『堀潤の伝える人になろう講座』書評・目次・感想・評価

[読みやすさ 9/10] 伝えることにこだわった本なのでとても読みやすい。 
[何度も読む 7/10] スマホ動画撮影時の持ち方などは覚えておきたい。 
[読後感 8/10] 読み終わると自分の中に伝えたい事がないか探してしまう。 
[学び 8/10] 伝えることについて大切で基本的な事が学べる。 
[斬新さ 8/10] マスコミでない人向けの報道マニュアルという斬新さ。 

【Q1】どんな人にオススメ?

  ツイッターやブログ、フェイスブックをはじめとするSNSをやっているあなたや、始めようと考えているあなた。マスコミも信用できない、ネットも信用できない、ではどうやってニュースを読み、ニュースを考えればいいのか、わからなくなってきているあなた。発信する側に立つとニュースの本質が見えてくる。

【Q2】この本の弱みは?

  あえて言うなら浅いこと。できればもっと踏み込んで欲しかった。堀潤さんの炎上の実例や、ネット報道などに否定的なマスコミ関係者との対談などがあったら、もっと読み応えのある一冊になったのにと思います。

【Q3】この本の強みは?

  まず読みやすいこと。スマホでの動画の取り方などの実践的な内容に加えて、起承転結、小さな主語、オピニオンよりファクトというネット報道のベースとなりうる思想的なよりどころを示したことでネット報道の技術と思想の両面を支えようとしたこと。

堀潤の伝える人になろう講座

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【『堀潤の伝える人になろう講座』目次と読書メモ】

1.メディアはそもそも「フェイク」をはらんでいる
 
 炎上が起こるのは主語が大きいから。例えば「被災地は今も震災の被害に苦しんでいる」は主語が大きすぎるので「もう復興している」「風評被害だ」などの批判を呼ぶ。
 もっと○○町は○○さんはと主語を小さくすれば炎上が起こりにくい。
 中立とは極論を理解して議論を続けること。
 両論併記して終わりの現在のマスコミのやり方はどうなのだろう。
 情報を得た時は全体の一部のパーツを手に入れたと考えるべき。
 全パーツが揃うことは少ないがそのような姿勢がフェイクニュースに踊らされる可能性を下げる。
 結論は今は私はこう思うで、以降は変わる可能性もある。で、良い。
 何年も同じテーマを追い続けることはそれだけでも大きな価値がある。
 マスコミの多くはその時々で取り上げるだけの傾向が強いので余計に。
 
!主語の問題はいつも思っていた。我々が北朝鮮を批判する時は北朝鮮はという主語を用いているが、北朝鮮側の談話は大抵、日本の指導部はとか、一部の扇動的集団がなどと日本全体を非難することはあまりなかった気がする。
結論に関しては今はこう思うという書き方は正しいと思う!
 
2.個人とメディアの「情報のリレー」がちょっとよい社会を作る
 
 災害時、現場にいる個人の一次情報は大きな価値がある。
 それをメディアに繋ぐことで事態を動かすことができる。
 避難所の物資の偏りなどのニュースになりにくい情報もファクトを蓄積し発信できる。
 マスコミはどうしても大きなニュースになりやすい死者に群がりやすい。
 地元の情報を発信する恵比寿新聞というメディアがある。

ebisufan.com


 半径2キロ程度の範囲の情報を丁寧に扱う。
 市民が発信するオーマイニュースはオピニオンvsオピニオンで収拾がつかなくなり閉鎖してしまった。
 大事なのはオピニオン(意見)よりファクト(事実)
 
!オピニオンよりファクトって言うのは確かに。オピニオンvsオピニオンは収拾つかないもんな!
 
3.伝えるスキル基本編
 
 バランスとしてはオピニオン20%、ファクト80%程度がいいバランスだと思う。
 記事は起承転結の転を大事にしてほしい。
 起承結になっている記事も多い。
 ○○と思っていました。ところが、、、ってな感じ。
 ネット上も現実世界と同じでマナーを守らなければならない。
 
!オピニオン20%は参考になる。すぐに自分もオピニオンに走りすぎるところがある。転を重視も、自分のブログ記事も確認してみよう!
 
4.伝えるスキル応用編
 
 ファクトを伝えるためには動画がオススメ。
 スマホの機能は高く、スマホがオススメ。持ち方は人差し指と薬指で挟んで中指で支えて、親指で操作。
 パーンするときは腰を回す。
 明るさはやや暗めで。明るくしすぎると質感が伝わらない。
 インタビューは相手と高さを合わせる。
 上からは良くない。
 シンメトリーは緊張感を生む。
 アンシンメトリーは遊びや弛緩。
 意図を持って行うべし。
 スマホは音が良くないので是非、マイクを買うといい。
 ロングアップはロングを連続させるとぼんやりとした印象になるので注意。
 起承転結の転は大事、意識して入れよう。
 
スマホの持ち方は練習しないと難しい?!
 
5.メディアの多様性が社会を豊かにする
 
 反対意見は自分の持っていない意見だから、陳列棚に並べておこう。
 ヘイトやらは捨てておけ。
 みんな想像上の巨人と戦っている。
 主語を小さく。
 問題に対して、日本は?政府は?企業は?そしてあなたは?
 
!反対意見は陳列棚に並べておけは良い!
 
鼎談 伝える人になるってどんなこと?
 
オピニオンよりもファクトを
意見よりも事実を届ける意識。
小さな主語
主語を小さくすることで余計な炎上を避けられる。
そして、その問題に対して自分はどうするんだ?あなたはどうする?とリアルな自分ごとになる。
優しい革命。
恵比寿に地元食堂を作った。都市開発は人々の関係性を希薄にするが、都市開発反対を叫ぶのもありだか、自分として何ができるのかの答えが地元食堂。
孤立した若いお母さんが駆け込んできた。子供の食堂ではそうはいかなかった。
 
!優しい革命という言葉は気に入った。政府はどうする?国はどうすべきだ!そんな意見をみんなが戦わせるが、じゃあ、あなたはどうするんだ?というのが優しい革命だと思う。実際に行われている。環境破壊に反対して車に乗らずに自転車に乗るとか、ある企業のやり方が気に入らなければ自分はその企業の商品を避ける。それもひっそりと。声高に叫ぶばかりの人よりはその方が私は信頼できる。優しい革命とは最小の主語である自分でできる何がなのだろう!
 
90点
読了まで2時間
 
堀潤の伝える人になろう講座

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