ネットとリアルをデータでつらぬく『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』書評・目次・感想・評価
【Q1】どんな人にオススメ?
ネット企業が次々リアル店舗に進出してきている理由とその勝算を知りたいあなた。
ネットとリアルを融合することで現れる新しい小売りの形を知りたいあなた。
【Q2】立読みするならどこ?
「PART4 購買体験をデザインする」で先端企業がどのようなビジネスモデルを構築しているかを知り、オムニチャネルの実像が掴める。
【Q3】この本の弱みは?
解説の部分は実例を挙げてもらってやっと理解できるほど難解。専門用語連発で頭に入ってこない。
【Q4】この本の強みは?
ネットとリアルの融合で顧客の選択から購入、さらには体験にまですべてにおいて企業がアクセスできるようになり、小売業がどのように進化すべきか、またその際、顧客の信頼を裏切らないように、どのような点に気を付けなければならないかを学べる。
【著者・岩井琢磨さんの気になる著書】
【『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』極個人的読書メモ】
PART1 アマゾンの脅威
アマゾンはアマゾンダッシュ、 アレクサなどで家庭内に注文スイッチを設置し、アマゾンゴー、 アマゾンブックスなどで、 オンラインからオフラインへ進出しようとしている様に見えるが、 それはオンラインでもオフラインでも顧客を囲い込み、 顧客データを集め、新しいビジネスの形を生み出そうとしている。
オンラインvsオフラインの対立軸を未だに持っている企業はその 新しい波に飲み込まれる。
!アマゾンブックスは日本にも来て欲しいなぁ。 アレクサも試してみたいし。1消費者としては。でも、 オンもオフも全てをアマゾン日本に支配されるのは怖い気はする!
PART2 チャネルシフトの最前線
チャネルには
選択オンライン×購入オンライン
旧来のネットショップ zozoタウンなど
選択オンライン×購入オフライン
選択オフライン×購入オンライン
アマゾンゴーなど
選択オフライン×購入オフライン
ファッション、家具、食品、タクシーまでオンライン、 オフラインマトリックスにおけるチャネルシフトが起きている。
!オンもオフも融合した販売形態が各業界で起きている。 面白い事になっているが、旧来型既存企業は大変だ⇦他人事!
PART3 店舗至上主義の限界
それでも伝統的なオフライン企業ではオンラインは店舗展開してい ても別建ての1部門に過ぎないが、 もはやそれではオフラインも巻き込んでチャネルを展開していくオ ンライン企業に敗北する。
オンラインとオフライン実店舗を再編してオムニチャネル化が必要 になってくる。
PART4 購買体験をデザインする
購買の瞬間だけでなく、体験、 活用の時間も企業としてアクセスすることを考えなくてはいけない 。
アメリカのザメルトはオンラインで注文して実店舗でクイックに受 け取れるようにすることで待ち時間などの価値のない時間を減らす ことに成功している。
オンラインへの移行が可能なサービスはオンラインに移すことでオ フライン店舗は高度な接客に注力できる。 コナカの子会社がそれを実現している。
! アプリでパンなど焼きたて出来立ての品物の完成時間をお知らせす るサービスはどうだろう?その場からの距離とかも計算に入れで。 シズル感も、届けられればたまらないのでは?!
PART5 無印良品のつながり
いろいろな顧客情報を緩やかに統合した。 すべてを統合するとなると顧客からの許可も含めコストが莫大にな る。
MUJIパスポートは顧客の情報を集めるのに大変活躍している。
PART6 つながりがマーケティングを変える
伝統的企業ではネットと実店舗の縦割りに顧客情報という横串を通 さなければならない。 ネット担当と実店舗担当は仲が悪いので協業が、 難しいが危機感の共有はできるので、 そこを突破口にできるかも知れない。
今後は店舗ごとの売り上げではなく、 顧客ごとの売り上げデータを見ることになる。
アマゾンが大手スーパーを買収したのはそこでさらに顧客データを 集めるためでは?
オイシックスではログインすると既に買い物カゴには商品が入って いる。ここから顧客が取捨選択したり追加したりする。 つまりは企業と顧客は対話しているのだ。 野菜は旬などでオススメするものもあるし、 在庫管理が難しいのでこのやり方は成果を上げている。
また、 無印良品オンラインでは遅割という配達を繁忙期からずらすことで 安く買えるというキャンペーンを行ったところ1数パーセントほど 参加があり、好評であった。良い取り組みであったが、 強制であればおそらく炎上していただろう。 この点でも顧客との対話はとても大切なのだ。
86点
3時間