5章 買い物編06 値引きに弱いという弱点

 何しろ、月額6万5千円で生活しているので、売る側の売り文句には強い耐性を持っています。

 

 新製品が"良い"と言われれば、今までの旧製品は"良くなかったのか"と考えるし、現実問題として、大抵、旧製品と大して変わらない。

 

 しかし、値引きには弱い。

 

 ぼくクラスのプロの貧乏人になると、スーパーに行っても、値引きシールが貼ってあるものしか目に入らない。

 

 もちろん、値引きシールの貼っていないモノも買う場合があるので、自分の中のスイッチを入れると、値引きされていないモノは意識に上らないようになるのです。

 

 逆に値引きには敏感で、20%や30%までは無視もできるが、半額のシールが貼ってあると、それを買わない理由を考えなければ、その場を離れられないのです。

 

 コロッケが半額なら「これは油ものだから、あとあと肥満や糖尿病という高い代償を払うことになるぞ」

 

 シュークリームが半額なら「これも、あとあと・・・しかし、我慢しすぎるのも、ストレスは非常に体に悪い、嫁に聞いて嫁が食べると言ったら買おう」

 

 カレールーが半額なら「賞味期限を確認しろ、何?来年までいける?しかし、我が家には半額のカレールーが5箱はある」

 

 しかし、かごに入れて嫁のところに持っていくと「我が家にはカレールーが10箱はあります、インド人じゃあるまいし」と言われ、しぶしぶ棚に戻すのです。

 

 もはや半額のモノを買わないことで自分が損するのではないかという妄想に取りつかれつつあるなぁと思いつつ、それでも買い物を楽しめているのでそれでよし、という月額6万5千円生活なのです。