『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』書評・目次・感想・評価

【『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』目次と読書メモ】

はじめに
第一部「iPS細胞ができるまで」と「iPS細胞にできること」
 
走り方が変わった
医師を志す
勝敗より大切なこと
神戸大学医学部へ
ジャマナカ
名医でも直せない患者さん
初めての実験
「先生、大変なことが起こりました」
研究の虜へ
手当たり次第に応募
サンフランシスコへ
VWとプレゼン力
オスマウスが妊娠?
初めて発見した遺伝子
後ろ髪を引かれながら帰国
トムとカーニー
道具から研究対象へ
アメリカ後うつ病「PAD」
二つの嬉しい出来事
新入生争奪戦
ぼくのビジョン
京都の作り方
細胞の設計図
設計図のしおり 転写因子
理論的に可能なことが実現する
長期目標と短期目標の二本立て戦略
データベースで候補を絞る
二十四個へ
京大へ
「ほんまはこいつ賢いんちゃうか」
論文捏造スキャンダルの陰で
信じてもらえない!
完璧な「マウスiPS細胞」
「ヒトiPS細胞」開発競争
再生医療の可能性
病気の原因解明と創薬
iPS細胞ストックとは
 
紹介書籍「宇宙英雄ペリー・ローダン

紹介書籍「地球の科学 大陸は移動する」

地球の科学―大陸は移動する (NHKブックス 6)

地球の科学―大陸は移動する (NHKブックス 6)

 

 

「研究者として成功する秘訣はVWだ。VWさえ実行すれば、君たちは必ず成功する。研究者にとってだけでなく人生にとっても大切なのはVWだ。VWは魔法の言葉だ」
VWのVは、Vision(ビジョン)のVです。ビジョンとは長期的目標と言い換えてもいいかもしれません。VWのWはWork hard のW。つまりハードワーク、一生懸命働くということです。研究者として、また人間として成功するにはビジョンとハードワークが必要で、どちらが欠けてもダメだと言うのです。
 日本人はハードワークが得意です。夜遅くまで働く人、土日も働く人が日本には大勢います。しかし、いつの間にか目的を見失い、何のために働いているのかわからない状態に陥ってしまう。僕自身にもそういう自覚があったので、メーリー先生のVWの教えが心に響きました。ページ51
 
^_^ なるほど確かに何のために働いてるのかわからなくなって大切な家族を失ったり、生きている意味がわからなくなってしまった途方にくれる人っているよね。自分のモノサシをしっかり持つ、その上でしっかり頑張るということだね。むやみに働くことは搾取され続けるってことだよね。
 
 説明をするためには、普段から、今取り組んでいる実験と次にやろうとしている実験の関係を明確に意識しておかなければなりません。そういう意味で、プレゼンテーションのゼミはプレゼン技術を身に付けるだけでなく、研究手法や施工方法を見直す上でも非常に役に立ちました。そのおかげで、プレゼンの仕方はもちろん、論文の書き方も変わりましたし、大げさに言えば人生も変わりました。ページ54
 
^_^ 常に自分のやっていることを人に伝えられる状態にしておくというのは自分の状態をはっきりと整理しておくことにもなるので翻って自分のためにもなるんだね。無駄な仕事にも気付きやすい。何だか知らないけどやるからやるんだ、今までやってきたからやるんだみたいなことでは自分の仕事を人に説明できないので仕事の見直しにもいいよね。日本人ってそういうの苦手だから意識してやってかなきゃいけないのかも。
 
豆知識
タンパク(蛋白)とは卵白のことで、卵の白身に多く含まれていたことからこの名がついた。ページ55欄外
 
 グラッドストーンで僕は他の研究者の3倍が働いたと思います。ある実験の待ち時間を利用して別の実験をするなど、スケジュールをうまく調整していました。
 
^_^ やはり優秀な人は時間効率を考えて動くんだなぁと思った。でも山中先生、できないことをできると言って採用されるパターン多すぎwでも最終的にはできるようになっているから凄いんだけど。それぐらいの図々しさがないと研究職なんて続けられないんだろうなぁ。
 
豆知識
クローン羊で話題となったドリー。6歳のメスの羊の乳腺細胞からクローンされた。飼育係の発案で、巨乳で有名な女優ドリー・パートンにちなんでドリーと名付けられた。
 
^_^ 日本でクローン羊が生まれていたら、1996年当時だから、細川ふみえとか、麻生早苗とかにちなんで、ふみえとか、早苗とか、名付けられていたんだろうなぁ。惜しいことをした(なにが?)
 
理論的に可能なことがわかっていることなら、いずれできる。多くの人が「こんなん絶対無理」と思うようなことも必ずできるようになる。ページ100
 
^_^ 山中先生のこの信念が研究への情熱の土台を支えているんだろうなぁ。
 
豆知識
iPS細胞のiが小文字なのは、山中教授が当時はやっていたiPodにあやかったから。
 
^_^ この豆知識だけでもこの本読んだ価値あるわ。
 
^_^ 山中先生はとにかく新しい治療法は安全性を確かめてからというが、逆にそれが間に合わない人もいるだろう。藁にもすがる気持ちで実験台になってでも治療に挑戦したい人もいるだろうから、そういう人たちが、危険を承知で治療に挑戦できる枠組みを作るのもありなのではないだろうか?いや、やはり倫理的には許されないのか、悩ましい。
 
第二部 インタビュー
飛ぶためにかがむ
トップジャーナルのハードル
紙一重でできたiPS細胞
初期化の有無を調べる
「しおり」と「黒いシール」
iPS細胞とES細胞はソックリすぎる
受精卵で働くGlis1遺伝子
iPS細胞の安全性
オープンラボへのこだわり
1日の過ごし方
研究者だけでは研究できない
医師である誇り
 
紹介書籍「仕事は楽しいかね?」
仕事は楽しいかね? (きこ書房)

仕事は楽しいかね? (きこ書房)

 

 

^_^ 山中先生も追い込まれたときに自己啓発本を読むようなことがあったんだと知ると、なんだか身近に感じる。
 
エピジェネディクス
DNAの配列はそのままに遺伝子を発現させたりさせなかったりする遺伝子調整機能。三毛猫などの発生にも関係があると言われている。DNAを読めなくする黒いシールのようなもの?
 
ES細胞はピストル、iPS細胞は包丁のようなもので一定の施設と知識があれば作れてしまう。
 
倫理的な問題もあるが今、苦しんでいる患者さんがいることも忘れてはいけない。
 
^_^ 患者さんのことを言えば倫理的問題を棚上げできるという発想はちょっと怖いなぁ。
 
iPS細胞から、精子卵子を作って受精卵にすることも可能。文部科学省から禁止されてはいる。
 
^_^ そうなると、数十年後、iPS細胞から作った受精卵から生まれてきた子供のカミングアウトとかありそうだ。
人間はやれるなら、必ずやる奴が出てくる。推しの男性アイドルの細胞を手に入れて、iPS細胞から精子を作り、自分の卵子と人工授精して出産とか。論文捏造などで学会から排除された学者が裏でそんなビジネスを始めていたりして。こりゃ小説になるな。

『「孤独」は消せる。』書評・目次・感想・評価

【『「孤独」は消せる。』目次と読書メモ】

吉藤健太朗について
 
吉藤さんのこと 株式会社オリィ研究所 共同創設者、最高財務責任者 結城明姫
 
プロローグ
 
名言
おそらく、人は人に会うために外に行くのだ。人の営みに参加するために、われわれは外に出かけるのだ。(吉藤健太朗 ロボットコミュニケーター)ページ16
 
第1章 ロボットコミニュケーターという仕事 人と人をつなぐことで「孤独」を解消させる
「ないなら、つくる」
ものづくりの原点
分身ロボット「OriHime」
1人でやれる事は1人で進める
足を使って移動することでわかること
私のガレージ作業場へようこそ
経験こそが無敵の「財産」
私の白衣はなぜ黒いのか
人生は出会いによって作られる
自分を動かす感情について
 
ないなら、作る。私の座右の銘であり根底にある考え方だ。ページ30
 
概して、1 +1が1以上になる事はそうはない ページ40
 
^_^ 共同作業がもてはやされる現代においてそこまで言い切るのはやはり天才だからか、しかし、誰もが心の内に持っている実感でもある。
 
よく、ものづくりは客の声を聞けと言うが、その“客“が本当に欲しいものはこれだと言う明確な答えを持っていることなどあまりない。しかしそれが本当に欲しいものかどうかを判断することはできる。だからこそ試作品を使ってもらい、その日のうちに研究所へ戻って徹夜でプロトタイプを作ったりしながら体験を重ねていくことで、声=その本質の輪郭が初めてはっきりしてくるのである。ページ46
 
^_^ これはものづくりの根幹に関わる部分ではないだろうか。顧客は本当に欲しいものを知らない。作る側が提案し顧客が是非を決める。著者がやっているこのやり方がこれからの正しい製造業ではないだろうか。
 
日常の中の、様々なタイミングでひらめき、思いつきが生まれるが、アイディア思いついたら鮮度が命である。
メモに残せない脳内イメージもあるし、何より開発のモチベーションも、その時が最も高い。夜中にアイディアを思いついて飛び起きたなら、その瞬間は最も貴重で絵画大春だ。自宅にいてもすぐに作業場に移動し、30分以内には開発に取り掛かる。この高速なトライ&エラーも1人で動くからこそできる。
 
^_^ こんな風でありたいと常々思う。やりたい仕事をやっていなけりゃこうはならないもんなぁ。
 
だから、今でも3ヶ月に1度ぐらいは新しいことに挑戦してみるように心がけ、割と興味本位でやるようにしている。これが意外と役に立つ。ページ58
 
^_^ これって大事なことだと思う。人生がルーティーンになってしまってはつまらない。
 
最も重要なポイントは、大怪我をしたり、信用を失ったり、復帰に時間がかかるミスだけは避けることだ。回復不能なミスでなければ、失敗は別にたいした事じゃない。ページ61
 
^_^ こう書かれていると結構常識人だなぁと思う部分もあるんだけど。
 
人と違うことをすると馬鹿にされる。挑戦すると笑われる。でも、世界を前に進めてきたのは、いつでもそのような馬鹿者たちなのだ。ページ63
 
誰もやっていない新しいことに挑戦する時、人は大抵1人なのだ。ページ68
 
私の場合、これまで我慢して取り組んで成功したこと、うまくいった例がほぼない。9割は失敗する。逆にワクワクすることさえできれば、自分も想像できない力を発揮できる150点をねらえ、いつの間にかできることが増えているのである。ページ76
 
^_^ これが21世紀の働き方だと思う。やりたいことを徹底的にやる。
 
第2章 正解は無い。別のやり方があってもいい 3年半の不登校時代で体験したこと
 
このときの心境としては、“全てが辛い“である。すべてとは、厳しくされることも辛く、優しくされることも辛く、何かしてもらうことも申し訳なくて辛く、ひとりでいることも辛いのである。
 
^_^ わかる。確かにそういう時があった。近頃の孤独を賞賛するちっとも孤独でない似非知識人共にはきっとわからない感情だろう。孤独から得るものはないとは言わないが、その代償は余りに辛いのだ。だから本当の孤独を知る人間は孤独を賞賛したりしない。
 
第3章 心の底からわくわくすることをやる ひたすら作るだけの3年間
 
名言
「私は孤独を解消するために生まれてきた」そう言えるようになろうと思った。(吉藤健太朗)
 
やるからには、ここまでやるか!と思わせるまでやらなあかん ページ117
 
実はこの時まで私は、世の中はなんとなく、“割と完璧にできている“と思っていた。ページ138
 
^_^ ぼくも子供の頃はそう思っていた。
 
物理的な意味で自分が1人になり、人が周りに誰もいない状況は、まだ孤独とは言えない。誰でも1人になりたい時もあるだろう。身体が健康である時、1人の状況はストレスにならない。
ただ、風邪をひいたときや体調がすぐれない時などに、何日も何日もずっとひとりでいると言う状況は大きなストレスになり、心を疲れさせる。それが孤独と言うストレスである。つまり孤独とは「周りに人がいない、自分は一人ぼっちで辛い」と自分が思ってしまう状況にある。ページ146
 
^_^ 孤独の定義として覚えておく価値のある一文だと思った。
 
人付き合いはストレスばかりで厄介なものだが、「人本当に痩せるのも、また人だけだ」と改めて思った。ページ148
 
第4章 人と向き合うこと、自分と向き合うこと いかにして対人関係を克服するか
 
他人というのは責任をとってくれそうなことを言いながら、結局は責任などとったくれない。ページ189
 
さて大学3年生だった当時、とても不思議に思っていたことがある。まわりの皆さんが当たり前のように、「大学は卒業しなくてはならない」と考えていたことだ。〜大学に限らず、学校というものは「学びたいことを学ぶために行けばいい」というのが私の考えだ。自分にとって必要と思う知識を効率よく学ぶために通えばいいし、自分にとって卒業の資格が必要と思うなら取ればいいと考えている。ページ190
 
^_^ これはある意味、他人に雇われる気がないなら一番効率的な学び方なのかも知れないシリコンバレーでの成功者が大学中退が多いのも頷ける?
 
第5章 誰でも使える「もうひとつの身体」 自分がほしかったものをつくれ!
 
賞金は使えばなくなるし、栄光は時間と共に消えるが、良い出会いはその後ずっと人生を豊かにしてくれる。ページ194
 
ロボットに限らず、何かつくりたいものがあって、そのつくり方がわからないとき、まずは市販のものを購入してきてそれを観察することから始める。ページ196
 
^_^ このやり方は学びたい。突如、オリジナルを作るのではなく既製品を分解理解して、そこにオリジナルを持ち込む。いろいろなことに応用できそうだ。
 
重要なのは「とにかく完成させる」ということと、自分の知識や技術が成長してしまう時間を待たず「短期間で一気に仕上げてしまう」ことだ。
 
^_^ 小説家志望などに、作品を作り続けて完成しないというのが多い。これを戒める言葉だ。ぼくにもアイデアがあっていつかはと思うことは多いが、これは永遠に完成しないのだろう。
 
月にいくらお金があれば幸せになれるかを試算しておくことは、とても役に立つ。いくらあれば生きていけて、いくらあれば満足いくかを計算すると、当時の私の場合は9万円あれば問題なく生きていけて、13万円もあれば十分な贅沢ができることがわかった。あとは全額、制作費に投資できる。ページ204
 
^_^ これこそがお金との正しい向き合い方だと思う。
 
毎日美味しいものを食べている場合と、人と一緒に外食するときにでも。たまにおいしいものを食べる場合では、前者より後者のほうが、コストをかけずによりおいしく感じられる分、豊かなのではないかと感じている。ページ204
 
^_^ わかる。たまに食べるから美味しいものは美味しいのだ。一生のうち食事は残り限られているから毎日、美味しいものを食べるという人がいるがそういうやつに言いたい。生活習慣病になるぞ」と。
 
藤吉がいなくなっても維持されるような社会のシステムにしなくてはいけない。社会のシステムはお金の循環、お金が回るから人が動き続ける。市場を作り、サービスを提供できる社会のシステムをつくるのがビジネスですよ ページ209
 
^_^ 「いなくなっても維持できる」というのには感動すら覚えた。ジョブズがいなくなってもアップルは製品を生み続けている。(もちろん、いなくなって駄目になったという人もいるが、、、)先日、時価総額が1兆ドルを超えたとか。ジョブズ亡き後も成長を続けているわけだ。
 
ロボットの大会でも、ビジネスの大会でも、「ここまでやるか!」と全員を驚かせた人が勝つ。これで十分だろうではなく、とことん勝つことを考え、徹底的に準備をする。ビジネスプランをしっかりブラッシュアップするのはもちろん。会場の下見をさせてもらい脳内イメージをしっかりつくったり、審査員が公開されているときは、その人の過去のインタビュー記事などを見て、どういったビジネスモデルや言葉のフレーズが刺さるのかをリサーチしたりした。台本を何パターンも用意し、アトリエにプロジェクタとスクリーンを買って役者をしている友人のジョンソンと一緒に伝わりやすい話し方の練習を何日もかけて行った。そこまでしなくていいだろうと人に呆れられるくらいが目安だ。何事も徹底的にやるのは難しい。ほぼ自分との闘いでもある。ページ212
 
^_^ 何でも勝つには頭一つ抜けるどころか、身体一つ抜けるぐらいのつもりでやれということなのだろう。自分も書評家としてやっていくには呆れられるぐらいやらなくてはいけない訳だ。
 
コンテストの醍醐味は素晴らしい人との出会いが得られることだ。コンテストをただの腕試しや、賞金稼ぎのみを目的にするのはとてももったいない。尊敬すべき友人たちや恩師らとの出会いは、質の良いコンテストから得られる。
 
第6章 必要な人に広がる分身ロボット 使う人たちと一緒に未来をつくる
 
よく「ユーザーの声を聞け」というとのがあるが、私は聞くことよりも反応を観察することが重要だと考えている。結局のところ、実はユーザー自身も、自分が最もほしいものを知っているわけではないのだ。そこで私がアイデアを考えたり、プロトタイプを使ってもらったりする中で「ああ!これがほしかったんだ!」と気づくのであり、私もその反応によって、このアイデアが優れているかどうか気づくことができる。ページ240
 
^_^ ユーザーが実は自分の欲しいものをわかっていないというのは真理だと思う。推測、実用、評価のフィードバックが正しいあり方で欲しいものが分かっていれば現代科学が可能な限り、もうきっと世の中には存在するはずなのだ。
 
プレゼンテーションは準備が9割だ。
それまで、「ここまでやるか」と見ている人に思わせ、驚かせることを意識してきたが、さらにそのうえの自分に「ここまでやれば大丈夫」ではなく、「ここまでやれるのか」と言わせてみたいと考え、本大会までの計画を立てた。ページ284
 
^_^ プレゼンテーションは準備が9割か。OriHimeか動かないパターンなど様々なトラブルに合わせて22パターン台本を用意したというのは感動した。ここまでやるか!である。また、台本を聞くのもいいというのは覚えておきたい。
 
エピローグ
 
「生きるとは、人の役に立つこと」ページ260
 
感謝は集めてしまってはならない。送りすぎてしまってもいけない。何かをしてもらって「ありがとう」と言ったら、次は何かをしてあげて、「ありがとう」と言ってもらえる、つまり"循環"が人の心を健康にする。ページ262
 
^_^ 感謝の循環。人は人の役に立ちたいのだ。勉強になる。
 
あとがき
 
「人や社会から必要とされていて、その期待に応えている実感」があるから、人は苦痛なく人にお願いや助けを求められる。ページ271
 
私がつくりたいのはロボットではなく、その未来である。ページ271
 

『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』書評・目次・感想・評価

【『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』目次と読書メモ】

第一章 序

第二章 ランダムな宇宙
 
 
第四章 小さな世界
 
 社会には強い絆と弱い絆があり、主に就職など実際に役に立つ絆は多くの場合、自分の所属するクラスターの外に繋がる弱い絆である。
 なぜなら自分の所属するクラスターの中では知っている情報も似通ってしまっていて自分の知らない情報は外に求めるしかないからである。
 
第五章 ハブとコネクター
 
紹介書籍「なぜあの商品が急にうれだしたのか」
なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則

なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則

 

紹介書籍「クチコミはこうしてつくられる面白さが伝染するバズ・マーケティング

クチコミはこうしてつくられる―おもしろさが伝染するバズ・マーケティング

クチコミはこうしてつくられる―おもしろさが伝染するバズ・マーケティング

 

第六章 80対20の法則

 
釣鐘型からベキ法則へ
 
第七章 金持ちはもっと金持ちへ
 
 べき乗になるには選択的リンクとネットワークの成長が必要。
 
第八章 アインシュタインの遺産
 
 すべてのリンクを一つのノードが押さえてしまう状態と量子力学のポーズ=アインシュタイン凝縮が似ていることに驚く筆者。その中で実際の世界でそれに似たことが起きていることに気づく、ウインドウズの一人勝ちである。
 
第九章 アキレス腱
 
 べき乗のネットワークはランダムな故障には強いが、悪意を持ってハブを攻撃されれることには弱い。
 
第十章 ウィルスと流行
 
 スケールフリーネットワークにおいてはウイルスの蔓延を防ぐのもなんらかの流行を起こさせるのも鍵となるのはハブであることがわかっている。
 
第十一章 目覚めつつあるインターネット
 
^_^ 読んでいて思いついたのだが、パソコンを安くもしくは無料で配布して、その使用時間以外のリソースを配布した側が受け取るというビジネスはどうだろう。マイニングでもいいが、もっと有効的な手段として、企業や大学にリソースを提供する。そういえば図書館やマクドナルドなどにパソコンを持ち込み、その電力でマイニングをしている人っているのかな?
 
第十二章 断片化するウェブ
 
紹介書籍「CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー」
CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー

CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー

 

 

 リンクが一方通行であるがゆえにインターネットは4つの大陸に分かれる。中央大陸、IN大陸、OUT大陸、半島・浮島である。
 
第十三章 生命の地図
 
“良い遺伝子“も“悪い遺伝子“も存在しない。存在するのはただ、様々な階層のネットワークだけである。ページ260
 
^_^ 著者が未来の医学について楽観的に見ているようだが現実の医療はそこまでたどり着いていないようだ。ただ遺伝子治療などが実現しているからもう少し待てば著者が考えていた個々人に合わせたオーダーメイド医療が実現するのだろうか
 
第十四章 ネットワーク経済
 
 一握りの実力者からなる希薄なネットワークが、「フォーチュン1000」の重要な人事のかなりの部分を支配していることがわかった。ページ286
 
^_^ やっぱあいつらで人事回してんだなぁ。日本でもあるんだろうな。まぁ、しょうがないといえばしょうがないけど。
 
 ネットワーク経済では、どの濃度も利益を上げることができなければならない。ページ304
 
^_^ これは驚きの内容ではある。自分とつながっているノードが崩壊すれば影響は避けられず、それがハブの役目をしている存在であれば業界全体を揺るがしかねないと言う事でもある。
 
第十五章 クモのいないクモの巣
 
 アルカイダは自己組織化する分散型のトポロジーを持つため各部が自立しており、オサマ・ビン・ラディンとその側近を除去してもなおこれらが生み出した脅威を根絶することができないだろう。それはまさに雲のいないクモの巣なのだ。ページ316
 
^_^ 2002年発行のこの本にそのように書いてあると著者の慧眼には脱帽するしかない。
 
 この戦いに勝つためには、このネットワークを成長させる燃料となった社会的、経済的、政治的なルーツに目を向ける必要がある。テロリスト組織にリンクしたのと質の欠乏や欲望を取り除き、より建設的で意味のあるウェブに参加するチャンスを掴むよう力起こさなければならないのだ。ページ316

【著者・アルバート・ラズロ・バラバシさんの気になる著書リスト】

バースト! 人間行動を支配するパターン

バースト! 人間行動を支配するパターン

 

 

『一汁一菜でよいという提案』書評・目次・感想・評価

【著者・土井 善晴さんの気になる著書リスト】

 

土井善晴のレシピ100

土井善晴のレシピ100

 
土井家の「一生もん」2品献立 (講談社のお料理BOOK)

土井家の「一生もん」2品献立 (講談社のお料理BOOK)

 
土井善晴さんちの 名もないおかずの手帖 (講談社のお料理BOOK)

土井善晴さんちの 名もないおかずの手帖 (講談社のお料理BOOK)

 

 

【『一汁一菜でよいという提案』目次と読書メモ】

一章「今、なぜ一汁一菜か」 
 
 人々は忙しすぎて、簡単な料理を恥じるようになったが、日々の日常とはそういうものではなく、日常の料理は一汁一菜で事足りる。

二章「暮らしの寸法」 
 
紹介書籍「二重言語国家・日本」
二重言語国家・日本 (NHKブックス)

二重言語国家・日本 (NHKブックス)

 

 

要約
 日本にはハレとケがあるが、ハレをケに持ち込み、毎日料理はある程度豪華でなければならないという発想が、台所に立つ人を苦しめている。
 
引用
 現代の私たちの生活は、まるでお公家様と庶民が一緒に暮らすようなアンバランスさを持っているのです。てのかかった暮らしに憧れ、高価なものが良いと信じて、一方で当たり前にやるべきことを嫌う。そこに矛盾と無理が起こってきます。ページ29
 
^_^ 平等の意味を履き違えて誰もが無理してマスコミの提示するお金のかかる普通にたどり着き、維持しようと努力して時に苦しみ、人生を傷つけてしまう。
 
引用
 地に足のついた慎ましい生活と贅沢が均衡するところに、日本人の幸せはあるように思います。ページ30
 
引用
 今では外の仕事の方が重要視されるようになって、暮らしがおろそかになっている。でも幸せは家の中、暮らしの中にあるものと思います。ページ31
 
三章「毎日の食事の意味」 
 
紹介書籍「体質と食物 健康への道」
体質と食物―健康への道

体質と食物―健康への道

 

 

毎日、料理して食べることこそが生きる柱になり得る。
 
引用
 こうした味噌汁は毎回違う味になります。再現性はありませんし、あまり美味しくならないこともありますが、たまにびっくりするほど美味しくできることもあります。そのうち、おいしいとかまずいとかは大きな問題ではないことがわかります。ページ57
 
^_^ 「おいしいとかまずいとかは大きな問題ではない」と言ってしまうところに先生の凄いところがあると思う。味噌汁は冒険だ!
 
引用
 だし汁の代わりに、野菜を油で炒めた時も同じ効果があります。先に炒めてから水を注ぎます。特にキャベツは効果的です。ページ59
 
^_^ キャベツ炒めの味噌汁か!今度やってみよう。
 
引用
 卵を入れるのであれば、味噌を解いてから煮立ったところにそっと割り入れて、火を弱めて好みの加減に3〜4分、火を通します。ページ59
 
引用
 味噌の中では、塩分その他環境的条件から、食中毒などを引き起こす細菌はほとんど生きられません。o157といった大腸菌を埋め込んでも死滅するのです。その力は驚くべきもので、歴史上、味噌に関わる食中毒の報告例は一件もありません。ページ65
 
^_^ その塩分がちょっと問題なんだけどね。

四章「作る人と食べる人の関係」 
 
名言
 見返りを求めない家庭料理は、命を作る仕事(清水博 東京大学名誉教授)
 
名言
 料理することは、すでに愛している。食べる人は既に愛されています。(土井善晴)
 
要約
 食べる人と作る人の関係が大事。
 
五章「おいしさの原点」 
 
紹介書籍「火の賜物」 
火の賜物―ヒトは料理で進化した

火の賜物―ヒトは料理で進化した

 

 

六章「和食を初期化する」 

七章「一汁一菜からはじまる楽しみ」 
 
引用
よそ行きのものよりも、毎日使うものを優先して、大事にしてください。
 
^_^ 毎日触れるものにお金をかけるのが正しいのだろう。よそ行きの服よりも毎日の服、お客さん用食器より、家族が毎日使う食器。週一でしか乗らない車より、毎日はく靴と持つカバン。
 
引用
いかがですか。欲しくなってきたでしょう。でも、それだけを目的にして買いに行かないでください。器との出会いを待つのです。心に留めておいて求めている時間は楽しいものです。ページ151
 
^_^ これってとても大事な事だと思う。欲しい→買うではなく、欲しい→出会いを待つ→買う。この出会いを待つ間の楽しみってあると思うんです。
 
引用
子供の時、買ってもらった新しいお茶碗は、すぐには下ろさないで、お正月まで我慢することで楽しいことを待つと言う嬉しい時間がありました。ページ152
 
^_^ これもありかもしれない。お正月まで待たなくても、月初まで待つとか、仕事に一段落つくまで待つとか。待つ喜びってあるよね。
 
 

『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』書評・目次・感想・評価

【『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』目次と読書メモ】

名言
人類の知識の進歩は急速となり、今の私たちには思いもよらぬものが発見される。私は自分がこんなに早く生まれてしまったことをほとんど後悔している。というのも100年後にわかることを知ると言う幸せが得られないからだ(ベンジャミン・フランクリン1783年)
 
はじめに 現在こそが古きよき日々
 
引用
 ときに人々は、我が国を再びグレートにして見せるための、お手軽で単純な解決策を持っていると主張するデマゴーグに浅はかにも世界を任せようとする。でもその解決策と言うのは経済の国有化、外国輸入品を阻止、移民の追放といった代物だ。そんなことをしても失うものは何もないと思うようなら、それはみんなが忘れっぽいだけだ。ページ20
 
^_^ 明らかにトランプのことを言ってるね。
 
名言
古き良き日々の最大の要因は、だめな記憶力だ。(フランクリン・ピアーズ・アダムス アメリカ大統領)
 
1 食料 頭と身体を働かせる十分なカロリー
 
引用
18世紀にはトマス・ロバート・マルサス牧師が、人間の数は常に手に入る食べ物の量を上回るのだと結論づけた。人口は幾何級数的に倍増するー2倍が4倍に、それが8倍、16倍になるーのに対し、農業生産は線形ー2から3、4、5へー2しか増えないと言うのがその見立てだ。食べ物が豊富なら、生き残る子供の数が増え、おかげで後に死者が増えるだけだ。人類は常に飢餓に苦しむ、マルサスは1779年に結論している。ページ29
 
^_^ これが悪名高きマルサスの罠というやつですね。これを突破するのに人類はどれだけかかったことか。
 
要約
20世紀で最も重要な技術発明はハーバー=ボッシュ法というアンモニア合成。これにより化学肥料が開発され、人口の急拡大とそれに耐えうる農業生産を成し遂げた。
 
^_^ 知らなかった。インターネットとか、飛行機とか言ったら笑われるね。
 
検索
ボーローグ ノーベル平和賞 
^_^ 恥ずかしながら彼のことをまったく知らなかった。
 
2 衛生 苦しみの源を浄化する
 
3 期待寿命 人はもうハエのようには死なない
 
4 貧困 未来への投資に目を向けるとき
 
引用
経済学者アンガス・マディソンの大雑把な推計によると、一人当たりのGDPー一人当たりの罪やサービスの価値ーは紀元1年から1820年までにたった50%しか増えなかった。ページ96
 
^_^ これはマルサスの罠にはまっていたということでもあるわけだね。財が増えた分、人口が増えると。結果、一人分は増えない。
 
貧困を減らすには経済成長が何よりも効果的であった。しかしこれとしばしば空想上のものでしかない「トリクルダウン」理論を同一にみてはいけない。
 
^_^ 経済成長が望めない日本ではどのようにして貧困対策をすれば良いのだろうか?それとももっと市場を開放し、規制を緩和すれば再び経済は成長軌道に乗り貧困が減少するのだろうか?
 
5 暴力 戦争を起こせば損をする
 
名言
財が国境越えないときには兵士が超える(フレデリックバスティア)
 
^_^ これは貿易が戦争を抑えるということだろう。
 
引用
テロリストが勝てる唯一の方法は、被害者が過剰反応して市民の自由を破壊し、少数の行動についてある集団全体を糾弾する場合だけらしい。それをやるとまさにテロリストたちの求める紛争が掻き立てられ、それでテロリストのリクルートもしやすくなり戦闘も続けやすくなる。ページ148
 
^_^ イスラム過激派のテロを受けた政府がこれは戦争だと叫び事をあえて大きくし、イスラム全体を非難し、イスラム全体を敵に回す。すると、穏健だったイスラムの人々の中から新しいテロリストを生む。個人的にはマスコミはもう少し報道の仕方を考えるべきだと思う。
 
6 環境 最悪のシナリオは回避された
 
環境問題解決の方法は過去に戻ることではなくさらに技術を発展させることである。
 
7 識字能力 みんなが参加できるということ
 
8 自由 自分を所有するのは自分だけ
 
引用
スペインとポルトガルが1500年代にアメリカ大陸を支配すると、土着民は弾圧され奴隷にされた。だがこのやり口に対する勇敢な反対者もわずかながらいた。中でも最も有名なのは、スペインのドミニコ会修道士バルトロメ・デ・ラス・カサスだ。彼は土着民も自分自身についてや信念や財産の権利を持っていると主張した。これでラス・カサスは人権理論の初期の主張者となっている。
でも自分の生きた時代から逃れるのは難しい。生涯50年かけて奴隷制と戦ってきたラス・カサスすら、奴隷制のない世界がどう機能するか説明できなかった。インディアンたちを奴隷にする代わりに、アフリカの奴隷を輸入してアメリカの農場で働かせろ、とラス・カサスは主張している。彼は後でこの主張お悔やみ、アフリカ人たちにだってインディアンと同じ個人の権利を持つと結論づけたが、この恐ろしい制度はラス・カサスの死後300年も続いた。ページ202
 
 
^_^ 「自分の生きた時代から逃れるのは難しい」という言葉は重みがある。現代に生きる我々も、とても残虐な制度を今、存続させているのかもしれない。死刑制度、ベーシックインカムのない世界、子供を産んで数ヶ月で子供を他人に預けて母親が働きに行かなければ生活できない世界、家畜の飼育方法、ペットの新種作出などなど。将来、我々は未来人に野蛮といわれる可能性は十分にある。
逆に言えば過去の人々を現在の倫理で野蛮と蔑むのもあまりに愚かなことだ。たとえばあのリンカーンもインディアンに対しては現在の倫理からいえばとても残酷な政策を取っていたことは有名。それで彼を野蛮と呼ぶのは間違っている。
 
人物
ウィリアム・ロイド・ギャリソン
民主主義はかなり豊かな国での方が生き残りやすいと言うことだ。一人当たりGDPが年1500ドル以下だと、新生民主主義が挫折するリスクがずっと高い。ページ219
 
^_^ アフリカの貧しい国で西欧の介入により民主主義が導入されても、すぐに崩壊してしまう理由はこの辺にあるのだろう。まずある程度は豊かにその後民主主義が定着するということだろう。そう考えれば大国として独裁が残る唯一の国、中国の民主化以降はやがて穏便に行われると考えるのが妥当かもしれない。彼らは豊かになった。
 
 自由民主主義の発想と言うのは多数派が少数派を支配する権利を持つと言うことではなく、政府の権力が常に危険なものだから常に抑えられるべきと言うことなのだ。民主主義は多数派の意見(それが何であれ)を常に重視する手法ではなく、どんな集団でありそれが他の集団に与える損害を制約する手段だ。だからそれは放置、少数派の権利、強い市民組織と組み合わせる必要がある。民主主義は天国に導いてくれる存在ではなく、地獄に落ちないようにしてくれるものなのだ。ページ222
 
^_^ そう考えれば日本の憲法改革論議はおかしなことになっている。権力の側が憲法を改正しようとしていると言う事、憲法は権力を抑えるためのものであるから、国民の側から憲法の改正の声が上がり、それが行われるべきではないのだろうか。現場見るに、権力側が憲法改正しようとしていると言う事は憲法を強化しようとしていると言うよりも憲法を弱体化させようと言う力が働く可能性が大いにある。
 
9 平等 かつてないほどの寛容性
 
^_^ 先進国で出生率が下がっているのは産む生まないの判断を女性に与えたことによる。多くの女性は本来的に多産を望まないのだろう。
では出生率の低下を抑えるにはどうすれば良いか、それは社会が、男性が女性に対して出産に対してより多くのインセンティブを与えるしか方法は無いのではないだろうか?
出産し育児をしている家庭に対して小学校入学までは働かなくてもいいほどの経済的な援助を行ったり、男性の育児参加の促進も多少なりともその効果をもたらすのではないだろうか?
 
人物
ベアテ・シロタ
引用
第二次世界大戦後、ナチス強制収容所を生き延びた同性愛者たちの多くは再逮捕されて、ドイツの1871年同性愛禁止法に基づく刑期を最後まで務め上げさせられた。西ドイツ政府は、強制収容所に入れられた人々全員に賠償金を支払ったけれど、同姓愛者は除外した。ページ257

^_^ これで見るといかに同性愛者が差別されてきたかわかる。
 
ジェレミーベンサムは、1785年に同性愛を犯罪ではないとする論説を書いている。それが社会への脅威だと言う発想を否定し、それは被害者のいない犯罪だから、したがってそれを刑事犯罪と見るべきではないと述べた。この主題はあまりに微妙だったので、当時はこの論説は公表されなかった ページ259
 
^_^ この一文を見ても、ベンサムをもってしても同性愛者を擁護するのがどれだけ危険な行為であったかが分かる。自分の論説は正しいと思っていても、それを公表することでどのようなことになるかベンサムわかっていたのだろう。現代でいえば2次元のロリコン好きを擁護するようなものか。
 
10 次世代 進歩は受け継がれる
 
おわりに それでもみんなが納得するしないわけ
 
名言
邪悪な時代がやってきて、世界は置いて倹約となった。政治は腐敗した。子供たちはもはや親を尊敬しない(紀元前3800年チャルデアの石に刻まれた碑文)ページ286
 
名言
もしランダムな偶然に勝てないならそれを無知とは呼べない(ギャップマインダー財団)ページ288
 
^_^ それは無知とは言わず偏見と呼ぶのだろう。
 
名言
現在を批判するのはライバルや同時代人と競争する手段であるのに対し過去を褒めるのは過去が競争相手ではないので容易なのだ(トマス・ホッブス 17世紀の哲学者)ページ297
 
名言
過去も現在もほとんどあらゆる文化は、今の男女は両親やご先祖の基準に達していないと信じている。(アーサー・ハーマン 文化史家)ページ297
 
^_^ とにかく現在が最高で未来は恐らくもっと良くなる。
 
訳者解説
 
紹介書籍「環境危機をあおってはいけない」
環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態
 

 

紹介書籍「繁栄」
繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(上)

 
繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)

繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史(下)

 
 
 
 
 

『リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理』書評・目次・感想・評価

【著者・ダン・ガードナーさんの気になる著書リスト】

 

専門家の予測はサルにも劣る

専門家の予測はサルにも劣る

 

 

【『リスクにあなたは騙される―「恐怖」を操る論理』目次と読書メモ】

プロローグ
 
 9.11のテロ以降、人々は恐怖のあまり、飛行機を利用しなくなった。
 その代わり自家用車で移動することが多くなり、1,500人以上が事故で死亡することになった。
 危険度は自家用車の方がはるかに高いのである。
 1,500人は恐怖によって死んだと言える。
 テロリストが一週間に一機ずつ飛行機を墜落させたとしても、やはり自家用車での移動の方が危険なのである。
 
 これは他の本でも紹介されていて知っていたが、何度読んでも考えさせられる。この認識のギャップがセコムなどの警備会社や保険会社などを肥え太らせているのだろう。
 
第1章 リスク社会
 
 人々は恐怖を煽り立てられるなぜなら、それは注目と利益をもたらすからである。
 今世界中で企業が、政府が、マスコミが、NGOが恐怖を煽り立てる。
 それは正しいリスクを反映していない。
 我々は人類史上最も恵まれた環境にいる。
 実は戦争も飢餓も乳児死亡率もかつてないほど低い値で止まっているのだ。
 我々には理性と本能という二つのシステムに動かされている。
 原始時代であれば本能は正しい判断を下したが現代においてはそうはならないことが多い。
 本能はニュースで見た海外の強盗事件を身近なものと判断して出かけるのを取りやめるように訴える。
 原始時代であれば強盗にあったのは同じ村の人ということになるわけで出かけるのを取りやめるのは十分、リスクに見合った判断だが、現代ではそうではない。
 テレビやインターネットで事件を見れば本能は身近なこととして判断するのだ。
 
^_^ 我々は恐怖を認識した時は立ち止まってシステム2である理性を呼び起こし、このリスクは10万人に対して何人に起こりうる?と問わなければならない。よくて間違った判断、さもなければ食い物にされる。
 
第2章 二つの心について
 
 現代は一気にさまざまなものが発展したが、我々が引き継いでいるのは原始時代から受け継がれた脳なので、本能は原始時代とさほど変わらない。
 人の頭の中には怠け者のティーンエイジャーの理性と、原始人が住んでいる。
 大抵は原始人がハンドルを握り時折、理性が口を出す。
 
第3章 石器時代が情報時代に出会う
 
 人はより思い出しやすい事柄の発生率を高く評価する。
 心臓病になりやすい自分の行動を3つ思い出させられた人は、8つ思い出させられた人より、自分の心臓病にかかる確率を高く見積もった。
 なぜなら、3つ思い出すのは8つより簡単だったからである。
 
^_^ 著者は発生率は地震の発生直後が一番低いとしているが、我々、地震国に住む人間にして見ればそれは認識不足である。余震や他の地震の誘発など、むしろ地震の発生率は上がるのを我々日本人は知っている。
 
紹介書籍「なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのかー記憶と脳の7つの謎」

 

なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか―記憶と脳の7つの謎

なぜ、「あれ」が思い出せなくなるのか―記憶と脳の7つの謎

 

  人はありそうな話を数日間想像させられると、いつの間にか20から40%の人がそれが事実だと思い込んでしまう。

 
^_^ 恐ろしいなぁ。〜ですね。〜見ましたね。〜だったんですね。って言われ続けた人の20〜40%は悪気もなく本当は見ていない目撃者になりうるというわけですね。そうなると、、、防犯カメラって大事ですね。
 
名言
経験は金のかかる学校を経営しているが、愚か者が他の学校で学ぶ事はないだろう(ベンジャミン・フランクリン)ページ85
 
^_^ 地震の件に関しては苦笑するしかないが、津波の件はなぜか津波の歴史があるのに、経験していないからか危ないところに家を建てる、、、。経験しなけりゃわからないのか、経験してもわからないのか、、、
 
第4章 感情に勝るものはない
 
 人は感情で判断し、理由を尋ねられて、から理性を働かせて考えるが、それは必ずしも正確ではなく、むしろでっち上げの方が多い。この車かっこいいと思ってなぜ?と尋ねられて答える時は大抵、無理やり理性が理由をひねり出し、それはでっち上げである。
 
^_^ 自動車会社はデザインを見せていい悪いを判断させても、理由はあてにならないから聞かないほうがいいようだ。
 
 人は良いものはリスクが低いと判断しがちである。
 日光浴は確実なリスクにもかかわらず人はそのリスクを低くみる。
 原子力に関してはリスクを高く考えるが、レントゲンを悪いものだとは考えない。
 大惨事、不本意、不公平が極度の恐怖をもたらす。
 あちこちで人が癌で死ぬより、事故でまとめて死ぬ方がリスクを高くみる。
 人は自然災害よりも人が起こす災害を大きなリスクとして捉える。
 惑星衝突のリスクは小さくみるのに、フセインの核攻撃の可能性は高くみる。
 
第5章 数に関する話
 
紹介書籍「裁かれた豊胸材ー全米を吹き荒れたPL訴訟の実態」
裁かれた豊胸材―全米を吹き荒れたPL訴訟の実態

裁かれた豊胸材―全米を吹き荒れたPL訴訟の実態

 

 

紹介書籍「運は数学にまかせなさいー確立・統計に学ぶ処世術」
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運は数学にまかせなさい――確率・統計に学ぶ処世術 *3

 

 人間の腹の部分は特に確率を理解することが難しい。
 一週間に5件殺人が起きれば何かあると考えるが大抵は偶然の産物である。
 しかし、多くの人はそれを理解できない。
 いやむしろ頭で理解できても感情というか本能がそれを許さない。

 
第6章 群は危険を察知する
 
名言
人間の知性は一旦1つの見解を受け入れてしまうと、その見解を支持しその見解に賛同するあらゆるものを引き寄せる。そして、より多くの店より重要性の高い事実が、その見解と逆の立場に見つかっても、なお、そういった事実を無視したり見下したりするか、さもなければ、何か違いを持ち出して脇に追いやったり拒絶したりする。こうして、この道超えた有害な決めつけによって、元からある結論の権威が無傷のままでいられるようにする(フランシス・ベーコン)
 
 同じような見解を持った人が集まって会合をすれば見解はより先鋭化、極化する。では危険なことではあるが事実である。
 
 利益とリスクを天秤にかけその重みを判断する基礎となり得るものは文化である。
 個人主義的な人はリスクを小さく見積もり利益を大きく捉える。
 より社会主義的な思想を持つ人はリスクを大きく捉え利益を小さく考える。
 これは人種の問題ではなく、文化の問題である。もちろん白人文化、黒人文化と言うものも存在している。
 
^_^ そう考えるとあらゆる反対運動を行っている人たちが多くの場合社会主義型の政党に属しているイメージがあるのはこういった傾向が反映されているからなのだろう。どちらが正しいのかではなく。
 
第7章 恐怖株式会社
 
紹介書籍「怖くて飲めないー薬を売るために病気は作られる」
怖くて飲めない!―薬を売るために病気はつくられる

怖くて飲めない!―薬を売るために病気はつくられる

  • 作者: レイモイニハン,アランカッセルズ,Ray Moynihan,Alan Cassels,古川奈々子
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本
  • クリック: 3回
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紹介書籍「心脳マーケティングー顧客の無意識を解き明かす」
心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす Harvard Business School Press

心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす Harvard Business School Press

 

 

 昨今の腹と脳と言う2システムの考え方は広告業界にやっと学会が追いついたとすら言えるものである。
 マーケティング業界は遠の昔にこのシステムを理解し利用してきた。そしてそれをさらに加速させようとしている。
 
 私たちはかつてないほど安全で健康であるにもかかわらず、怪我や病気、私についてこれまで以上に心配している。
 なぜか?部分的には、実際にはこれまでより安全で健康であると世間の人を納得させることによって金儲けができる機会はほとんどないが、恐怖を助長することによって作り出される巨大な利益が存在するからである。
 ルーズベルトが「いわれのない恐怖」と呼んだものは、感じている人や社会一般にとってはよくないことかもしれないが、株主にとっては素晴らしいものである。ページ208
 
^_^ 恐怖を利用して必要のないものを買わせるマーケティングはいくらでもその例を見つけることができる。ずいぶん前から思っていたが全く、、、。社会を恐怖に陥れても金が欲しいのか、強盗とそんなに違わない連中だ。特に気をつけなければならないのはマスコミと製薬会社そして保険会社だろうな。
 
 あまりにも断定的な言い回しであればそれは学者としての発言ではなく運動家としての発言と捉えるべき。科学者であれば最も確率の高い状態でも「可能性が非常に高い」程度、断定は避けるはず。
 
第8章 活字にするのにふさわしい恐怖
 
 メディアは統計的に意味のない、センセーショナルなニュースを漁り、それを報道している。その結果、我々の本能的な判断は狂わされている。
 癌で死ぬのはほとんど老人であり、サメは滅多に人を襲わない。
 
第9章 犯罪と認識
 
 視聴者の恐怖心とメディアの煽り立てはタンゴのように踊り舞い上がりそこに政治が絡んでくる。
 犯罪者に厳しくすれば支持を得られるので犯罪は減っているにもかかわらず、より厳しい法が可決され刑務所には犯罪者が溢れる。
 
第10章 恐怖の化学
 
名言
すべての物質は毒である。毒でないものは存在しない(パラケルスス 医師・錬金術師)
 
 毒を治療と区別するのは正しい投与量である。これは毒性学の第1原則である。ページ343
 
 金儲けが目的の企業、票が目当てのの政治家、社会的影響力を求めるNGOなどが我々の直感に訴える。
 化学物質は危険だと。微量でも危険です。だって安全だって証明されてないんでしょ?だったら危険ということにしておきます。
 対策には費用がかかる。
 何事もトレードオフであり、より安全にすることはできるが、完全に安全にすることなどできない。
 恐怖は誤った方向に利用され、真の問題、喫煙や運動不足、野菜不足などが無視されている。
 
第11章 テロに脅えて
 
 民衆の敵ナンバーワンで昇格する事は、まさにテロリスト集団が求めていることだ。ページ427
 
 テロリストとの戦争を宣言することは、テロリスト集団が求める名声を手渡すことだ。ページ428
 
^_^ まさにブッシュはそれを行った。9.11を利用した。そしてビンラディンもそれを利用した。2人は共闘関係だったと言っても良いのかもしれない。ビンラディンが9.11以降、アルカイダが9.11以降、力をつけたのは間違いない。アメリカ政府が違った対応をしていたらもっと違った結果になっていたのでは?
 
紹介書籍「500億ドルでできること」
五〇〇億ドルでできること

五〇〇億ドルでできること

 

 

第12章 結論ー今ほど良い時代はない
 
紹介書籍「今世紀で人類は終わる?」
今世紀で人類は終わる?

今世紀で人類は終わる?

 

 

 人は過去を知っているのでここは暗闇に閉ざされていない。
 現代がとても良い時代である事は間違いないのだが、将来は見通せないので人々は恐怖を感じる。
 いつの時代においても人々の情報を煽るビジネスは存在し、そのようなドラマ映画小説はビジネスとして成功を収めている。
 しかし、専門家の未来予測も調べてみれば猿の予測に劣り、恐怖の予測もことごとく外れてきた。
 
^_^ 少なくとも未来を予測するものはほぼ読む価値はないと言えるのかもしれない。過去を学ぶことで起きたことに対処できるが未来予測はあてにならない。
 
 
 
 
 
 

*1:ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ

*2:ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ

*3:ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ

『子どもは40000回質問する あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力』書評・目次・感想・評価

【『子どもは40000回質問する あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力』目次と読書メモ】

はじめに「知りたい」という欲求が人生と社会を変える
 
第1部 好奇心のはたらき
第1章 ヒトは好奇心のおかげで人間になった
 
名言
興味深いことに出会った時には、すべて中断してそれを探求すべきだ(B・F・スキナー)
 
紹介書籍「風景の経験」
風景の経験―景観の美について

風景の経験―景観の美について

 

 

人は好奇心のおかげで人となりサバンナから出て世界中に広がり、宇宙にまで進出した。
 
第2章 子どもの好奇心はいかに育まれるか
 
子どもは質問することで世界を知る。しかし、質問をするというのは実は高等な行動である。
自分が無知で問いかける相手が信頼に足る相手であると判断しなければならないからである。天才ボノボのカンジはとても賢かったが質問するということはできなかった。
 
第3章 パズルとミステリー
 
名言
好奇心とは疑問に答え、空白を埋めたいと思う知的欲求だ。ストーリーはこれと逆のことをする。つまり。疑問を投げかけ、意図的に空白をつくることによって、人間の普遍的な願いに訴えかけるのだ(ロバート・マッキー シナリオ講師)ページ93
 
どんなときも観衆に最大限の苦痛を感じさせること(アルフレッド・ヒッチコック)
 
紹介書籍「シェイクスピアの驚異の成功物語」
シェイクスピアの驚異の成功物語

シェイクスピアの驚異の成功物語

 

 

好奇心とは知っていることと知らないことの隙間を埋めたいという欲望である。
 
世の中には二つの謎がある。一つがパズル、パズルには答えがある。もう一つがミステリー、明確な答えはない。
オサマビンラディンはどこにいるのか?はパズルだが、テロを防ぐにはどうすればいいか?はミステリーである。
その点でミステリー小説は実はパズル小説である。
 
^_^ インターネットを知的好奇心の敵だという考え方が紹介されているが、グーテンベルク活版印刷を知的好奇心の敵だと言うのと大差ないのではないだろうか?
活版印刷のおかげで誰もが過去の知恵にすがり、一から理論を組み立てようとしない偉大なる叡智の危機だと言っているようなものではないだろうか?
ネットで調べてわかることはネットで調べればいいわけで、他にわからないことはいくらでもある。人間はそちらに知恵を絞ればいいのだ。例えば世界から飢餓をなくす方法とか、戦争をなくす方法、タイムマシンを作る方法、ガンになった友人を励ます方法、どれもネットには完全な答えはなくそれぞれが考えることを求められる。そのために基本となる過去の知恵をネットに求めて何が悪いのだろうか?
 
第2部 好奇心格差の危険
第4章 好奇心の三つの時代
 
ウィキペディアの正しい使い方は調査の第一歩として利用することウィキペディアを終着点にしないこと。ウィキペディアが秩序に欠け、反論が多く、絶えず修正されていることは、科学の進歩の過程と重なる。
 
^_^ そう言われると納得。科学も異論反論があり、常に修正され続けている。
 
第5章 好奇心格差が社会格差を生む
 
紹介書籍「大格差」
大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか

大格差:機械の知能は仕事と所得をどう変えるか

 

 

^_^ この本の内容を読んでいると、好奇心を持つものは社会で成功し、高い収入を得ると述べているように思える。好奇心とは金儲けや出世の手段だろうか?もっと純粋な喜びではないだろうか?そう考えるのは僕が甘い人間だからだろうか?好奇心という食欲、性欲、睡眠欲に次ぐ欲望だと考えるなら、この好奇心を結局は金儲けや出世などの俗世の欲にまみれさせてしまうのはあまりに惜しいと思うのだ。
それでは出世のために結婚し、収入を増やすために効率的な食事をし、仕事で成功するために寝るのと同じではないだろうか?
好奇心はそれを持つ人の人生を豊かにする。でいいではないか。まったく金にならない探求で、それがもしかしたら経済的成功から遠ざけることになっても。
 
第6章 問いかける力
 
イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

 

 

質問をする力は大きな力となりうる。しかし、時に権力者やあらゆる組織の上層部は責任を逃れるためにあらゆることを知らなかったことにするし、あえて知ろうとしないという処世術を取る。
 
^_^ 日本でも政府でも企業でも知らなかったで済ませる上層部の多いこと。平時は自分は優秀をアピールしまくるくせに、有事には会社の現実を何にも知らない無能の誹りを甘んじて受けなければならないレベルで何にも知らなかったを貫くのだ。何のための管理者だ?取締役だ?何のための高い給料だ?組織を束ねる気概もなく自己保身と無知で武装しつつ、どこまでも強欲な連中、、、。何なんだろうかまったく。かわいそうな奴らだ。
 
質問すべき時に質問できない理由
・愚かに見られたくない。
・忙しすぎる
・文化的障壁(アメリカなら前向きな質問以外は敬遠されるし、儒教的文化なら上司への非礼になるのではという不安)
・質問する能力がない
 
第7章 知識なくして創造性も思考力もない

 モンテッソーリなどの教育関係者が主張する子どもには指導役の教師は必要ないは誤りである。
 なぜなら人間は人から人へ物を教えることでここまで文明を築いてきた。
 創造性を潰すような教師がいるからといってすべての教師を否定するのは暴論である。
 科学者や発明家が偉業を成し遂げる年齢が次第に高くなっている。
 なぜなら、過去の叡智が深まりそれを習得するのに時間がかかるようになったからである。
 
^_^ この意見には賛成。特に本当のベースの部分は詰め込み教育も必要だと思う。九九を学ぶのに最適な方法があるのにあえて教えないとか、基礎的な母国語も好奇心を待って教えるなどはまったくナンセンスだと思う。もちろん、良い教師、よくない教師はあるだろうが、創造性は知識なき猿からは生まれない。知り、考え、組み合わせ、発明するものではないだろうか?インターネット時代とはいえ、それがあるのを知らなければしらべようもないのだから、りんごを知らない人はりんごを調べられないわけだから。
 
^_^ 基礎的な知識とは浮島や飛び石、橋頭堡のようなものではないだろうか?好奇心が知っていることと知っていることの隙間を埋めたい衝動だとすると、まずは最初の知識がなければ好奇心という学習意欲すら生まれない
基礎的学習が退屈なのは認めるし、それなりの教師のスキルも必要だが、やはり基礎的な知識を詰め込まなければ世界が広いことも自分がどれだけ無知であるかも知ることができない。
 
 グーグルの創業者がモンテッソーリで学んで活躍したという指摘があるが、当然進歩的な学校は私立であり、彼らはすでに教育熱心な家庭で育ち基礎的学習を済ませていた可能性が高い。
 自主性に任せた教育はすでに優秀な生徒をより優秀にするのには効果的なのだ。
 だからといってそれを学びの乏しい子供達に施せば彼らに壊滅的ダメージを与えてしまう。
 彼らは自主性を生かす基礎ができていないのだ。
 
紹介書籍「成功する子 失敗する子ー何が「その後の人生」を決めるのか」
成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか

 

 

紹介書籍「学生部長の十二月」
学生部長の十二月 (1983年) (Hayakawa novels)

学生部長の十二月 (1983年) (Hayakawa novels)

 

 

小説は思想を超えた共感を生むのに役立つ。
 
第3部 好奇心を持ち続けるには
第8章 好奇心を持ち続ける七つの方法
 
紹介書籍「星界の報告」
紹介書籍「人類5万年 文化の興亡ーなぜ西洋が世界を支配しているのか」

 

人類5万年 文明の興亡(下): なぜ西洋が世界を支配しているのか (単行本)

人類5万年 文明の興亡(下): なぜ西洋が世界を支配しているのか (単行本)

 
人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)

人類5万年 文明の興亡(上): なせ西洋が世界を支配しているのか (単行本)

 

 

名言
科学の世界では大きな進歩を実現するには、無知をはっきりと自覚することが第一歩になる(ジェームズ・クラーク・マックスウェル 物理学者)ページ231
 
紹介書籍「広告マンバイブル」
広告マンバイブル

広告マンバイブル

  • 作者: ジェームス・ウェブヤング,James Webb Young,今井茂雄
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 1994/07
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紹介書籍「アイデアのつくり方」
アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

 

 

名言
株の優れた目利きになる前に、まずは一般教養を身に付けなければならない(チャーリー・マンガー バークシャー・ハサウェイ副会長)ページ246
 
紹介書籍「交渉の達人」
交渉の達人

交渉の達人

 

 

紹介書籍「無理せずに勝てる交渉術」
無理せずに勝てる交渉術

無理せずに勝てる交渉術

  • 作者: G・リチャードシェル,G.Richard Shell,青島淑子
  • 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
  • 発売日: 2000/12
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名言
辛いことを最小限にとどめ、幸せを最大にする素晴らしい力が欲しいなら、小さな物事をよく観察すべきである。(サミウェル・ジョンソン)ページ278
 
私たちは自ら外的な報酬を設定することがあり、それに向かって努力する時、知らぬ間に内発的動機づけが蝕まれる可能性があるのだ。ページ282
 
^_^ 将来のためや、報酬のために物事を行うのではなくそれ自体に興味を持って行うことでそれ自体から面白さを得ることができるということか。
 
良好な関係を保っているカップルは料理は生地、日曜大工といった日々のありふれた共同作業の中に面白さを見つけるのがとてもうまいことを突き止めている。ページ286
 
^_^ 相方との共同作業に面白さを見つけるということか。
 
 あなたがどこか退屈な場所で生きている時ーそもそも私たちは誰もが退屈な場所で生きているーその場所をどう見るか、2つの選択肢がある。
 1つは普通の人たちと同じような意識で日々を過ごすことだ。同じものを何度も目にしても、それがどんなふうにそうなったのか、どうしてそんな状態にとどまっているのか、どうしたらもっと良くなるのか1度も考えずにいる。
 もう一つは学ぶと言う選択肢だ。学ぼうと決めて周囲のものに好奇心を抱いたら、あなたはもう二度と退屈しないことを選択したのである。ページ287
 
おわりに さあ、知識の世界を探求しよう
 
紹介書籍「見える暗闇ー狂気についての回想」
見える暗闇―狂気についての回想

見える暗闇―狂気についての回想

 

 

紹介書籍「黒い太陽ー抑鬱とメランコリー」
黒い太陽―抑鬱とメランコリー

黒い太陽―抑鬱とメランコリー

 

 

紹介書籍「永遠の王」
永遠の王〈上〉―アーサーの書 (創元推理文庫)

永遠の王〈上〉―アーサーの書 (創元推理文庫)

 
永遠の王〈下〉―アーサーの書 (創元推理文庫)

永遠の王〈下〉―アーサーの書 (創元推理文庫)

 

 

 アイザック・ニュートンは1676年に、自分は巨人の肩に乗っているような気がすると書いている。
 2000年を過ぎて、現在の私たちは全体を見渡せる高台から、息を飲むばかりの荘厳な景色を眺めることができる。
 ニュートントマス・ジェファーソン、アルベルト・アインシュタインよりも恵まれた景色を堪能できるのだ。
 過去の時代を生きた普通の人々と比べても、はるかに恵まれているのは言うまでもない。
 彼らのほとんどは生まれつきどんな好奇心が旺盛でも、私たちより狭い知的世界に閉じ込められていた。
 今では多くの知識を手に入れる手段も豊富にある。
 モンテーニュの思想を、1連科学、ブラックホールモダニズム建築、あるいは経済学者フリードリヒ・ハイエクの理論。
 望みさえすれば何でも学ぶことができる。
 文化的知識についても同じことが言える。
 忘れてしまいがちだが、ベートーベンやビートルズが登場する前よりも、後に生きる方が恵まれているのは紛れもない事実だ。ページ301
 
^_^ このように言われるとしびれる。学ぶことができることがこんなにもあるのだ。学ぶことが喜びならば現代ほど天国に近い時代は無いだろう。さらに人生は長くなった。さあ、何から学ぼう?