『シゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則』書評・目次・感想・評価

 88点
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 一章、二章はとても、学びの多い内容で、勉強になりました。なんというか、ドラゴンボール世代なので、いつでも限界ギリギリまで頑張ると成長できるみたいな、考え方があったので、七割の力で、コンスタントに、余裕をもって行うことがもっとも効率がいいというのは目からウロコです。

 ただ、三章の組織の渋滞問題に関しては著者自身もまだまだ暗中模索という感じなので、今回は不要だったかなと思いますが、いずれ組織の渋滞問題に関しても、研究と実践を積んで新しい本を出された時は、ぜひ読んでみたいです。

 

【著者・西成 活裕さんの気になる著書リスト】

 

渋滞学 (新潮選書)

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逆説の法則 (新潮選書)

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東大人気教授が教える 思考体力を鍛える

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無駄学 (新潮選書)

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誤解学 (新潮選書)

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【『シゴトの渋滞、解消します! 結果がついてくる絶対法則』目次と読書メモ】

1.個人の渋滞、解消します!
 
■小話
2009年、渋滞学の専門家、西成活裕教授は小仏トンネル付近の渋滞をたった8台の車を投入して解消して見せた。その8台に与えられた作戦とはなんと「車間距離を開ける」それだけだった。
 
仕事のスケジュールとスケジュールの合間には、あらかじめ30分位の休憩時間をとる。この休憩時間は無駄ではない。仕事の渋滞を阻止できる。
まずは、仕事の質より量より「継続」を求めるべきなのです。
 
限界ギリギリまでの労働と言うのは、何かが起きてしまったときに非常に脆いもの。
 
工場において最適だった仕事量は「限界生産能力の7割位」
 
コツコツやっていた方が長期的な平均値として仕事の効果が上がりやすいと言うデータは、特に工場労働現場においてはあちこちで出ています。
 
大事なこと
・未来を予測しておくこと
・必ず今週や来週の予定を踏まえて仕事を進行させること
 
余計なアクセルやブレーキを踏まないでいられるように安定して淡々と仕事を続けることこそが、仕事の渋滞を解消してくれる。
 
日々の仕事は、完成させないでおいて翌日の5分で完成させられるようにしておくと翌日の仕事のスタートがスムーズ。もちろん計画は立てておく。
 
風邪をひいてしまっていても、雑務に忙殺されていても、必ずどこかで「ささいな一歩」でいいから仕事を進めておくことにしています。
この「毎日、何はともあれ進んでいると言う感覚」が私にとっては精神的な「慣性の効果」をもたらしてくれていると言う訳なのです。
 
^_^ これは参考になる。やりたくない仕事も毎日少しずつ進めておくことによって精神衛生上非常に良いようだ。やりたくないあの仕事を毎日少しずつでもやろう。
 
細切れ時間を上手に使う。
とにかく心が動いたらすぐにめもをとる。
 
^_^ メモ取りは大事大事。
 
■小話
行列の待ち時間を予測するには「リトルの法則」がある。「行列の人数」÷「1分間の到着人数」=「待ち時間」これは行列はどんどん伸びたり、無くなったりしにくいという仮定の元に成り立っている。
 
■名言
他人や他者の素晴らしい成果を見かけて「やられた」と思ったらその瞬間をパチパチと拍手をして、すぐに全然違った方向を向かなければならない。西成活裕(東大教授)p081
 
■名言
失敗しなかった人は、何もしなかった人である ロマン・ロラン p082
 
私の理想はクイズの得意な人のように「広く、浅く」でもなく、いってんのみに集中した人のように「狭く、深く」でもなく「広く、深く」なのです。私はこうした自分の理想を横幅と縦幅の両方向に広がる着子である「T」を象徴にして「Tジェネラリスト」と名前をつけています。
 
長期の目標と短期の目標を同時に回す。
 
^_^ これは重要なことかもしれない。人生をかけて挑みたい長期の目標。それだけではバランスが取れない。一つ一つ向上していく短期の目標それも必要だろう。
 
・予定と予定の隙間を作ってありますか? (30分ほどの隙間が理想)
 
・ 1日の就業時間を分割して、時間割を作ってありますか? (8時間勤務の場合そのうち2時間をゆとりとする)
 
・週間、月間の予定を立てて、簡単な仕事から始めて目標達成し続けていますか? (簡単なことから始めると仕事に「慣性効果」が発生する)
 
・仕事は限界の7割程度の力でやっていますか?新しいことにチャレンジしていますか? (限界ギリギリでやると予想外の事態に対応できにくい。挑戦しない人は何もしていないに等しいつまり時間を無駄にしている)

・仕事中断する時、次にパッと仕事を始められるように机を準備していますか? 15分で出来るような仕事を携帯していますか?(すきま時間の活用)

・事務作業は急いでいますか? (ご予定を求められない作業はさっさと済ませてしまいましょう)

長期的な仕事と短期的な仕事も両方を同時並行で進めていますか?(長期的な仕事の間では短期的な仕事の滋養になりその逆もあると言うことで双方の無駄が双方を生かしてくれるのです)
 
^_^ どれもすごくためになる内容。時折自分の仕事を確認するのに使用したい項目ばかり。
 
2.部内の渋滞、解消します!
 
管理する人間が意識するべきは、部内や課内のスタッフがどこまで自分でモチベーションを上げて仕事に向かえるか。
 
否定は絶対にしない、これは非常に重要なのです。上司の否定は部下の「流れの詰まり」につながりますから、本当に気をつけたほうがいいのです。
 
アイディアも実際の手間も労力も、仕事と言うのは個人のやる気次第なのです。
 
褒めて、乗せて、勢いをつける。
 
■名言
命令は絶対に他人の背中を押すことにはならない。西成活裕(東大教授 渋滞学)
 
いつもよく会話を交わしておくこと。

話をしなければ、人間は何を考えているかはなかなかわからないものなのです。
 
混雑や渋滞や無駄といったものには、「部分だけを見ていては、全体が見えなくなってしまう」という本質が隠されているのではないだろうか

他人のことを考えると言う事は「個人ではなくて集団の利益を最大にするため」に必要なこと
 
「譲り合う社会」こそが集団全体の利益を最大にしてくれる。
 
流れを作ってあげると言うのもなかなかこれが大変で「やらなければならないことに納得してもらうための工夫」も「一緒に過ごしている時間を楽しむための工夫」も「子供や部下が危険な状況に陥らないための工夫」も必要なのです。
 
調子に乗れるときには、調子に乗せておいた方が流れは良くなる。
 
「自分や周囲をうまく乗せられる言葉」こそが、言霊と言えるのではないでしょうか?
 
■小話
一休さんは言いました「私は指一本で釣鐘動かして見せましょう」みんなが押しても動かない釣鐘です。一休さんは釣鐘を指でポンポンと叩き続け、共鳴を起こして釣鐘を鳴らして見せたのです。
 
両親や上司や先生に乗せられたら、人間は、天まで登るかのように可能性が開いていくこともあるのです。
 
利害を揃えるために使われるのが金銭だが、それを上回るものは大義である。大義は長期的に複数の目標揃え、協力関係を整えることができる。
 
他人にわからないうちに、こっそり、自分だけは結果を獲得しようとしても、それは1つのプロジェクトが終わった時点で個人と個人や集団のつながりが切れてしまう。
 
うまくいっていない中小企業の典型的な状況は、開発部門と生産部門と営業部門の3者の仲が良くない。
 
^_^ 上司と部下の呑みニュケーションより開発・生産・営業の各部の部長のコミニュケーションの方がはるかに大事なんだろうね。
 
・同僚を否定せず、仕事を無理にやらせず、それぞれの人のモチベーションの「流れ」を尊重していますか?
 
・同僚とは、よく会話を交わしていますか?命令の形では無いコミニケーションが取れていますか?
 
・職場で「調子に乗っているやつ」の足を引っ張らず、上手に泳がせてあげていますか?

・同僚と目的を共有するための「大義」を設定していますか?
 
・電話対応は、交代制にしていますか?

・違う部署の人と話をしていますか?

・業務予定表は大きい事で書いて張り出していますか?
 
^_^ 大型液晶が安くなってきているから、スマホから見れる業務予定表を社内にも大型スクリーンに表示しておくのはどうだろう?

3.社内の渋滞、解消します!
 
組織の理想は「0.9 +0.9 +0.9 = 5」なのです。
組織全体において、個人の発揮する能力の最大限度は、せいぜい「0.9」位で良い。全力を出すと言う事はエゴも全力で出てしまうと言うことで。
 
同じ分野について研究している人は、ここから累積させてみたら世界中に何億人もいるのだから、まずは専門の外に出た視点を持たなければならない。
 
社会につながるためには、個人は「社会の難問を解決すること」をしなければならないのだと、わかったんです。
 
結局、わからないと言うのは「いい本」や「いい人」に教わっていないだけなのです。