割パターンー私たちがリスクを追うとき
確実性の効果と可能性の効果
アレのパラドックス
アレのパラドックス
決定加重
四分割パターン
訴訟のギャンブル
四分割パターンを話題にするときは
第30章 めったにない出来事ー「分母の無視」による過大な評価
過大評価と過大な重み付け
結果の鮮明性
鮮明な確率
結果の鮮明性
鮮明な確率
総合的な印象に基づく決定
稀な出来事を話題にするときは
要約
第31章 リスクポリシーーリスクを伴う決定を総合的に扱う
^_^ 有利なギャンブルは常に有利なギャンブルである。 人生においてリスクテークは何度もあるのでそれを広いフレームで 考えれば有利さを見つけたり、損失回避的にならずに居られる。
第32章 メンタル・アカウンティングー日々の生活を切り盛りする「 心理会計」
メンタル・アカウンティング
公開
責任
メンタル・アカウンティングを話題にする時は
公開
責任
メンタル・アカウンティングを話題にする時は
^_^ トレードオフのタブー視はよくある。 子供の安全のためと最大限の投資、 例えば最高級のチャイルドシートを買ってしまう。しかし、 それは誤りの可能性がある。いくら金持ちでも、 いくら子供を愛していても、 子供の安全に払えるコストには限界があるわけで、安全性が、 僅かに勝るチャイルドシートを選ばずに浮いたお金で。 コンセントのシールドをするなどのもっとコストに見合った安全対 策を実施できたかもしれない。しかし、 親は後悔を恐れるために進められれば最高級のチャイルドシートを 買ってしまう。もし、 ここでトレードオフで見合わないと判断して、 事故で子供に何かあったらとてつもなく後悔するからである。
第33章 選好の逆転ー単独評価と並列評価の不一致
経済学と心理学の対話
カテゴリー
不当な選好逆転
不当な選好逆転
選好の逆転を話題にする時は
^_^ 何かを単独で評価する場合と、並列で評価する場合では、 その回答は全く違ってくる。 例えば単独でイルカの保護に寄付金を求めた場合と農夫の皮膚がん 予防に寄付を求めた場合、 イルカの保護により多くの寄付金が集まるが、 並列してイルカと農夫の保護の寄付金となると、 人であるという点に対して農夫により多くの寄付金が集まるように なる。 並列にすることによってイルカが種族的に我々と違うということに 判断する人が気づくからである。 この点から行っても評価はできるだけ大きなフレイミングで複数を 並列して行うべきである。
第34章 フレームと客観的事実ーエコンのように合理的にはなれない
紹介書籍「実践行動経済学ー健康、富、幸福への聡明な選択」
- 作者: リチャード・セイラー,キャス・サンスティーン,遠藤真美
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2009/07/09
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 365回
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第5部 二つの自己
第35章 二つの自己ー「経験する自己」と「記憶する自己」
経験効用
経験と記憶
どちらの自己?
経験と記憶
どちらの自己?
生物学対合理性
2つの自己を話題にするときは
苦痛に関する法則
・ピーク・エンドの法則ー記憶に基づく評価は、 ピーク時と終了時の苦痛の平均でほとんど決まる。
・持続時間の無視ー検査の持続時間は、 苦痛の総量の評価にはほとんど影響を及ぼさない。
^_^ そう考えると例えば部活の夏合宿などで選手をしごく場合、 苦痛を低くするのは当然として、毎回の練習の最後に楽、 もしくは楽しめる練習を当てて、 合宿全体の評価を高めることもできるのではないだろうか? 使い道はいくらでもありそうだ。
第36章 人生は物語ーエンディングが全てを決める
記憶の消失
物語としての人生を話題にする時は
記憶の消失
物語としての人生を話題にする時は
^_^ ピーク・エンドの法則や持続時間無視の法則は、 もっと長いスパンでも、適応される。 例えば人生に対する評価すら適用されるのだ。 人生も終わりよければ全体の評価は大きく上がる。
第37章 「経験する自己」の幸福感ーしあわせはお金で買えますか?
経験する自己の幸福感
経験する自己の幸福感を話題にするときは
引用
もうそれ以上は幸福感を味わえないと言う所得の閾値は、 物価の高い地域では、年間世帯所得ベースで約75, 000ドルだった(物価の低い地域ではもう少し少ないだろう)。 この閾値を超えると、所得に伴う幸福感の増え方が、 平均してなんと0になる。所得が多ければ多いほど、 好きなところに旅行に行けるしオペラも見られるなど多くの楽しみ を変える上、生活環境も改善できる事は間違いないのだから、 これは実に驚くべき結果と言える。なぜこうした追加的快楽は、 感情経験を高められないのだろうか。考えられる1つの解釈は、 所得が増えるほど生活の小さな楽しみを味わう能力が減ってくるの ではないかと言うことである。ページ241
^_^ 幸福が買えるのはここまでってことだね。
引用
所得が生活満足度に与える影響等交付日に与える影響とは、 全く異なる。所得が多いほど生活満足度は高まるのであって、 幸福感を味わえなくなる閾値を超えても、それは続く。 ここから導き出せる結論は、 内視鏡検査の場合と同じ位はっきりしている。 人々の生活評価と実際の生活での経験は、関連性はあるとしても、 やはり別物だと言うことである。ページ242
^_^ 生活満足度と幸福度は繋がってはいるが別物だということ。 それは覚えておこう。
第38章 人生について考えるー幸福の感じ方
焦点錯覚
時間の役割
生活評価を話題にするときは
時間の役割
生活評価を話題にするときは
引用
あなたがあることを考えている時、 人生においてそのこと以上に重要な事は存在しない。ページ249
あなたがあることを考えている時、
結論
2つの自己
エコンとヒューマン
2つのシステム
エコンとヒューマン
2つのシステム
紹介書籍「選択の自由ー自立社会への挑戦」
- 作者: ミルトン・フリードマン,ローズ・フリードマン,西山千明
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/06/26
- メディア: 単行本
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^_^ 自由でありながら、選択に後押しが必要なヒューマンのための、 リバタリアン・パターナリズムは良い政策に思える。 デフォルトで年金に加入し、デフォルトで健康的な食事をする。 自由でありながら、良い選択のためのサポートを行う。
謝辞
解説/友野典男
解説/友野典男
紹介書籍「ダニエル・カーネマン 心理と経済を語る」
- 作者: ダニエルカーネマン,Daniel Kahneman,友野典男,山内あゆ子
- 出版社/メーカー: 楽工社
- 発売日: 2011/03/01
- メディア: 単行本
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原注
付録B 選択、価値、フレーム
付録A 不確実性下における判断ーヒューリスティックスとバイアス
索引