人工知能とベーシックインカムの世界に生きる人間の条件とは?『AIとBIはいかに人間を変えるのか』書評・目次・感想・評価
95点
読了まで3時間
【Q1】どんな人に薦めたい?
AI(人口知能)だ、BI(ベーシックインカム)だというが、それがどのように世の中を変えるのか、どのように備えればいいのか、知りたいあなた。
AI(人口知能)とBI(ベーシックインカム)の関係性をリンクさせて学びたいあなた。
BI(ベーシックインカム)なんて、怠け者を作るだけで国を衰退させると思い込んでいるあなた。
【Q2】読みやすい?
タイトルから専門的知識が必要な本だと思われそうだが、特に予備知識が無くても基本からわかりやすく書かれている。
【Q3】何度も読みたい?
【Q4】立ち読みするならどこがお勧め?
面白い本なので、是非買って全部読んでもらいたいが、あえて言うなら、第3章の「第2節 AI+BIの世界で人間はどう生きるか」。
【Q5】この本の弱みは?
BI(ベーシックインカム)は今の日本に必要な制度なんだけど、導入はまず無理だろうなぁという思いが行間から読み取れる。
様々な障害を突破する強力なアイデアが今後は求められるのだろう。
【Q6】この本の強みは?
【『AIとBIはいかに人間を変えるのか』目次】
第1章 AI 人工知能とは
第1節 AIとは AIの発展の歴史
第2節 AIと人間
第2章 BI(ベーシックインカム)の仕組みと効用
第1節 BIの仕組みとメリット
第2節 BIの実現可能性
第3節 民主主義・資本主義とBI
第3章 AI+BIの世界で人間はどう生きるのか
第1節 AI+BIかもたらす新しいステージ
第2節 AI+BIの世界で人間はどう生きるか
【『AIとBIはいかに人間を変えるのか』極個人的読書メモ】
第1章 AI 人工知能とは
第1節 AIとは AIの発展の歴史
今回の人工知能ブームは第三次。
しかし、ハードウェアの発展はまだ人の脳に追いついていないし、 エネルギー効率はとても人間には追いつけていない。 碁などもボクシングのように消費エネルギー別に階級わけすれば人 間の圧勝になると言われている。
特化型AIは弱いAI、汎用型AIは強いAIと言われる。 今あるのは弱いAI。2001年宇宙の旅のHALは強いAI。
! シンギュラリティは起きないと思っている人工知能専門学者もいる が、量子コンピュータ実用化や、脳科学での新事実の発見など、 他分野でブレイクスルーが起きて人工知能開発に投入されれば彼ら の予測を上回ることも起きうるのではないだろうか?!
第2節 AIと人間
事務処理や簡易なプログラムなどはAIに取って代わられるだろう 。
創造の点でもAIは人間には追いつけないだろう。
機械がいかにパワフルになっても、 操作などは人間が持っているようにAIに関しても権限や責任は人 間が持つことでなりたつだろう。
!この部分に置いてはぼくは著者と意見を異にする。
介護などの下の世話は介護を受ける側からすれば機械にやってもら ったほうがずっといいし、 看護もAIでほとんどのパターンの対応ができると思う。
人間がやるとしたら気晴らしに馬鹿話を聞くとか、 そういうことなのかもしれない。 特に人間と話したいと思う人には。
AIには不備もあるだろうが、ユーザーが育てるものとすれば、 多少の会話の齟齬はユーザー側がゆるすし、 学習機能でユーザーよりにカスタマイズされるのだから、 こちらのほうがいいに決まっている。
創造もAIに勝つだの負けるだのではなく、 やりたいからやるだけだろう。 今まではお金を代替に作品を提供していたが、 今後はやりたい人が絵を描き、小説を書き、入院患者と話し、 老人と食事をするようになるだけだろう。 AIの方がいい作品を出す? だからどうしたやりたくてやってんだ、でいいと思う。!
第2章 BI(ベーシックインカム)の仕組みと効用
第1節 BIの仕組みとメリット
生活保護は受給権利がある800万人に支給されていない。
不正受給は0.4% なのにその対策に多くの恣意的判断と門前払が繰り返されている。
生活保護は支給にコストがかかり過ぎている。 BIは全国民に支給されるので支給コストが低い。
生活保護だけでなく、失業保険等も不要となるので、 企業に取ってもメリットは大きい。
第2節 BIの実現可能性
!著者はBIの導入の可能性を指摘しているが、 ぼくとしては少なくとも日本に導入されるのは世界中でBIが導入 されて、成功例が相当積み上げられてから、 貧富の差が劇的になり、 生活困窮者の暴動が頻発してからだと思う。残念ながら。 年金を廃止するので、 BIより多くの年金を受給する予定だった厚生年金組の老人たちは 死に物狂いで反対するだろうし。 その頃に日本にBIを導入する体力がまだ残っていればいいのだが 、、、。まずは北欧あたりの小国で導入され、 その成果を見てみることになるだろう。 日本は実験台になるには大きすぎるのだ。 たとえば沖縄あたりの一自治体で導入できればいいのだが、 自治体の権限が少ない日本では無理だろう。
ぼくはBI賛成派なので是非日本では導入して欲しいが難しいどこ ろか、無理だと思う。 それでもとなればBI導入賛成派のひろゆきなどがネットテレビで 若い人たちに訴えるなどが考えられるが、、、 やはり大手マスコミ次第だろう。
とてつもない不況なんかもそのトリガーになるかも知れない。 どちらにしても一旦、 敗戦並みの出来事が起きないと日本に導入は厳しいと思う。
まぁ、自分が国民年金をもらえるようになる方が早いだろう。 !
第3節 民主主義・資本主義とBI
日本はこの15年、ほとんど経済成長していない。 日本は資産価値1億以上のお金持ちの割合が最も大きな国であり、 その人数もアメリカに次いで2位である。
一方、ジニ係数も危険水域に近づいており、 先進国では一番危険な状態にあると言える。
解決方法としてアメリカのように経済ダイナミズムよる資産の増加 、つまりパイの増加に頼ったり、 ヨーロッパのように社会福祉の拡充をはかる手があるが、 高齢化の進んだ日本はヨーロッパ寄りの手を使う方がいいだろう。
格差が広がると社会的な不安が増大し、 富裕層にも不安感がおしよせる。
社会不安が増大し、民主主義すら崩壊の危機に陥るだろう。
!今、思いついたんだが、生活保護用件を満たすも、 生活保護を受けていない人々を共産党あたりが800万人を動員し て弁護士付きで生活保護を受けさせれば、 政府が財政破綻の恐怖からBIの導入を考えるかも知れない。 しかも、この方法は合法だしどうだろう、 いやむしろ過払い金のように食えない弁護士が貴方も生活保護が受 けられますっててれびCMをバンバンやって、、、なんて!
第3章 AI+BIの世界で人間はどう生きるのか
第1節 AI+BIかもたらす新しいステージ
AIで人類は圧倒的な生産性の向上に直面するだろう。 ほとんどと言っていいほどの仕事がAIに代替されるので労働者は 必要なく、資本家とAIがあれば生産できるようになるだろう。 しかし、そこで資本家がすべてを支配するとディストピアになる。 生産しても資本家以外は購買力がないからだ。 そこですべての人に購買力を与えるBIが必要になってくる。
人々は労働から解放され食うためではない人間としての活動ができ る新しい時代に立てるのだ。
働かざるもの食うべからずは産業革命以前は実際に生産は食べる分 ギリギリであった為、当然のことであった。産業革命以後は、 ギリギリまで資本家や国家としては働かせることにメリットがあっ たのでそれは維持された。しかし、それももう不要なのだ。
社会主義国が失敗したのは計画経済とし、 神の見えざる手を使わなかったからで、BIとは違う。
第2節 AI+BIの世界で人間はどう生きるか
AI+BIの時代になると、人間は「 自分のやりたいことを見つける能力」が必要になる。
やりたいことを見つけるには修練が必要。
AI+BIの時代に必要なのは修練。
! あとがきで著者は働かざるもの食うべからずの規範は壊れたら痛快 だ、それに貢献できたらと述べていた。全く同感。 ぼくも貢献したい。 絶対面白い世界がやってくると思うんだけどなぁ!