『トリック (新潮クレスト・ブックス)』書評・目次・感想・評価

トリック (新潮クレスト・ブックス)

トリック (新潮クレスト・ブックス)

トリック (新潮クレスト・ブックス)

 

単行本(ソフトカバー): 399ページ
出版社: 新潮社 (2019/3/29)
言語: 日本語
ISBN-10: 4105901575
ISBN-13: 978-4105901578
発売日: 2019/3/29

97点

 寓話的でありながら、現代的、歴史を扱うようでいて、ファンタジー、子供向けのようでエロティックな要素もある不思議な物語。

 ユダヤ人によるホロコーストを扱った物語といえば、一種パターン化され、ストーリーが想像できてしまうような気がするが、この物語はナチもアウシュビッツも一つの舞台装置に過ぎず、一つの美しいファンタジー物語として成立させている。

 自分としては子供や、その両親などが登場する中で、老奇術師に感情移入している自分に驚いた。それだけ年を取ったのか、頭の中が老人なのか。