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読書は孤独です。同じ本を読んだ人はコメントくれると嬉しいです。

『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? 』書評・目次・感想・評価

100点
41文字×18行×406ページ=299,628文字
図表や改行分を計算に入れて3/4を掛けると=224,721文字
日本人の平均的読書スピードを毎分600文字として375分
平均的な読者で
読了まで6時間15分程度

 この本の価値は計り知れない。さまざまな書籍に引用されているだけあって内容も濃く、役立つ情報も満載。
 特に大きな決断をしようとしているなら読んでおけば、専門家の言葉に踊らされることもないだろう。
 しかし、ここに書いてある事例はどれも興味深く、応用可能な部分も多いが、それを自分と自分の周辺に応用し、利用できるかはまた別の問題になる。
 常に手元に置いておいて、擦り切れるまで頭に叩き込むべき本なのかもしれない。
 そう言った点でも文庫化は嬉しい。

 

【『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』目次と読書メモ】


<<用例>>
太字 もくじの写し
要約 内容の要約(ただし恣意的です)
引用 気になった部分をメモとして引用しています(最後に引用ページを記載)
名言 気になった名言をピックアップしてメモ
小話 後で人に話したくなるような内容をメモ
^_^  一読者としての意見・感想(笑顔ですが読者の感情ではありません)

序論
 
紹介書籍「ブラック・スワンー不確実性とリスクの本質」

 

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質

 
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
 

 

第一部 二つのシステム
第1章 登場するキャラクター
ーシステム1 (速い思考)とシステム2(遅い思考)
 
紹介書籍「錯覚の科学」

 

錯覚の科学 (文春文庫)

錯覚の科学 (文春文庫)

 

 

第2章 注意と努力
ー衝動的で直感的なシステム1
 
第3章 怠け者のコントローラー
ー論理思考能力を備えたシステム2
 
第4章 連想マシン
ー私たちを誘導するプライム(先行刺激)
 
^_^ 老人を連想させる言葉を読ませただけで歩くスピードが低下したと言うなら、朝起きたら、楽しい単語の羅列を読ませるだけでその日1日もしくは読んでから一定期間、より幸福な時間を過ごすことができるのではないか?
 
引用
ただし、たまたまあなたが老人嫌いなら、話は別である。調査によれば、その場合にはあなたの動作は通常より速くなるはずだ。ページ100
 
^_^ イデオモーター効果か、、、となると左寄りの考えを持っている人が右よりの標語を見るとより左寄りになるということも生じ得るのではないか?
 
引用
連想ネットワークでは、双方向の関係は珍しくない。例えば楽しいと笑顔になるが笑顔になれば楽しくなる。ページ100
 
^_^ これを過剰に使うブラック居酒屋とかあるからなぁ。感情労働はツライ。
 
引用
お金を連想させるものは、いささか好ましくない効果をもたらす。ある実験の被験者はいくつかの単語のリストを魅せられ、それを使ってお金に関わる表現を作るように指示された(例えば「高い/デスク/額/サラリー」)。さらにもっと微妙なプライムとして、お金に関係あるものが室内に無造作に配置された。例えば、モノポリーで使うおもちゃのお金をテーブルの上に積んでおくとかコンピューターのスクリーンセイバーとして水に浮かぶドル紙幣の画像を使う、といった具合である。
すると、お金のプライムを受けた被験者は受けなかった時より自立性が高まったのである。
彼らは、難問を解くのにいつもの2倍もの時間粘り強く取り組んだ末に、ようやくヒントを求めた。これは、自律性が高まった顕著な証拠と言える。しかしその一方で、利己心も強まった。彼らは、他の学生(実はサクラで、与えられた課題がよくわからなかったふりをしている)の手助けをする時間を惜しんだ。また実験者が鉛筆の束を床に落としたとき、拾ってあげた本数が他の学生より少なかった。ページ102
 
^_^ この実験は初めて知った。プライミングの恐るべき効果に驚き。お金と言うプライムが個人主義の強化につながるというのは面白い。自立性が必要なら、お金のプライミングを利用し、また利己心を抑えたいならお金のプライミングを避けるべきなのだろう。ちょっと待て!すると銀行員や証券マンはいつもお金を意識している。という事は……。
 
紹介書籍「自分を知り、自分を変える」

 

自分を知り、自分を変える―適応的無意識の心理学

自分を知り、自分を変える―適応的無意識の心理学

 

 

 
第5章 認知容易性
ー慣れ親しんだものが好き
 
ありふれた考えをもったいぶった言葉で表現すると、知性が乏しく信憑性が低いとみなされることを示した。
文章をシンプルにした上で、覚えやすくするとなお良い。できるなら、韻文にすることがオススメだ。その方が真実と受け取られやすい。ページ117
 
^_^ 文章を書くならメモっておいた方がいい文章。
 
気分が良い時は人は直感力が上がっている、逆に機嫌が悪い時は論理に頼りがち。
 
^_^ つまり楽しい気分にさせて、直感的に金を使わせるセミナーは正しい(邪悪な)手法というわけか。
 
第6章 基準、驚き、因果関係
ーシステム1の素晴らしさと限界
 
第7章 結論に飛びつくマシン
ー自分が見たものがすべて
 
紹介書籍「明日の幸せを科学する」

 

明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

 

「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)

「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)

 

 

第8章 判断はこう下される
ーサムの頭の良さを身長に換算したら?
 
第9章 より簡単な質問に答える
ーターゲット質問とヒューリスティック質問
 
紹介書籍「いかにして問題をとくか」

 

いかにして問題をとくか

いかにして問題をとくか

 

 

第2部 ヒューリスティックとバイアス
第10章 少数の法則
ー統計に関する直感を疑え
 
要約
データを取るとき、サンプル数が少ないと、偏ったデータが出やすい。例えば希少な癌の発生率を各州ごとにデータを取ったとすると、人口の少ない地域で異様に高い発生率を示すことがある。それは人口の少ないデータはサンプル数が少ないのでちょっとしたデータの偏りで大きな変動を生んでしまうからである。サイコロを4つ振って、全部が1であるようなことは十分あり得る。しかし、サンプル数が少ないとそれだけでデータ全体の信頼性を破壊するような偏りとして出てしまう。
 
第11章 アンカー
ー数字による暗示
 
引用
何らかの数字が示されたら、それがどんなものでもアンカリング効果を及ぼすのだ、と肝に銘じることである。そしてかかっているものや金額が大きい場合には、なんとしてもシステム2を動員して、この効果を打ち消さなければならない。ページ228
 
第12章 利用可能性ヒューリスティック
ー手近な例には要注意
 
^_^ 2人で暮らしていて自分の方が数多くやっていると両方が思っていると言う事象について考えていたが、今回利用可能性バイアスに出会って納得がいった。人は自分がやった事はより強く印象に残りその結果自分のやった事を過大評価し相手のやったことを過小評価する。その結果2人の貢献度合わせると100%をはるかに超えるのだ。やれやれ。
 
^_^ 僕は寝る前に今日感謝すべきことを10考えることにしていたのだが、結構考えるのに苦労していた。これでは利用可能性バイアスのせいで、せっかくの感謝すべき気持ちを削り取ってしまう効果を生じさせていたようだ。もう少し減らして3か、5程度にして簡単に思い出せるようにし、利用可能性バイアスを良い方向に活用したい。それにしても自分の欲しい車の良いところを10個あげるような作業でも、なかなか思い出せず苦労するとその車に対する評価が下がると言うのは非常に面白い。絶対に覚えておきたいバイアスだ。
 
第13章 利用可能性、感情、リスク
専門家と一般市民の意見が対立したとき
 
第14章 トム・Wの専攻
ー「代表性」と「基準率」
 
紹介書籍「マネー・ボール」  
第15章 リンダ
ー「もっともらしさ」による錯誤
 
リンダ問題
リンダという架空の人物において、過去に運動家であったという設定を見せられると人は銀行員であるよりも、フェミニストの銀行員であるという可能性が高いと錯誤する。銀行員の中にはフェミニストの銀行員も含まれるのだから明らかに誤りだ。人はもっともらしいストーリーに引き寄せられる。
 
^_^ ティーセットを売るときに余計な破損品が入っているとセット全体の評価を落とし、例え、明らかにお得なセットでも売値が下がるとのこと。これはネットで、物を売るときには注意しないといけないかも。安っぽいおまけをつけると逆に売値が下がるのだから。
 
第16章 原因と統計
ー驚くべき事実と驚くべき事例
 
^_^ ベイズ推定について勉強しよう
 
引用
被験者は全体から個を推論することには不熱心だが、まさにそれと釣り合うように、個から全体を推論することには熱心である。ページ308
 
^_^ 心理学的な事例を学んでも、自分や自分の周りに関してそれが適用すると考えなければ、学ぶ意味は無い。
 
第17章 平均への回帰
ー褒めても叱っても結果は同じ
 
紹介書籍「行動意思決定論ーバイアスの罠」

 

行動意思決定論―バイアスの罠

行動意思決定論―バイアスの罠

 

 

上手く言った時は次回はそれより上手くいかない可能性が高い。つまり褒めると次回はダメになる可能性が高い。
失敗した時は次回はそれよりも上手くいく可能性が高い。つまり、失敗した時に叱ると次回上手くいくことが多い。これが平均への回帰の闇深い罠である。
 
^_^ つまり経営状態がすこぶる悪くなった会社の株を買っとくと儲かるかもね。次回は平均に回帰するとして。
 
第18章 直感的予測の修正
ーバイアスを取り除くには
 
第3部 自信過剰
第19章 わかったつもり
ー後知恵とハロー効果
 
^_^ 日本の近現代史にも後知恵バイアスが強く作用していることが見える。日露戦争も一歩間違えば敗戦の憂き目にあっていたにもかかわらず、運良く勝利したことになっているため、戦争指導者たちは選択は正しかったとされている。しかし、彼らは間違いなく国に危険なギャンブルをさせたことには変わりない。それは責められるべきではないのか?
一方で太平洋戦争の指導者は敗北したために、同じように国を危険にさらし、さらに運悪く負けたため、その選択の数々を非難され続けている。例えば当初の予定通り半年で講和に至ったり、逆に本土決戦でベトナム化してアメリカ軍を本土から撤退させていたならば、彼らは英雄視されていただろう。
そう考えれば日露戦争の指導者も、太平洋戦争の指導者も、現代、言われているほど大きな差はないのではないだろうか?一方は勝ち、一方は負けたという後知恵バイアスが彼らの差を必要以上に大きく見せているのだろう。
 
辣腕経営者が企業業績を良くする評伝的ビジネス書は多いが、経営者の能力と業績の相関は30%程度だろう。つまり、業績が良くなる確率が50%が、60%程度に上がるだけである。それでも実際にすごい効果だが、ビジネス書ではそんな内容は求められず事実とは違って経営者の能力によって企業に成功がもたらされ、失敗に陥るという、わかりやすい物語が提供される。

紹介書籍「なぜビジネス書は間違うのか」

 

なぜビジネス書は間違うのか

なぜビジネス書は間違うのか

 

 


紹介書籍「ビジョナリー・カンパニー」

 

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

 

 

紹介書籍「エクセレント・カンパニー」

 

エクセレント・カンパニー (Eijipress business classics)

エクセレント・カンパニー (Eijipress business classics)

 

 

ビジネス書の傑作と言われる上記の書に書かれ比較された二社の業績の差は縮まり今はゼロに近づいている。なぜか、平均への回帰である。ビジネス書は運の要素をあまりにも軽視し、経営者の手腕を過大評価しすぎている。なぜなら、読者がそれを求めるからである。
 
^_^ いやぁ。読めば読むほど、読まなくていい本がわかるっていいね。
 
第20章 妥当性の錯覚
ー自信は当てにならない
 
必要なのは、不確実性の存在を認め、重大に受け止めることである。自信を高らかに表明するのは、頭の中で辻褄の合うストーリーを作りました、と宣言するのと同じことであって、そのストーリーが真実だと言うことにはならない。ページ372
 
紹介書籍「ウォール街のランダム・ウォーカーー株式投資の不滅の真理」

 

 

紹介書籍「ハリネズミと狐ー「戦争と平和」の歴史哲学」

 

 

第21章 直感対アルゴリズム
ー専門家の判断は統計より劣る
 
紹介書籍「あなたはなぜチェックリストを使わないのか?重大な局面で“正しい決断“をする方法」

 

アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】

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熟練した人でも長期予測が難しい理由はなんといってもフィードバックがないからである。短期の予測ならフィードバックを得て経験とすることができるのに

【著者・ダニエル・カーネマンさんの気になる著書リスト】

 

ダニエル・カーネマン心理と経済を語る

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