『ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法』書評・目次・感想・評価

【Q1】どんな人にオススメ?

 うまくいかないのは時間や資金などのリソースが不足しているからだと諦めているあなた。リソース不足を知恵で乗り越える心躍る物語を知りたいあなた。

【Q2】この本の弱みは?

 8章の「見当違いは「ケガ」の元」は不要だったかも知れない。なんでも行き過ぎは悪徳だがせっかく盛り上がったストレッチへの気持ちがちょっと萎える。著者も言っていたが、この本を読んで実際にストレッチを実行するひとは少なく、ましてや行き過ぎてしまう人などもっと珍しいのだから、わざわざ釘を刺す必要があったのだろうか。

【Q3】この本の強みは?

 もちろん内容自体がとても意義深いのですが、読んだ人が実際にストレッチを実行できるよう9章の「ストレッチ12のトレーニング」を用意してくれている点。個人的には自己啓発本は読むだけでも判断や決断時に影響を与えるので読むだけでも十分価値があると思っているのですが、読者により強い影響を残そうとトレーニングを用意してくれた著者には感謝です。

ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法

ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法



【『ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法』目次と読書メモ】

1.2つのビール会社の物語 今あるリソースの価値を知る
 
 2つのビール会社があった。
 1つのビール会社ちっぽけであったが手持ちのリソースの中で最大限に生かして大きく成長した。
 もう1つのビール会社は大きなビール会社であったが親族は役員報酬を100万ドル貰い、借金をしながら買収を繰り返して大きくしようとしていたが、つまづいた。
 そして運営していた工場はもう1つのビール工場に格安で買い取られた。
 ビジネスをする手法はチェイシングとストレッチングに分れる。
 チェイシングは釘を打つのにホームセンターで金づちを買ってくる
 今後、必要になるかもしれないからとセットで買ってくる。
 ストレッチングは釘を打つに手持ちのものでやってみる。
 石でもいい、レンガでも、大きな懐中電灯でも。
 チェイシングは心地よいが他の人がより良い金づちを持っていればそれだけで気分が良く無い。
 
 一人の野球選手がいた。
 彼はウォルマートの駐車場のバンに住んでいた。
 時に人々は彼に恵もうとしたが彼は丁重に断った。
 彼はシーズンオフにアルバイトすらした。
 すべては自分の好きな野球をするために。
 他の人が浪費する中、彼はそのようなものに興味を示さなかった。
 宗教のせいで追放され、酷寒の山中に42年も生きてきた家族がいた。
 彼らは手持ちのリソースで子供を二人育てた。
 バンに住めとは言わないがチェイシングではなく、ストレッチングは危機に際しても柔軟でレジリエンスがある。
 
!自分は典型的なストレッチマンだなぁ。各エピソードに出でくる人たちのについてもっと知りたい!
 
2.隣の芝はなぜ青い? リソースを追い求める「4つの要因」と「弊害」
 
 シリコンバレーの近郊に高級住宅街がある。
 そこでは残念なことに水資源の事情が悪く、干ばつで給水制限が実施されることもあった。
 しかしそこの住人は罰金を払ってでも芝生に大量の水を撒くのをやめなかった。
 彼らにとって青々とした芝生は成功の象徴で地域の人にとって貴重な水資源を使ってでも維持したい見栄えであった。
 もっと見栄え良く、もっと豪華に、チェイサーの陥りやすい罠だ。
 チェイサー気質の新人は上昇志向が強いためか、3年後はそれ以外の人よりうまくいっていることが多いが、七年後にはその差はなくなっている。
 もっともっとは長期的にうまくいかないことが多いらしい。
 
!手に入れられるリソースに合わせて、使うリソースを拡大していくことのリスクをつくづく感じる。人は使うリソースを減らすのはとても難しい。使用リソースの限界を厳格に決めて、たとえ、より多くのリソースを得られるようになっても使用するリソースは増やしてはいけないのだ。見栄っ張りのリソース競争からはサッサと離脱すべきだ!
 
3.万物に美点あり ストレッチの「4つの要素」と「メリット」
 
 制約があった方が人は創造的になりうる。
 リソースが十分にあれば人は椅子を椅子としか見ない。
 リソースが豊富でありながらストレッチマインドを発揮する方法がある節約である。
 ホームセンターの創業者は豊富なリソースがありながら節約の精神でビジネスを構築し、リソースをストレッチすることでとてつもない成長企業を作り上げた。
 しかし、他の人にお金を払うことには寛容で社員に株(自分所有の)を配ったり、匿名であちこちに寄付したりしている。
 市場で野菜や果実が傷や見た目で処分されているのを見て高級ジャムの会社を起こした人がいる。
 その会社では元麻薬依存患者や、障害のある人が働いている。働く人も見た目で判断しないのだ。
 
ホームセンターの話で思いついたんだが置き薬の方法で例えば自動車修理工場に部品を供給できないだろうか?使った分だけお支払いである。どうだろう?
文中に8時間の運転で行けるところは車で移動とあったが、時間も貴重なリソースだと考えればそれはどうなんだろう。リソースはお金と時間。たいていは時間の方が貴重である!
 
4.いつでも「部外者の視点」を 見方を変えて秀でる方法
 
 Netflixは自社のビデオのオススメの効率を10%向上させる方法に100万ドルの賞金を掛けた。
 そこで何の変哲もない男がかなりいい線まで行った。
 彼は過去に行動心理学の講座を取っておりそれを元に応募し、いい線まで行った。
 多くは数学者たちの争いだったが、その数学者と組むことで効率は更に上がった。数学者同士で組むよりはるかに良い組み合わせになった。
 彼はアウトサイダーであったからだ。
 アウトサイダーは外部の知識を持ち込むので新しい突破口を開く。
 テレビに出ている専門家の予想は当たると、少なくとも素人よりも当たると考えられているが、実際は素人と差はなかった。
 一方、好成績を上げたのはその物事を深く知る専門家のではなく、幅広く様々な知識を持つコメンテーターだった。
 昔は建築家で発明家で芸術家であるレオナルドダビンチのような人材がもてはやされた。
 政治家で発明家で外交官でもあるベンジャミンフランクリンのような人物もいた。
 分業を解いたマルクスもまた哲学者で経済学者で、革命家と複数の能力を持つ人だった。
 しかし、そのマルクスが薦めた分業は人を1つのことに集中させ複数の技能を持つ人を減らす結果になった。皮肉なものだ。
 卓越した科学者の多くが芸術にも造詣が深い。
 これからは橋を設計し、詩を書く様な人が必要だという意見も聞かれる。
 
!やたらと乱読している自分としては嬉しい話。
 
5.台本がないほうがうまくいく 計画の前に行動せよ
 
 南北戦争時、北軍の将軍は計画立案にこだわり、南軍が軍を分けているというチャンスをみすみす見逃し最後には首になった。
 計画立案と成果には弱い相関関係しかない。走りながら計画を立て計画を立てながら走るべきだ。
 のちにスパイキッズを撮ることになるロドリゲス監督は7000ドルで最初の作品を撮った。
 彼はある意味、行き当たりばったりではあるが、少ないリソースの中で、映画を完成させた。
 ある意味、7000ドルは映画学校の学費としても安い。
 彼は少ないリソースで作り上げることができるので自分が撮りたくない超大作を撮らずに自分の撮りたい映画を撮り続けることができた。
 この映画業界を楽しんでいるのは自分だけだとロドリゲス監督は言う。
 著者は昔、授業の時に次に指名する学生を決めていた。その方が心の準備もできて良いと思ったからだ。
 しかし、学生は1つ前の学生の発言と同じ様な発言を繰り返した。
 なぜか?自分が差されるとわかっていたから自分の発言内容を検討していて、1つ前の学生の発言を聞いていなかったからだ。
 つまり、計画立案に必死で実践がうまくいっていなかったのだ。
 その点、即興劇は面白い。何しろ前の人のセリフを聞いていなければ自分のセリフを適切に即興できないからだ。
 人生の多くの場面は綿密に計画立案されているより、即興劇的なことが多い。
 
!始めても途中で投げ出すことが悩みなんだが、綿密な計画があってもなくても同じなら計画立てずにやってみるか?!
 
6.「期待」が人を変えてゆく ポジティブな予言の種をまこう
 
 賢い馬エドと呼ばれる馬がいた。
 彼は人のわずかな変化を読んで算数や国語の問題を解いた。
 つまり、期待しているかいないかは、読み取ることができるので、同じように振舞っているようでも違いが出る。
 虐げられていた黒人女性がいた。
 自分の髪が抜け落ちた経験から、シャンプーのビジネスを展開した。
 彼女は黒人である為にホテルに泊まれず、女性であるが上でビジネス上、いわれの無いトラブルも多かったが、ホテルの代わりに地元の黒人有力者の家に泊まるなど、少ないなりにリソースを最大限活用しビジネスで大成功した。
 ある学校で期待に関する実験をした。
 IQ的に平均になるようにクラスを割り振り、1つのクラスはこのクラスはIQの高い子を集めたので今年飛躍的に伸びる子が多いといい、もう1つには逆を言った。
 すると、同じ素質であるはずなのに良い期待を受けた子供たちは予言通りに優秀な成績を残した。
 ちなみにこれは小学校低学年での実験で、高学年では差は見られなかった。
 これはやはり低学年の方が自分に対する評価が固まっていないのでということもあるのだろう。
 もちろん、悪い期待、ダメだという先入観を与えると結果的に予言は実現する傾向がある
 組織改革に置いては悪い期待が生じやすい。組織改革する際はトップは抵抗を予想する。
 そして抵抗があることを前提に、時に権力を使ったり、高圧的な態度に出てしまうことがある。
 すると改革に中立的だった人間すら抵抗する側に追いやってしまう
 そして、建設的な意見も反抗と捉えてしまう。
 すると、予想を悪い方に実現させてしまうのだ。
 
!組織改革の話は面白い。確かに抵抗に備えて手を打てば時として反感を買うだろう。トップは一呼吸置いて意識的に中立的に慎重に改革を進めなければならないのだろう。これは家庭内でもありそう。お父さんが急に上からモノを言う感じになって、家族から反感が、、、!
 
7.ミックス! 思わぬ取り合わせの威力
 
 ワゴントラック料理人たちは激しい競争をしながらも、友情を育み、互いに成果を上げている。
 人々は互いに争う時より、互いに協力し会う時の方が合計の成果を大きくする。
 良い職業人が良い親になれないと長い間考えられてきた。
 しかし、ストレッチャーはそうは考えない。
 二者択一を両方選択に変える。
 僻地に電気を引くと考えた時、環境と電気の両取りで太陽電池での発電を思いつくなどだ。
 実用ゴムを発明したグッドイヤーさんは商売下手でタイヤのグッドイヤーは彼を称えてこの名になっているが実は何にも関係ない。
 
^_^ こういう人いるよね。愛すべき発明家だ。
 
 また修正液を発明した人はペンキ塗りから思いついた。
 
^_^ 知恵で二者択一を両方選択に帰る事は考えてみる必要がある。相方との協業ももうちょっとうまくやれないものだろうか?
 
8.見当違いは「ケガ」の元
 
ケチ
 ケチすぎても問題。
 コンプライアンスに関するお金を払わなかったり、給料の不払いで訴えられたり。ケチと倹約家は違う。
 倹約家はお金を払うときに正当な理由を必要とするだけ。
 ケチはお金を出すそれだけで苦痛を感じる。
 
学習とパフォーマンス
 物事をやるときは学習とパフォーマンスの両方を意識した方がいい結果が出る。
 
広げすぎ
 あちこちに手を広げ過ぎると結局何もものにできずに終わる可能性がある。
 
学ばず飛び出す
 直感を信じるとか言って調査もなく飛び出すとひどい目にあう。致命的なダメージは避けるべき。
 
^_^ ビジネスも生活も小さく試してみるの心はとても大事。また、倹約家として納得いくときは喜んでお金を使うようにしたい。
 
9.ストレッチ12のトレーニング
 
 破傷風のワクチンを受けさせるには恐怖で脅すより、なにより地図を渡す事が効果的であった。
 たとえ、その人が目的地を知っていても。
 だから、ここにストレッチを実行する地図を記す。
 
^_^ 地図ってそんな効果があるのか。やってもらうには詳細マニュアルって事だな。
 
ノー
 豊富なリソースだけにつられず、ポリシーや自分自身で考えて、時にはリソースが少ない方が良い結果をもたらすことがある。 6ワードの使いまわしのみで書かれた小説がある。
 
眠れる森の美女
 
 自分自身や自分自身の中にあるリソースに気づく。
 
探検
 
事後の計画
 飛び込んで言って学び。それを記録に残す。
 
^_^ 事後の計画という言葉自体が面白い。
 
 後列をランダムに
 チェスの後列をランダムに並べて遊ぶやり方がある。
 決まったやり方に固執せずに新しい風を吹き込み、いつもと違う駅で降りて、いつもと違う人と会う。
 
隣人
 人は隣人に影響されやすい。
 貧富の差が激しい地域では人々は物欲たっぷりの検索ワードでネットの海を泳ぎ回っている。
 
分解
 蝋燭を糸と蝋に分解したり、円柱として使ったり、手にあるものを分解して考えると新しいリソースに気づける。
 
感謝 5つ
 毎日、感謝を5つ。
 
^_^ これはいろいろな本で書かれているから実行したい。っていうか実行しろ。
 
クローゼット
 クローゼット片付けろ。
 
^_^ ここでも近藤麻理恵さんの事が書かれていた。あの人、アメリカでも有名なんだなあ。

 

人生がときめく片づけの魔法

人生がときめく片づけの魔法

 

 

集中しない
 人は集中していない時の方が新しいことを思いつきやすい。
 
98点
3時間。
 

 

ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法

ストレッチ 少ないリソースで思わぬ成果を出す方法

  • 作者: スコット・ソネンシェイン,Scott Sonenshein,三木俊哉
  • 出版社/メーカー: 海と月社
  • 発売日: 2018/04/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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