『Think clearly シンク・クリアリー』

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法

Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生を送るための思考法
 

 

はじめに

1 考えるより、行動しよう−「思考の飽和点」に達する前に始める

 

何を書くかと言うアイディアは、「考えている時」にではなく、「書いている最中」に浮かぶと言うことだ。ページ23

 

^_^ まぁ、そういう面もあるかな。

 

2 なんでも柔軟に修正しよう

 

早いうちに軌道修正をした人は、長い時間をかけて完璧な条件設定を作り上げ、計画がうまくいくのをいたずらに待ち続ける人より得るものが大きい。ページ35

 

^_^ 完璧な計画より、臨機応変の才ということか。

 

3 大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう

 

この37とは、応募者数である105、数学定数e(= 2.718)であって求めた数である。ページ38

 

数多のスポーツや作家の中からお気に入りを見つけだしたり、人生のパートナーや住む場所や楽器が夏休みを過ごす場所は選び出したり、自分に最適なキャリアや職業や専門分野を決めたりするときは、まず短期間にたくさんの選択肢を試してみたほうがいい。
興味があるものだけに限らず、できるだけたくさんのものを試してから、最終的な判断を下すのだ。どんな選択肢があるか、全体像を掴む前に1つを選び取ってしまうのでは、早計すぎる。ページ39

 

^_^ 住む場所や嗜む楽器や趣味、そして仕事も。人生は長くなる一方なのだから色々試してみるべきだろう。パートナーも?

 

4 支払いを先にしよう

 

良い人生を送れるかどうかは、「事実を前向きに解釈できるかどうか」で決まることが多いのである。ページ46

 

「ピーク・エンドの法則」と呼んでいる法則がある。私たちの旅行に出かけたときの記憶に残るのは、その度の「ピーク」と「終わり」だけで、残りは忘れ去られてしまう、と言う法則だ。ページ46

 

^_^ 辛いことは先にということか。

 

お金より、ストレスの方を節約することにしたからだ。ページ48

 

^_^ この考え方が僕には必要かもしれないなぁ。

 

失った時間とお金は取り戻せないが、起きた出来事の解釈の仕方を変えることができる。ページ51

 

5 簡単に頼み事に応じるのはやめよう

 

頼み事をされたときには、その無理な要求を検討する時間は、きっかり5秒間。ページ58

 

^_^ これは僕には難しそうだ。

 

6 戦略的に「頑固」になろう

 

ウォーレン・バフェットは、「事後交渉は受け付けない主義」だと言う。バフェットに会社を売却したければ、チャンスは1度。売主は、いちどしか売却価格を提示できないのだ。
バフェットはその提示価格に基づいて、会社を買い取るかどうか決める。その価格をバフェットが高すぎると判断としたとしても、売主の価格を下げて再交渉する余地は無い。いちどこまれたらそれで終わり。バフェットは主義を曲げないと言う評判を築き上げ、それによって確実に最初から最高の条件を提示され、違いが折り合えるポイントを探して時間を無駄にするということがなくなった。ページ65

 

妥協しないで、自分の制約を守り通そう。制約を100%全うすることが、そのうちの99%だけを実行するよりも、実は優しいのだ。ページ66

 

^_^ 確かに。そういう面は大いにある。

 

7 好ましくない現実こそ受け入れよう。

 

^_^ 人生にフライトレコーダー。

 

8 必要なテクノロジー以外は持たない

 

正確には、車の購入日を稼ぐための労働時間とか、車の保険料や維持費とか、ガソリン代とか、交通違反の罰金を支払うために必要な労働時間も考慮に入れ、この両方の労働時間と渋滞時間の合計を走行時間に加える必要がある。元カトリック新婦の社会評価、1番・リーチは、まさにこの方法を使って、アメリカにおける様々な車の「平均速度」を算出した。その結果、あるアメリカ車の平均速度は「たったの6キロ」程度だった。つまり歩く速度が変わらなかったのだ。

 

^_^ つまりテクノロジーは素晴らしいが、そこには反生産性が潜んでいるということだ。付き合い方を誤ると逆に損をする。歩いた方が健康にもいい。

 

9 幸せを台無しにするような要因を取り除こう

 

「ダウンサイドを避ける」のが何よりも重要だと言うことだ。投資をする際、バフェットとマンガ―は、アップサイドに目を向ける前に何を避けるべきか−つまり、何をすべきでないか、マイナスがどこにあるか気を配ると言う。
バフェットはこんなことを言っている。「私たちは、ビジネスにおける難問の解決法を見つけたわけではない。難問を避けたほうがいいと気づいただけだ」。

 

^_^ 人生のアップサイドは人それぞれだが、人生のダウンサイドは明確になっている。

 

良い人生は、究極の幸せを求めた結果として得られるものではない。馬鹿げたことや愚かな行為を避け、時代の風潮に流されなければ、人生はおのずとうまくいく。「何を手に入れたか」で人生の豊かさが決まるわけではない。「何を避けるか」が大事なのだ。ページ87

 

^_^ 人生において避けるべきものとは?

 

10 謙虚さを心がけよう

 

あなたが手に入れた成功のうち、あなたの個人的な成果が占める割合はどれくらいだろうか?
そう、正しくは「0%」。あなたの成功は、本質的に、あなたが何も、本当に何一つ影響を及ぼせないことに基づいて成り立っている。ページ94

 

^_^ 確かにそれが現実だ。ぼくは幸運なだけなのだ。

 

11 自分の感情に従うのはやめよう

 

「感情」の代わりにあなたが分析しなければならないのは、あなたの「過去」だ。
あなたの人生に繰り返し起こる出来事はなんだろう?出来事が起きた経緯を後付けで解釈するのではなく、起きた出来事そのものに注目して分析すれば、自分を知る手がかりになるはずだ。ページ99

 

^_^ そう考えると自分は飽きっぽく、怠け者で、内向的。

 

自分の感情分析がうまくいかない、2つ目の理由は、あなた以外にあなたの心の決定権を持つ人がいないからだ。
心の中で自分がどんな感情持っていると判断しようが、それに異を唱える人が誰もいない。その時に自分が唯一の権力者でいるのはとても心地良いが、修正機能が働かないために的確な自己分析などできない。ページ100

 

^_^ 確かに正解が与えられない問題をいくら解いても進歩はない。そこに修正がないからだ。

 

私は自分のことを、「感情と言うありとあらゆる種類の鳥たちが飛んできては去っていく、開けていて風通しの良い屋内市場」のように捉えているのだ。ページ102

 

^_^ これは面白い発想だ。自分の感情と常に距離が取れる。

 

「周りの人の感情」は常に真剣に受け止めるべきだが、「自分の感情」とは真面目に向き合う必要は無い。自分の感情は、あたりを羽ばたかせておけば良い。どのみち、感情と言うものは、自由気ままに行ったり来たりを繰り返すものなのだから。ページ103

 

^_^ 自分の感情ここまで決して良いものなのか少し不安になる。

 

12 本音を出しすぎないようにしよう

 

アイゼンハワーのようにこうした「2番目の人格」を作り上げることをお勧めしたい。それには、本音を出しすぎず、約束したことを守り、あなた自身の心情に従った行動とれば十分。それ以外の事は、他人からほとんど注目されない。ページ110

 

^_^ 意識と覚悟を持って外面を作るということか?

 

13 物事を全体的に捉えよう

 

^_^ 判断をするときはフォーカスレンズではなく、広角レンズで。

 

14 買い物は控えめにしよう

 

たとえ大金が稼げても、喜びをもたらさない仕事に就くのは馬鹿げている。稼いだ多額のお金を、何かの経験することにではなくものに投資している場合はなおさらだ。
ウォーレン・バフェットはこんな風に言っている。「胃がいたくなるような人たちのために働くのは、お金のために結婚するようなものだ。どんな理由があろうとそれは惨めな行為だが、すでに裕福な人間がそんなことをするのは全く愚かしいとしか言いようがない」。ページ126

 

^_^ ぼくは日本に生まれたというだけでもう十分裕福だと思っている。

 

私たちは「モノ」が与えてくれる幸せの効果を過大評価し、「経験」が与えてくれる幸せの効果を過小評価している。ページ127 

 

^_^ モノより経験。

 

15 貯蓄をしよう

 

限界効用低減の法則
消費する水が増えるごとに水に予定得られる満足感を小さくなっていき、一定を過ぎると満足感は全く得られなくなってしまう

 

イースターリンのパラドックス
基本的な需要が満たされてさえいれば、生活がより豊かになっても幸福度は変わらない

 

あなたの所得が貧困ラインを越えて金銭的な余裕ができたら、良い人生を手に入れられるかどうかは「お金以外の要素」で決まる。ページ135

 

16 自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう

 

「能力の輪」の内側と外側の能力差には、1000倍もの開きがあるのだ。ページ142

 

^_^ そもそも自分の「能力の輪」がどこにあるのかわからない。

 

1つでも素晴らしい能力があれば、欠点がいくつあろうと帳消しになる。ページ143 

 

 

17 静かな生活を大事にしよう

 

せわしなく動き回るのを控え、何事にも落ち着いて、長期的に取り組むこと ページ151

 

18 天職を追い求めるのはやめよう

 

ヒトラーも間違いなく「天の声」に従った1人だし、ナポレオンも、スターリンも、ウサマ・ビンラディンもそうだろう。道義的に考えても、「天の声」は有意義なものとは言えそうにない。ページ158

 

実際の自分の能力に基づいて仕事を選んだ方が良い。幸い、「得意なもの」と「好きなもの」は同じであることが多い。もう一つ重要なのは、あなたの才能を他の人々が「高く評価してくれること」だ。そうであればあなたの生活の糧を得られる。ページ159

 

^_^ うむむ。自分にとってそれはなんだろう?

 

19 SNSの評価から離れよう

 

ウォーレン・バフェットは、同じ位との質問を、こんな風に表現している。世界一素晴らしい恋人なのに、他人からひどい恋人と思われるほうがいいか、それとも、実はひどい恋人なのに、他人からは世界一の恋人だと思われる方がいいか?ページ162

 

バフェットはさらに「内なるスコアカード」と「外のスコアカード」の違い、と言う言い方をしている。分かりやすく言えば、「自分の内側にある自分自身の基準が大事か、それとも周りの人の基準が大事か」と言うことである。ページ163 

 

世間の人々は、あなたについて好き勝手なことを書き、ツイートし、投稿する。あなたに隠れてヒソヒソ話をしたり、噂話をしたりする。あなたは極端に褒めあげたり、ひどい厄介ごとに巻き込んだりもする。どれも、あなたには全くコントロールできないことばかり。だが幸いなことに、コントロールする必要もないのだ。ページ166

 

^_^ 狩猟採集生活の余波はこんなところにもあるのか。狩猟採集生活では村での自分の評判は死活問題だった。しかし、今は違う人に一部の人に嫌われても生きていける。

 

20 自分と波長の合う相手を選ぼう

 

歴史の終わり幻想
人間は過去を振り返ると自分の性格や価値観は変わったと思うのに、未来を考えると将来の自分の性格や価値観は変わらないと思い込んでいる。

 

最も効果が期待できるのは、「あなたが、自分自身の性格を、あなたが慕っている人に近づくように意識すること」だ。ページ172

 

^_^ うーん。誰かなぁ。仏陀w

 

私が最も大事にしているルールの1つに「誰かの性格を変えなければならないような状況を避ける」というのがある。ページ173

 

^_^ これは、重いなぁ。その中には兄弟、親なんかもいるからなぁ。パートナーは変えるチャンスはあるが。

 

どんなに多額の利益が見込める場合でも、自分と波長の合わない人たちとはビジネスをしない。そこで働く人たちの考え方やものの見方を変えなければならないような組織の運営も、引き受けないことにしている。ページ173

 

^_^ この考え方を変えるようなことをプロジェクトXとかは取り上げていたのだが、うまくいくのはテレビ番組になるぐらいレアだということだろう。

 

アメリカのサウスウエスト航空は、すでに創業時に「者の気質に合う人を雇い、スキルはトレーニングで身に付けさせる」と言う企業理念を社旗に書き込んでいる。ページ173

 

好感があって、信頼のおける相手としか、仕事をしてはならない ページ174 

 

信頼できる相手とだけ付き合って、それ以外の人間は全て追い払ってしまえば、とても快適になる。賢い人間は害虫みたいな奴らからは距離を置くものだ。そーゆー連中は大勢いるがね。チャーリー・マンガー ページ174

 

^_^ 教訓としては泥棒や詐欺師とは付き合わないということか。厳しい教訓ではある。人の性格は変えられない。そんなものは宗教家やカウンセラーにでも任せておけということか。

 

21 目標を立てよう

 

「幸福度の高さ」は「所得の高さ」によるものではないのだ。というのも、経済的な成功人生の目標にしていなかった人たちの場合には、所得の高さは人生の幸福度にほとんど影響与えていなかった。
つまり、人が幸せを感じるかどうかは所得の額によって決まるのではなく、目標達成できたかどうかで決まるのである。人生の目標がお金以外の場合でも、同じような傾向が確認されている。ページ180

 

^_^ 自分の人生の目標はなんにしようか?長生きならどうだろう。老後はずっと幸せでいられる。何せ人生の目標をずっと達成中なわけだから。

 

大事なのは、少しでも早くどこかにたどり着くことではない。自分がどこに向かっているのかをきちんと把握しておくことだ。ページ182

 

^_^ ぼくはどこに向かおう?長生き?本を書くこと?毎日、今日も幸せだったと思って寝ること?


22 思い出作りよりも、今を大切にしよう

 

体験する出来事の「長さ」さえ、脳の認識には影響与えない。実験の長さは60秒でも、90秒でも学生たちの答えは変わらなかった。どんな出来事の記憶に対しても、時間の長さ意味を持たないのだ。旅行に出かけた期間が1週間だろうと3週間だろうと、旅行の思い出に差は出ない。事務所で過ごしたのが1ヶ月だろうと1年だろう、同じ位強烈に家の中の記憶は残る。後者時間の長さの誤認は、「持続の頃子」と呼ばれている。「ピーク・エンドの法則」に対で記憶に大きな影響を及ぼす、脳の勘違いである。ページ188

 

^_^ この部分において作者はやや大げさに表記していると思われる。あくまで軽視であって影響を及ぼさないわけではないだろう。実際の時間の差ほど大きな影響を及ぼさないということだろう。

 

本当に充実した人生を送りたいか、それともアルバムだけを充実させたいか。そのどちらがいいかを考えてみればわかるだろう。ページ190

 

23 「現在」を楽しもう

 

^_^ この章については賛同できない。思い出には著者が述べる以上の価値がある。何しろそれは人生には確実に存在する幸福でない瞬間にも取り出して幸福を感じることができるからである。
確かに旅行に行って写真ばかり撮っているのも考えものではあるのだが。

 

24 本当の自分を知ろう

 

頭の中には常にフォルトゥナ訪れる余地を持っておこう。ページ205

 

^_^ 偶然の不幸への心構えをしておけということ。偶然は我々が思っているよりも強い力を持っていることを覚えておこう。

 

実際の私たちは、私たちが考えているより、多面的で、複雑で、矛盾の多い存在だ。誰かがあなたを「間違って」評価しても驚いてはいけない。あなただって、自分を正しく評価できていないのだ。ページ205

 

25 死よりも、人生について考えよう

 

ジェームズ・ディーン効果
輝かしいキャリアのピークで亡くなった俳優の評価がその後においても高く維持されやすい効果。日本では松田優作さん辺りがこれに当たるのだろう。

 

26 楽しさとやりがいの両方を目指そう

 

「欲求」と「良い」のバランスの良い配分を心がけるようにお勧めしたい。どちらか一方に偏るのは避けよう。なぜなら、いちどバランスをしなってしまうと、どんどん極端な方向に走りやすくなるからだ。チョコレートも体もセックスも、2キロ分のチョコレートを食べ、24時間ぶっ続けでテレビを見て、オーガズムに出した後ではただの不毛な行為でしかない。
同じように、昼夜の別なく世界の救済のために奔走し、自分の楽しみを一切持とうとしないのも、やはり幸せとは言えない。1番良いのは、「意義」のある何かと「楽しみ」のためにの何かを、交互に繰り返すことかもしれない。ちょっと世の中のためになることをした後は、いっぱいのビールを楽しむと言うように。ページ229

 

^_^ 最後のビールのくだりは気が利いていていいね。

 

27 自分のポリシーを貫こう

 

摩擦を起こさずに生きていけるのは操り人形だけである。ページ227

 

28 自分を守ろう

 

ミーティングの場などで悪意のある言葉であなたを攻撃する人がいたら、その人に、その発言をもう一度繰り返してもらうのだ。すると、ほとんどの人が負けを認めるはずである。ページ234

 

尊厳の輪
能力の輪のように自分の守るべきポリシー。

 

29 そそられるオファーが来たときの判断を誤らない

 

良い人生には「自分の判断の基準となる、小さく強固な尊厳の上が必要」だという点だ。私たちはこの話を(A)より筋の通った論理、(B)あなたの人生が脅かされる危険、(C)悪魔との契約、と言う3つの攻撃から守らなければならない。ページ239

 

^_^ このより筋の通った論理というのが面白い。

 

30 不要な心配事を避けよう

 

^_^ この章の内容には賛同できない部分が多い。瞑想はその場限りではないし、大抵の保険は金融屋に付け込まれる原因でしかない。

 

31 性急に意見を述べるのはやめよう

 

精神的な「複雑すぎる質問用」のバケツを1つ用意しておくと良い。あなたの興味を持てない質問や、答えられない質問や、難解すぎる質問を投げ入れるためのバケツだ。それでも、1日あたりいくつかは、意見を述べて良いテーマや意見を述べなければならないテーマは残るはずだ。ページ252

 

^_^ 確かにその傾向はある。人は何にでも意見を述べたがる。全く門外漢でも、しかも直感で答えを出してから、そこに理屈をつける「感情ヒューリスティック」が働くから始末に悪い。自分に関係ない質問はゴミ箱に捨てておこう。ぼくには関係ない。

 

軽率に意見を述べる頻度が少なければ少ないほど、あなたの人生は向上する。あえて具体的な数字を出すなら、あなたがプライベートやビジネス上で述べる意見で本当に重要なのは、ほんの1%程度。それ以外の99%は実は不要なのだ。ページ255

 

^_^ 答えるべきテーマはなんだろう?

 

32 「精神的な砦」を持とう

 

「辛い状況乗り切る」ための4つのアドバイス

1つ目は、運命の存在を受け入れること。人間たちの最高の時期と最悪の時期が入れ替わる。

 

2つ目は、あなたが所有しているものも、大事にしているものも、愛しているものも、すべては永遠でないと理解しておくこと。

1番良いのは、それはあなたに一時的に貸し出されただけのもので、いつまで取り上げられてもおかしくないのだと思うことだ。

 

3つ目は良いことにも負の要素はつきものだったと言うことを忘れないこと。

 

4つ目は、あなたの思考や、思考の道具や、風には損失の状況の悪化に対する精神的な対処法だけは、誰もあなたから取り上げることができないと言うことだ。「精神的な砦」と言っても良いだろう。

私たちは、失業も、飢えも、戦争も、行きも、私さえも、例外的にシステムがうまく機能しなかったせいで起こると考えている。だがそう考えるのは間違いだ。ページ261

 

^_^ 幸不幸はやはりそこにあり、運命の女神フォルトゥナは力を失ってはいない。

 

33 嫉妬を上手にコントロールしよう

 

現代ほど、他人との比較が盛んに行われた事は無い。インターネットのおかげで、嫉妬は今や社会に蔓延する証の1つになってしまっている。
ソーシャルメディアの使用を減らせたら、次は、「実生活で、他人と比較せざるを得ないような機会」も避けるようにすると良い。ページ267

 

34 解決よりも、予防しよう

 

賢明さの定義とはつまり、困難に対して予防的措置を施すことなのである。ページ271

 

^_^ この点に関しては疑問に思う。予測がつき得る困難であれば避けようもあるがどんなに賢くてもあらゆる困難を予防することができない。それを理解できずに予防に奔走する人もいる。
予測されるトラブルの多くは実際に起こらない。実際に問題が生じてから対応した方がコストパフォーマンスが良い場合もよくある。

 

35 世界で起きている出来事に責任を感じるのはやめよう

 

世界の難題に立ち向かうための思考の道具、2つ目。あなたが、この星の苦境を少しでも救いたいと思うなら、「寄付」をしよう。それも「時間」ではなく「お金」を寄付するのが良い。
あなたが救急医や、爆弾処理の専門家や、外交官でもない限り、戦争地域に向かうのはよしたほうがいい。ボランティアの参加が賢明と思い込んでいる人は多いが、実際は、ボランティア活動にはあまり生産性がない。
あなたの時間を最も効率的に使えるのは、あなたが自分の「能力の輪」の中にあることを行った時だ。そういうことであれば、あなたの1日あたりの生産性を最大化できる。
もしも、あなたがボランティアでサハラ砂漠の水用のポンプを設置したとしても、地元のポンプ工ならばほんのわずかな賃金でできる程度の労働でしかない。それにあなたがポンプを設置すれば、その分彼らの仕事が減ってしまう。
その上、あなたがボランティア活動で設置できる給水所は1日2回程度でも、あなたが自分の仕事をこなしてお金を稼ぎ、そのお金を地元のポンプ職人への支払いに当てれば、その日の終わりまでには新しい給水所が100カ所ができあがる。
もちろん、ボランティア活動をすれば充実感は得られるが、大事なのはあなたがどう感じるかではない。熱心な慈善活動が有意義だと思い込むのは、私たちが陥りがちな思考の落とし穴だ。現地の素晴らしいスペシャリスト(国境なき医師団ユニセフなど)達は、あなたのお金をあなた以上に有効に使ってくれる。
だから私たちは、自分の仕事に精を出し、稼いだお金をその道のプロに手渡すことにしよう。ページ282

^_^ 全くみもふたもないが全くその通りだとも言える。

 

見聞きするニュースの量思い切って「制限」しよう。特に人道的な問題に関するニュースには気をつけたほうがいい。
胸をえぐられるような映像を見て、テレビの前で犠牲者への哀れみにどっぷり浸っていても何もならない。犠牲者のためにもあなたの為にもならないし、世界で起きている惨事に「興味を持つ」のはただの覗き見趣味に過ぎない。
惨事についての情報を「積極的に入手する」のは人道的な行為のように感じるかもしれないが、実際にはそうでは無い。そもそも犠牲者にも失礼だ。紛争や戦争で世界が起きている惨事を本当に理解したければ、1年ほどかかるかもしれないが本を読むのが1番だ。どのみちあなたには、(救済のための寄付をする以外)できる事は何もない。ページ282

 

^_^ 全く身もふたもないが反論の余地もない。笑ってしまうほど。

 

「世界で起きている出来事は、あなたの責任ではない」。ジョン・フォン・ノイマンのこのすばらしい考え方を、私も真似することにした。意識的に社会に対して無責任でいることに決めたのだ。そう決めてから、私は前よりずっと幸せを感じられるようになった リチャード・ファインマン ページ284

 

36 注意の向け方を考えよう

 

情報は私たちに何かを与えているのではなく、逆に私たちから何かを盗んでいる。ネット上でどんなにきれいに見えていても、Instagramの投稿は略奪である。ニュース速報もメーリングリストも(ほとんどの場合は)同じだ。それらに関わった途端に、私たちは自分の注意や、時間や、場合によってはお金まで奪われてしまう。ページ289

 

^_^ うわぁと思うほど辛辣である。老人たちはテレビから奪われ、若者はネットから奪われる。
では奪われていない状況とはなんだろう。それは能動的であるということだろうか?
自分で考え、選んだ時間の過ごし方。いや、人生そのものは誰かに奪われるためにあるのかもしれない。
それは親かもしれないし、子供かもしれないし、パートナーかも知れないし、テレビかも知れないし、フェイスブックかも知れないし、ゲームかも知れない。どちらにしても時間という人生の断片を捧げても悔いのない相手を選びたいものである。

 

^_^ この著者は新しいものに対して、というか人類や科学やテクノロジーの進歩に対してな興味が薄いのかも知れない。
だから「マルチメディアからはできるだけ距離をおこう」などと言えるのだろう。最新テクノロジーほど面白いものはないのに。

 

「あなたがどこに注意を向けるかで、あなたの幸せが感じるかどうかが決まる」と心理学者のポール・ドーランも書いている。ページ293

 

37 読書の仕方を変えてみよう

 

^_^ この気に入った本を2回読む。読む本を制限するという考え方には賛同できない。この著者にどう思う思考の硬直化が見られる、原因はこのような読書の仕方だと思う。
読書の傾向を選り好みしすぎると、考え方が硬直し自分の嗜好に合った本しか読まなくなる。
その結果、あっという間に考え方は老人になる。
この著者は良いことも言うがテクノロジーに対する忌避感や思考の硬直化が感じられる。
三冊に一冊は自分の趣味ではない本を人に勧められて読んでみると言うのも必要なのだ。

 

38 自分の頭で考えよう

 

知識の錯覚
自分が知っていると思っていることでも、いざ説明してみようとするとほとんど知らないことに気づかされる。例としてファスナーについて自分の知識を1から10で評価してもらい、その後ファスナーについての説明を書いてもらった後自分の知識を1から10で評価してもらうと、説明を求められた後のほうがはるかに自己評価が低くなる。

自分が世界を理解できていないと早く気づけば気づくほど、世界をよりよく理解できるようになるのだから。ページ309

 

^_^ その考えが覆るのはどんな時か?そう尋ねられて答えられない場合は、人はその考えを盲信していると言っていい。

 

39 「心の引き算」をしよう

 

まだ持っていないものについて考えるよりも、今持っているものを持てていなかった場合、どれくらい困っていたかについて考えた方が良い ストア派の哲学者 ページ316

 

40 相手の立場になってみよう

 

小説を読もう。できるだけたくさん、それもできるだけ質の良いもの。よくできた上で世界に入り込んで、主人公の運命のアップダウンを一緒に経験するのは、思考と行動の中間に位置する有効な解決策である。ページ323

 

^_^ 小説の力が人種差別をなくす原動力になったと言う考え方もある。ある黒人女性の人生を描いた小説を読んだ白人男性は黒人女性のマイノリティーとしての苦悩を追体験できるからだ。実際、そのような小説はたくさんあった。

 

41 自己憐憫に浸るのはやめよう

 

自分が穴の中に入るとわかったら、掘るのをやめろ アメリカの諺 ページ326

 

過去に不幸だからといって、今向こうでいなければならないと言う事は無い。現在抱えている人生の問題がどうにかして対処できる類のものなら対処すれば良い。もし対処できないようなら、その状況に耐えること。口をこぼすの時間の無駄だ。ページ330

 

^_^ 確かにそうだ。人は不幸の理由を探すのに躍起になるが、不幸から抜け出すことにはそれほど必死にならない。
過去が、親が、教育が、歴史が、国が、環境が、あなたが泥沼に落ち込んだ理由はいくらでも見つかるが、そんなことをしている暇があるならさっさと泥沼から抜け出した方がいい。

 

42 世界の不公平さを受け入れよう

 

世界に公平さを保つためのシステムは存在しない。その事実を思い切って受け入れるのも、良い人生の条件の1つだ。あなた自身の畑に、つまり、あなた自身の日常生活に意識を集中しよう。ページ337

 

^_^ ある意味自分の非力を受け入れると言うことなのかもしれない。

 

43 形だけは模倣するのはやめよう

 

カーゴ・カルト
第二次世界大戦の激戦地であった南の島で兵士が輸送機を呼び出して補給を受けるのを見た島民たちが、その形式を模した儀式を行うようになったこと。またそれに似たような意味のない形式主義を批判して言う言葉。

 

形だけを追い求めるのはやめよう。どんな顔・オカルトにも関わらないほうがいい。中身の伴わない「形式主義」は、私たちが考えるよりずっと社会に蔓延している。良い人生にしたければ、形式主義をきちんと見抜き、あなたの人生から締め出したほうがいい。形式にこだわれば、時間を無駄にするだけでなく、あなたのものの見方まで狭くなる。そしてカーゴカルトに陥っている人や組織とは距離をおこう。ページ343

 

44 専門分野を持とう

 

各分野内での競争は熾烈だが、専門分野の数は無数にある。「商社の風∞」とテクノロジーの専門家、ケビン・ケリーは言う。「他人のレース(専門分野)で勝とうとするのではなく、自分のレースを見つけ出せばいいだけだ」。ページ350 

 

^_^ これは示唆のある言葉だ。

 

45 軍拡競争に気をつけよう

 

軍拡競争に巻き込まれないように気をつけよう。一つ一つの軍備を拡張していく過程を言いに思えるので、火中にいる本人が起こっている時代に気づくのはなかなか難しい。ときには自分が所属する軍隊から距離を置いて、人生の戦場俯瞰して見るようにしよう。
馬鹿げた競争の犠牲になる事は無い。軍拡競争に勝っても虚しいだけで得られるものなどほとんどない。引いた方があなたの為だ。

良い人生を手にしようと人々が競い合っている場所で、良い人生は見つからない。ページ360

 

46 組織に属さない人たちと交流を持とう

 

ゴッホのような生き方をするよりも、ゴッホの絵を壁にかけておく方が良い。けれども1番良いのは、できるだけ多くの現代のゴッホと交流を持つことだ。彼らの斬新な視点は、あなた自身にも、あなたの人生にも良い影響与えてくれるはずである。ページ367

 

47 期待を管理しよう

 

「必然」と「目標」と「期待」を一緒くたにするのはやめよう。ページ375

 

48 本当に価値のあるものを見極めよう

 

世の中にあるものの90%はガラクタだ。広告の90%はいらない。Eメールの90%は中身がない。ツイートの90%は馬鹿げている。ミーティングの90%は時間の無駄だ。そしてミーティングでの発言の90%は決まり文句の羅列に過ぎない。人から受ける招待の90%には行かない方が無難な裏がある。物質的なものだろうが精神的なものだろうが、世界に生み出されたものの90%は価値がないのだ。
(中略)
だからといって、そうした90%のことを世界から一掃しようとするのはやめたほうがいい。まず、そんなことをしてもうまくいかない。世界の不合理が解消される前に、あなたが正気が保てなくなる。少数の価値のあるものだけを選ぶようにして、それ以外のものとは関わらないほうがいい。ページ378

^_^ スター・ジョンの法則か。なかなか辛辣だが的を得ている。ぼくは出来るだけ残りの10パーセントに触れていたい。

 

49 自分を重要視しすぎないようにしよう

 

自分を重要視する度合いが低ければ低いほど、人生の質が向上する ページ388 

 

自分が重要な存在だと思い込むと「余計な労力」が必要になるからだ。自分を重要視する人は、「送信設備」と「レーダー設備」を同時に稼働させなくてはならない。世界に向けてあなたと言う存在をアピールする一方で、レーダーを張り巡らせそれに対する周囲の反応を一つ残らずキャッチしようとするためだ。だが、そんな労力は節約したほうがいい。送信設備のスイッチもレーダーの設備のスイッチも切って、あなたの仕事に集中しよう。ページ388

 

^_^ 全くその通りだ。他人がどう思うかなんて関係ない。ほんとうに関係ない。賞賛されなくても生きていける。

 

50 世界を変えると言う幻想を捨てよう

 

意図スタンス
変化が起きる際には、必ず誰かの意図が働いていると言う考え方

 

私たちは、誰かの意図とは無関係に起きた出来事に対しても、誰かの意図やその出来事の背後にいる誰かの存在を感じてしまう。ページ397 

 

私たちは、たまたまタイミングよくその場所にいた聡明な人物を、褒めたたえすぎる傾向がある。マット・リドレー ページ398

 

歴史を作った人物などいない ページ399

 

「偉人」崇拝をしないのも、良い人生の条件の1つである。言うまでもなく、あなた自身が「偉人」になれるかもしれないなどと言う幻想を抱かないようにすることも。ページ399

 

^_^ これには賛同する部分もあり、反対する部分もある。偉人の力で歴史が作られるというのは半分は幻想だが、その時期が早まったり、遅れたりはするだろう。ネルソン・マンデラがいなければ人種隔離政策の撤廃はもっと遅れていたかも知れない。スティーブ・ジョブスがいなければスマホの普及はもっと後だったかも知れない。
さらに我々自身が世界を変えられないというのも間違いだと思う。偉人ではなく一個人の力で世界は変わる可能性は常にある。それは一人の力は微々たるものでも、その小さな力が閾値を超えるかも知れない力であるからである。
例えばぼくが一回車を運転しないで自転車で出かけることで二酸化炭素の排出量が減り、そのわずかな差で将来の地球の気温が変わる可能性がないとは言えないのである。
二酸化炭素の排出量と温度は綺麗に相関図を描くわけではない。一定ラインを超えるとぐっと気温が上がる部分がある。それを踏み越えるのは今日のあなたかも知れないのだ。

 

51 自分の人生に集中しよう

 

技術が発明者を発見するのであって、発明者が技術を発見するのではない マッド・ リドレー ページ403

 

大抵のCEOは、高い報酬を手に従業員たちが生み出した波でサーフィンをしている便乗者だ。(中略)メディアによって作り上げられた高貴な王族でもあるかのようなイメージは虚像に過ぎない。マッド・ リドレー ページ404

 

紹介書籍「進化は万能である」

 

あなたが、本当に重要な役割を担っているのは、あなた自身の人生に対してだけだ。ページ405

 

^_^ しかし世界にコミットしなければ幸福を感じられないという部分が誰にでもある。

 

52 内なる成功を目指そう

 

生活水準が上がる見込みがありさえすれば、そこまでの道のりがどんなに遠くても、富の分配を求める気持ちには歯止めがかかる サタジット・ダス 銀行家

経済成長が続いていれば、人々は希望が持てる。そして希望があれば、大きな所得格差も耐えられるものになる ヘンリー・ウォーリック 中央銀行理事

物質的な成功を手にいられるかどうかは100%偶然によって決まる。ページ410

 

 

^_^ 努力する才能と言うものがあるとしたらこの言葉は正しい。

 

「フォーブスリスト」は、偶然の結果を羅列したリストだと思った方が良い。リストにランキングされている人たちを崇める必要は無い。ページ410

 

成功とは、最高の自分になるために全力を尽くした後に得られる、心の平和のことだ ジョン・ウッデン バスケットボール名コーチ

 

その日その日を人生最高傑作にしよう ジョン・ウッデン

 

 

おわりに

 

否定神学
これは神ではない、これも神ではないとして、やがて残ったものに神を見出す考え方。


89点

感想
目を開かされるような章もあるが、眉をひそめたくなるような章もある。
新しいものを忌避するのは、ちょっと早めにお爺ちゃんになっちゃうよと、心配になる一方、他人の目を気にしないとか、内なる成功を求めるとか、世界は偉人と金持ちを過大評価しすぎだとか。
賛同できるものも多い。つまりこの本のコンセプトに添えば、ポンコツ工具もあれば、使える工具もあるから、読者が吟味して取捨選択しようというところだろうか?
一読の価値は十分にある一冊です。