『一汁一菜でよいという提案』書評・目次・感想・評価
【著者・土井 善晴さんの気になる著書リスト】
土井善晴さんちの 名もないおかずの手帖 (講談社のお料理BOOK)
- 作者: 土井善晴
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/03/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 12回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
【『一汁一菜でよいという提案』目次と読書メモ】
一章「今、なぜ一汁一菜か」
人々は忙しすぎて、簡単な料理を恥じるようになったが、 日々の日常とはそういうものではなく、 日常の料理は一汁一菜で事足りる。
二章「暮らしの寸法」
紹介書籍「二重言語国家・日本」
要約
日本にはハレとケがあるが、ハレをケに持ち込み、 毎日料理はある程度豪華でなければならないという発想が、 台所に立つ人を苦しめている。
引用
現代の私たちの生活は、 まるでお公家様と庶民が一緒に暮らすようなアンバランスさを持っ ているのです。てのかかった暮らしに憧れ、 高価なものが良いと信じて、 一方で当たり前にやるべきことを嫌う。 そこに矛盾と無理が起こってきます。ページ29
^_^ 平等の意味を履き違えて誰もが無理してマスコミの提示するお金の かかる普通にたどり着き、維持しようと努力して時に苦しみ、 人生を傷つけてしまう。
引用
地に足のついた慎ましい生活と贅沢が均衡するところに、 日本人の幸せはあるように思います。ページ30
引用
今では外の仕事の方が重要視されるようになって、 暮らしがおろそかになっている。でも幸せは家の中、 暮らしの中にあるものと思います。ページ31
三章「毎日の食事の意味」
紹介書籍「体質と食物 健康への道」
毎日、料理して食べることこそが生きる柱になり得る。
引用
こうした味噌汁は毎回違う味になります。再現性はありませんし、 あまり美味しくならないこともありますが、 たまにびっくりするほど美味しくできることもあります。 そのうち、 おいしいとかまずいとかは大きな問題ではないことがわかります。 ページ57
^_^ 「おいしいとかまずいとかは大きな問題ではない」 と言ってしまうところに先生の凄いところがあると思う。 味噌汁は冒険だ!
引用
だし汁の代わりに、野菜を油で炒めた時も同じ効果があります。 先に炒めてから水を注ぎます。特にキャベツは効果的です。 ページ59
^_^ キャベツ炒めの味噌汁か!今度やってみよう。
引用
卵を入れるのであれば、 味噌を解いてから煮立ったところにそっと割り入れて、 火を弱めて好みの加減に3〜4分、火を通します。ページ59
引用
味噌の中では、塩分その他環境的条件から、 食中毒などを引き起こす細菌はほとんど生きられません。 o157といった大腸菌を埋め込んでも死滅するのです。 その力は驚くべきもので、歴史上、 味噌に関わる食中毒の報告例は一件もありません。ページ65
^_^ その塩分がちょっと問題なんだけどね。
四章「作る人と食べる人の関係」
名言
見返りを求めない家庭料理は、命を作る仕事(清水博 東京大学名誉教授)
要約
食べる人と作る人の関係が大事。
五章「おいしさの原点」
紹介書籍「火の賜物」
六章「和食を初期化する」
七章「一汁一菜からはじまる楽しみ」
引用
よそ行きのものよりも、毎日使うものを優先して、 大事にしてください。
^_^ 毎日触れるものにお金をかけるのが正しいのだろう。 よそ行きの服よりも毎日の服、お客さん用食器より、 家族が毎日使う食器。週一でしか乗らない車より、 毎日はく靴と持つカバン。
引用
いかがですか。欲しくなってきたでしょう。でも、 それだけを目的にして買いに行かないでください。 器との出会いを待つのです。 心に留めておいて求めている時間は楽しいものです。ページ151
^_^ これってとても大事な事だと思う。欲しい→買うではなく、 欲しい→出会いを待つ→買う。 この出会いを待つ間の楽しみってあると思うんです。
引用
子供の時、買ってもらった新しいお茶碗は、 すぐには下ろさないで、 お正月まで我慢することで楽しいことを待つと言う嬉しい時間があ りました。ページ152
^_^ これもありかもしれない。お正月まで待たなくても、 月初まで待つとか、仕事に一段落つくまで待つとか。 待つ喜びってあるよね。