『奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの』書評・目次・感想・評価

奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの

奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの

奇跡の本屋をつくりたい くすみ書房のオヤジが残したもの

 

単行本(ソフトカバー): 208ページ
出版社: ミシマ社 (2018/8/28)
言語: 日本語
ISBN-10: 4909394125
ISBN-13: 978-4909394125
発売日: 2018/8/28

88点

 書店。ぼくも本読みなので書店は大好きです。でも結局、町の本屋さんがなくなっていくことに対する処方箋はこの本には無く。久住さんでも無理だったという現実しか、見えませんでした。悲しいことに。

 久住さんは兄の持つ、実質的には自社ビルで書店をやりながら、経営がうまくいかなかった。それほど町の書店の経営は不可能に近いということが、わかってしまいます。

 久住さんは子供に本を届けたいと考えていたようですが、率直に言って、本は高すぎます。大人のぼくにも高いのに少ないお小遣いでやりくりしている子供に新刊で本を買えというは無理があります。

 子供に本を読ませるのに力を持ちうるのはブックオフのようなタイプの本にそのまま値札をつけてしまうような古本屋と、図書館、学校の図書室しかないのではないでしょうか。

 それでは出版業界が困ると言ってもそれは大人の論理で、大人の論理で子供のおづかいから一冊1500円もする新刊を買えというのは、大人の傲慢でしかないのではないでしょうか。しかも、それを近所の書店で、書店には本との偶然の出会いがあるなんて。

 少ないお小遣いから新刊の本をしかもジャケ買いまでしろって、もはや子供の立場で本当に考えているのでしょうか?

 あれだけの情熱を持って書店経営していた久住さんでも、うまくいかなかった。もはや個人の書店経営はとんでもない発想の転換が必要なのかも知れません。

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