立ち上がれ、世界のナマケモノたちよ(いや、まぁ座って話そうか)

 

 皆さんは世界人口の半数はナマケモノで形成されていることをご存じでしょうか?

 

 これは単純な理屈で、世界人口約78億人(2019年)をハタラキモノからナマケモノで一列に並べて、ちょうど半分に分けるとします。

 

 すると、ナマケモノ側の39億人は、平均以上のナマケモノということになるわけです。

 

 我々、ナマケモノの仲間たちが39億人もいると思うと心強いですね。

 

 さて、我々もこのナマケモノ寄りの39億人。我々はこれまでとてもひどい扱いを受けてきました。

 

 ハタラキモノたちが要職を占め、富を独占し、政策を立案実行し、ハタラキモノたちだけが、豊かで、幸福で、世界を支配する構造を作り上げてきたのです。

 

 どの政治家も口にするは決まった言葉「頑張るものが報われる社会へ」

 

 まぁ、この「頑張るものが報われる社会へ」というスローガンもいつまでたっても、実現できないので、いつまでたっても、スローガンであり続けているという悲しい現実ではあるのですが。

 

 実際は「幸運に恵まれ、とにかく結果を出したものが、暴力的に報われる社会」が存在し、富の不均衡がとてつもないことになっているわけですが。

 

 ここで我々が気づかなくてはならないのは、これ以上、世界をハタラキモノたちの好きなようにしていては、世界は幸福にはならないということです。

 

 ハタラキモノたちが動かしてきたこの世界は行き詰まっています。

 

 地球環境問題がその最たる例です。

 

 世界中の人が頑張って、広い家を買い、車を乗り回し、飛行機で旅行したら地球は人類が住めない環境になるということは、多くの科学者が言っていることです。

 

 さらには世界各国の軋轢もハタラキモノたちのなせる業です。どれだけの価値があるかもわからない小島、荒れ地を巡って未だに世界中で戦争の火種がくすぶっています。

 

 ハタラキモノたちは言います。競争こそが人類を発展させると。

 

 しかしテクノロジーが発展した今、世界中の国々がこのまま競争を続ければ、地球そのものが亡ぶことはもはや明確です。

 

 我々、ナマケモノは争いを好みません。戦って血を流して、小島を取ったり、荒れ地を占領するぐらいなら、帰って寝ます。

 

 もちろん、我々、ナマケモノたちも、暖かいねぐらを奪われることがあれば牙をむくでしょう。

 

 しかし、我々ナマケモノは余計な戦いを避ける知恵を持っています。それは必要以上を望まないということです。

 

 人類はすでに発展よりも持続を見据えていかなくていけない時代になったのです。つまり、怠けるべき時が来たのです。

 

 我々、ナマケモノは新しいスローガンを掲げます。

 

ナマケモノもそれなりに暮らしていける社会に」

 

 ハタラキモノは、我々、ナマケモノに世界の行く末を託すべきです。もはやハタラキモノのあなたたちではこの世界は立ち行かない。

 

 我々、ナマケモノは今まで投票もいかず、怠けてきた。

 

 そう我々ナマケモノには怠けるという悪い癖がある。だから、ここで一つ提案したい。投票しなかった一票をとっておけるようにはできないだろうか。

 

 たまたま投票に行かなかったというだけで、投票権を奪われるのはまったく不平等なこと。

 

 行使しなかった投票権は蓄積し、外国と戦争しようというメンドクサイことを言う政治家を落選させたり、「ナマケモノもそれなりに暮らしていける社会に」というスローガンを掲げる政治家が出てきたときにまとめてドカンと使えるようにして欲しいと思うのです。

 

 社会のシステムを変革し、ナマケモノの権利を意識して、守っていかなくてはなりません、

 

 とかく我々、ナマケモノはとかく怠けるので、ハタラキモノたちに権利を奪われがちです。

 

 放っておけば働けば働くほど良いという社会になっていくのは必然です。そして過労死、サービス残業ブラック企業が蔓延しました。

 

 さぁ、立ち上がれ、世界のナマケモノたちよ(いや、まぁ座って話そうか)