『ブルー・オーシャン・シフト』書評・目次・感想・評価
【Q1】どんな人にオススメ?
ビジネスでライバルだらけの中でわずかな差異や価格競争で血みどろの闘いに疲れているあなた。またはそんな部署、そんな会社にいるあなた。
【Q2】この本の弱みは?
あえて言うなら個人にも大企業にもと広範なターゲットに向けて書いているので、できれば個人向けと一つの事業に携わる中小企業向け、複数の事業を展開する大企業向けと分けて書いて欲しかった。落ち着いて考えてみると顧客本位で新しい需要を創造したり、新しい顧客に向けてサービスを創造するという至極当たり前のことを言っているに過ぎない。しかし、当たり前のことがなかなかできないのだが。
【Q3】この本の強みは?
個人の自己啓発本としても応用可能な内容で、会社経営に関わっていなくても、学ぶべきことは多い。社内でのポジション争いにも応用できそうだし、ネット上はレッドオーシャンだらけだが、同時にブルーオーシャンも常に開拓されていることも考えると個人のネットビジネスにも応用できそうな内容だった。
【著者・W・チャン・キム,レネ・モボルニュさんの気になる著書リスト】
[新版]ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する (Harvard Business Review Press)
- 作者: W・チャン・キム,レネ・モボルニュ,入山章栄,有賀裕子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/09/04
- メディア: 単行本
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- 作者: W・チャン・キム,レネ・モボルニュ,DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/01/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【『ブルー・オーシャン・シフト』目次と読書メモ】
1.至高の先へ
あるポテトフライヤーのメーカーはフライヤー自体の売り上げでパ イが小さくなる中、低価格化などで争っていたが、 限界を迎えつつあった。
//この商品は日本でもずいぶん流行った。 日本の台所にはデカすぎたが、、、
これは商品の根本に戻ったというわけだから、 フライヤーを売ることはポテトフライを売ることだ、 気づいたということか、スコップを売らずに穴を売れって奴か//
刑務所の増設に迫られた政府は会議を開き、妙案に気づいた。
この様に企業だけではなく、 政府組織にもブルーオーシャン戦略は有効。
2.市場創造戦略の基本
ブルーオーシャンへの移動はすでにある市場を破壊するものと、 そうでないものがある。
これらの登場で無くなった市場はない。
ビデオやコンピュータの開発も技術的な開発をした会社が、顧客に バリューを届けて成功したわけではない。
他者が開発した新技術を使って顧客に新しいバリューをもたらした 会社がブルーオーシャンに浴したのである。
^_^つまりは新技術を開発できなくても、 その新技術では何ができるかを考えるということか、ドローン、 AI、VRetc. 新しいビジネスのタネは無数に生まれている訳だ^_^
3.ブルーオーシャン戦略家の発想
ブルーオーシャン戦略では既存企業を叩き潰すことではなく、 競争そのものを無意味にすることを目指す。
顧客に当然のように甘受させている不満をどうにかすることができ るだろうかと考えてみる。
^_^正に枠を飛び出す戦略ということか。今、 思いついたんだけどリフォームと旅行を同時に売ったらどうだろう ?旅から戻ると新しい家みたいな!
4.人間らしさ、自信、創造性
人間は革新を行いたいという思いと、現状を維持したいという、 相反する願望を同時に持ちうる。
そのためには「ステップの細分化」 で大きな目標を実現可能だと思わせ、「現状を把握する実体験」 で変革の必要性を実感させ、「公正なプロセス」 で参加させて自分自身が当事者であると思わせることが必要。
第2部 ブルーオーシャンシフトの5つのステップ
5.出発地点を決める
小さな事業者でひとつしか事業を行なっていないならその事業の中 でブルーオーシャンを探す。
PMSマップには各事業がどれだけ革新的で他社の追随を許さない 位置にいるかということ。
あくまでも顧客目線で利益が上がっているからブルーオーシャンだ というわけではない。その点は注意が必要。
ブルーオーシャンへの移行を目指す事業を選ぶ際はライバル会社か ら繰り返し脅かされていて危機感を持っている事業部がよい。
6.望ましいブルーオーシャンチームの構築
チームを結成するには顧客と接点のある各部署から集める必要があ る。
財務部門の人間を入れるのも有効。 この時点で財務部門を中に取り込んでおくことはのちのちの財務部 門の反対を抑えることができる。
また、 チームリーダーはチームメンバーより格上の人間をあてて社として この戦略が非常に重要であると知らしめることにもなる。
重役本人でなく重役の代理としてアシスタントをあてたくなるがそ れでは作業が後回しにされるなどの問題が生じやすい。
また反対派と思われる人間も数人入れておいたほうがいい。
^_^ あらゆる部門から、 反対すらもあつめるとはまさによく言えば当事者を増やす、 悪く言えば共犯者を増やすというやり方だ。素晴らしい。 人が集まれば政治が始まる。飴と鞭に比べればまだ健全だし、 必要なことだろう。
7.現状を明確にする
自社の特徴なる事柄、重視して入り事柄を15程度上げる。 だだし軽重はつけない。
次に業界トップ企業と比較する。
ある給食会社は自社が契約先との繋がりや入札価格で勝つことに執 着して最終顧客である給食を食べる人の方を向いていなかったこと に気づいた。
重視する事項に給食の味、安全性などが含まれていなかったのだ。
^_^ 給食会社の話は確かにひどいけど、よくある話だと思う。 日本でもひどい給食を出している学校があるもんな。 あれも価格と給食会社選定者との繋がりに力を入れて子供達のこと なんて考えていないんだろうな。 給食選定者は最低でも自分で喰っているんだろうな。毎昼。 給食代未払い問題より闇が深そう。
8.業界の規模拡大を妨げる苦痛を探り当てる
製品から顧客が受ける効用を縦に6つ並べる。
シンプルさ、 楽しさ、利便性など。
顧客が製品に関わる過程を並べる。購入から使用、廃棄まで。
その中で顧客が受ける苦痛を見つけ出す。
ポテトフライヤーであれば油の廃棄、健康問題、 高温の危険性などが見つかる。
^_^ 表にすることで問題があぶり出される。 自分の書評もこのマトリックスに投入してみるかな。
9.非顧客層の海を見つけ出す
非顧客層は3つに分けられる。
一つは嫌々渋々現在のサービスを使用している人。
もう一つはちょっとした差や考え方でサービスを利用しないもしく は他のサービスで代用している人。
最後の一つはサービスの利用を考えたこともないような人。
^_^ 自分のサービスに寄せて考えてみると最後の非顧客層は本なんて読 まない人たちか。
10.市場の境界を体系的に引き直す
自社の製品やサービスを使っている顧客を観察する機会を設ける。
また、 業界内ではなく業界外で自社のサービスの代替になっているものを 調べる。飛行機業界なら、列車など。
^_^ 移動関連なら今後はVRなどが旅行の代替えにネット会議が出張需 要の代替えになるかも。いや旅行の売り込みに使えるか。
11.代替となるブルーオーシャン戦略の立案
そしてそれは一等地の立地、寝具などでコンシェルジュ、 フロント、部屋の広さドアマンなどではないとわかった。
そして高い料金を取りながらネットに繋ぐと高い別料金を取られる ことに憤慨していた。
12.ブルーオーシャン戦略の選択と短期の市場テスト
ブルーオーシャン見本市を開催する。 各チームが結果を持ち寄り5分ほどでプレゼンする。
その際、企業の幹部は必ず参加しなければならない。 途中退席もするべきでない。 そうすることで企業として今回の戦略が重要であるというメッセー ジを送ることになる。
13.ブルーオーシャン戦略の完成と実行
何度も繰り返すが大切なのは小さく始めてビジネスモデルを磨いて から展開していくことである。
無理に大きく展開してトラブルが起きれば大きく展開していた分、 失敗をマスコミに取り上げられるなど、 評判はもとより社員のやる気すら削がれることになる。
ミュージカル劇団のように考えよう。 素晴らしい脚本と演出が準備できた。 では練習しないでどんどんと公演を世界に展開すべきだろうか? 否。
練習は必要だ。
ます一箇所。そこでの失敗で得られた知見は次に活かせる。 また一箇所増やそう。
そこでの間違いは対策を取れるし、 以降の店舗では未然に防げるだろう。
! 小さく始めてそこでの学びを蓄積してから大きく展開していくのは とても大切なことだろう。その小さく始めたものが黒字になることも大事だと思う。規模が大きくなればスケールメリットで黒字になると言うのは危険 な考えだろう。 いうなれば黒字の根拠がスケールメリットしかないということだか ら。黒字になればそのまま黒字を展開に利用する。株主利益は後回し。値引き情報ブログやるべき?
むすび
国家によるブルーオーシャンシフトの実例
マレーシアはかつて中進国の罠に陥っていた。
しかしブルーオーシャン戦略を導入して縦割り行政を打破し、 行政サービスの浸透や迅速化などを図った。
例としては前の章にもあったが、 軍施設の土地での刑務所の運営や、 警察と軍の協力関係の強化など。
行政サービスの窓口を空きビルの部屋などに設置など。
!日本でも役所の一本化は必要な気がする。あれはこっち、 それはこっち、複雑になりすぎて専門家しかわからない。 何とかならんもんか。 郵政民営化じゃなくてあそこであらゆる行政サービスの実施ができ ればよかったのでは?
付録