目次だけでも読んでいって下さい

読書は孤独です。同じ本を読んだ人はコメントくれると嬉しいです。

『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』書評・目次・感想・評価

【『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』目次と読書メモ】

名言
人類の知識の進歩は急速となり、今の私たちには思いもよらぬものが発見される。私は自分がこんなに早く生まれてしまったことをほとんど後悔している。というのも100年後にわかることを知ると言う幸せが得られないからだ(ベンジャミン・フランクリン1783年)
 
はじめに 現在こそが古きよき日々
 
引用
 ときに人々は、我が国を再びグレートにして見せるための、お手軽で単純な解決策を持っていると主張するデマゴーグに浅はかにも世界を任せようとする。でもその解決策と言うのは経済の国有化、外国輸入品を阻止、移民の追放といった代物だ。そんなことをしても失うものは何もないと思うようなら、それはみんなが忘れっぽいだけだ。ページ20
 
^_^ 明らかにトランプのことを言ってるね。
 
名言
古き良き日々の最大の要因は、だめな記憶力だ。(フランクリン・ピアーズ・アダムス アメリカ大統領)
 
1 食料 頭と身体を働かせる十分なカロリー
 
引用
18世紀にはトマス・ロバート・マルサス牧師が、人間の数は常に手に入る食べ物の量を上回るのだと結論づけた。人口は幾何級数的に倍増するー2倍が4倍に、それが8倍、16倍になるーのに対し、農業生産は線形ー2から3、4、5へー2しか増えないと言うのがその見立てだ。食べ物が豊富なら、生き残る子供の数が増え、おかげで後に死者が増えるだけだ。人類は常に飢餓に苦しむ、マルサスは1779年に結論している。ページ29
 
^_^ これが悪名高きマルサスの罠というやつですね。これを突破するのに人類はどれだけかかったことか。
 
要約
20世紀で最も重要な技術発明はハーバー=ボッシュ法というアンモニア合成。これにより化学肥料が開発され、人口の急拡大とそれに耐えうる農業生産を成し遂げた。
 
^_^ 知らなかった。インターネットとか、飛行機とか言ったら笑われるね。
 
検索
ボーローグ ノーベル平和賞 
^_^ 恥ずかしながら彼のことをまったく知らなかった。
 
2 衛生 苦しみの源を浄化する
 
3 期待寿命 人はもうハエのようには死なない
 
4 貧困 未来への投資に目を向けるとき
 
引用
経済学者アンガス・マディソンの大雑把な推計によると、一人当たりのGDPー一人当たりの罪やサービスの価値ーは紀元1年から1820年までにたった50%しか増えなかった。ページ96
 
^_^ これはマルサスの罠にはまっていたということでもあるわけだね。財が増えた分、人口が増えると。結果、一人分は増えない。
 
貧困を減らすには経済成長が何よりも効果的であった。しかしこれとしばしば空想上のものでしかない「トリクルダウン」理論を同一にみてはいけない。
 
^_^ 経済成長が望めない日本ではどのようにして貧困対策をすれば良いのだろうか?それとももっと市場を開放し、規制を緩和すれば再び経済は成長軌道に乗り貧困が減少するのだろうか?
 
5 暴力 戦争を起こせば損をする
 
名言
財が国境越えないときには兵士が超える(フレデリックバスティア)
 
^_^ これは貿易が戦争を抑えるということだろう。
 
引用
テロリストが勝てる唯一の方法は、被害者が過剰反応して市民の自由を破壊し、少数の行動についてある集団全体を糾弾する場合だけらしい。それをやるとまさにテロリストたちの求める紛争が掻き立てられ、それでテロリストのリクルートもしやすくなり戦闘も続けやすくなる。ページ148
 
^_^ イスラム過激派のテロを受けた政府がこれは戦争だと叫び事をあえて大きくし、イスラム全体を非難し、イスラム全体を敵に回す。すると、穏健だったイスラムの人々の中から新しいテロリストを生む。個人的にはマスコミはもう少し報道の仕方を考えるべきだと思う。
 
6 環境 最悪のシナリオは回避された
 
環境問題解決の方法は過去に戻ることではなくさらに技術を発展させることである。
 
7 識字能力 みんなが参加できるということ
 
8 自由 自分を所有するのは自分だけ
 
引用
スペインとポルトガルが1500年代にアメリカ大陸を支配すると、土着民は弾圧され奴隷にされた。だがこのやり口に対する勇敢な反対者もわずかながらいた。中でも最も有名なのは、スペインのドミニコ会修道士バルトロメ・デ・ラス・カサスだ。彼は土着民も自分自身についてや信念や財産の権利を持っていると主張した。これでラス・カサスは人権理論の初期の主張者となっている。
でも自分の生きた時代から逃れるのは難しい。生涯50年かけて奴隷制と戦ってきたラス・カサスすら、奴隷制のない世界がどう機能するか説明できなかった。インディアンたちを奴隷にする代わりに、アフリカの奴隷を輸入してアメリカの農場で働かせろ、とラス・カサスは主張している。彼は後でこの主張お悔やみ、アフリカ人たちにだってインディアンと同じ個人の権利を持つと結論づけたが、この恐ろしい制度はラス・カサスの死後300年も続いた。ページ202
 
 
^_^ 「自分の生きた時代から逃れるのは難しい」という言葉は重みがある。現代に生きる我々も、とても残虐な制度を今、存続させているのかもしれない。死刑制度、ベーシックインカムのない世界、子供を産んで数ヶ月で子供を他人に預けて母親が働きに行かなければ生活できない世界、家畜の飼育方法、ペットの新種作出などなど。将来、我々は未来人に野蛮といわれる可能性は十分にある。
逆に言えば過去の人々を現在の倫理で野蛮と蔑むのもあまりに愚かなことだ。たとえばあのリンカーンもインディアンに対しては現在の倫理からいえばとても残酷な政策を取っていたことは有名。それで彼を野蛮と呼ぶのは間違っている。
 
人物
ウィリアム・ロイド・ギャリソン
民主主義はかなり豊かな国での方が生き残りやすいと言うことだ。一人当たりGDPが年1500ドル以下だと、新生民主主義が挫折するリスクがずっと高い。ページ219
 
^_^ アフリカの貧しい国で西欧の介入により民主主義が導入されても、すぐに崩壊してしまう理由はこの辺にあるのだろう。まずある程度は豊かにその後民主主義が定着するということだろう。そう考えれば大国として独裁が残る唯一の国、中国の民主化以降はやがて穏便に行われると考えるのが妥当かもしれない。彼らは豊かになった。
 
 自由民主主義の発想と言うのは多数派が少数派を支配する権利を持つと言うことではなく、政府の権力が常に危険なものだから常に抑えられるべきと言うことなのだ。民主主義は多数派の意見(それが何であれ)を常に重視する手法ではなく、どんな集団でありそれが他の集団に与える損害を制約する手段だ。だからそれは放置、少数派の権利、強い市民組織と組み合わせる必要がある。民主主義は天国に導いてくれる存在ではなく、地獄に落ちないようにしてくれるものなのだ。ページ222
 
^_^ そう考えれば日本の憲法改革論議はおかしなことになっている。権力の側が憲法を改正しようとしていると言う事、憲法は権力を抑えるためのものであるから、国民の側から憲法の改正の声が上がり、それが行われるべきではないのだろうか。現場見るに、権力側が憲法改正しようとしていると言う事は憲法を強化しようとしていると言うよりも憲法を弱体化させようと言う力が働く可能性が大いにある。
 
9 平等 かつてないほどの寛容性
 
^_^ 先進国で出生率が下がっているのは産む生まないの判断を女性に与えたことによる。多くの女性は本来的に多産を望まないのだろう。
では出生率の低下を抑えるにはどうすれば良いか、それは社会が、男性が女性に対して出産に対してより多くのインセンティブを与えるしか方法は無いのではないだろうか?
出産し育児をしている家庭に対して小学校入学までは働かなくてもいいほどの経済的な援助を行ったり、男性の育児参加の促進も多少なりともその効果をもたらすのではないだろうか?
 
人物
ベアテ・シロタ
引用
第二次世界大戦後、ナチス強制収容所を生き延びた同性愛者たちの多くは再逮捕されて、ドイツの1871年同性愛禁止法に基づく刑期を最後まで務め上げさせられた。西ドイツ政府は、強制収容所に入れられた人々全員に賠償金を支払ったけれど、同姓愛者は除外した。ページ257

^_^ これで見るといかに同性愛者が差別されてきたかわかる。
 
ジェレミーベンサムは、1785年に同性愛を犯罪ではないとする論説を書いている。それが社会への脅威だと言う発想を否定し、それは被害者のいない犯罪だから、したがってそれを刑事犯罪と見るべきではないと述べた。この主題はあまりに微妙だったので、当時はこの論説は公表されなかった ページ259
 
^_^ この一文を見ても、ベンサムをもってしても同性愛者を擁護するのがどれだけ危険な行為であったかが分かる。自分の論説は正しいと思っていても、それを公表することでどのようなことになるかベンサムわかっていたのだろう。現代でいえば2次元のロリコン好きを擁護するようなものか。
 
10 次世代 進歩は受け継がれる
 
おわりに それでもみんなが納得するしないわけ
 
名言
邪悪な時代がやってきて、世界は置いて倹約となった。政治は腐敗した。子供たちはもはや親を尊敬しない(紀元前3800年チャルデアの石に刻まれた碑文)ページ286
 
名言
もしランダムな偶然に勝てないならそれを無知とは呼べない(ギャップマインダー財団)ページ288
 
^_^ それは無知とは言わず偏見と呼ぶのだろう。
 
名言
現在を批判するのはライバルや同時代人と競争する手段であるのに対し過去を褒めるのは過去が競争相手ではないので容易なのだ(トマス・ホッブス 17世紀の哲学者)ページ297
 
名言
過去も現在もほとんどあらゆる文化は、今の男女は両親やご先祖の基準に達していないと信じている。(アーサー・ハーマン 文化史家)ページ297
 
^_^ とにかく現在が最高で未来は恐らくもっと良くなる。
 
訳者解説
 
紹介書籍「環境危機をあおってはいけない」
環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態
 

 

紹介書籍「繁栄」
繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)

 
繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)