書評『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』人生に効く一冊。

 

残酷すぎる成功法則  9割まちがえる「その常識」を科学する

残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する

 

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 100点 

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 これは買い。成功理論は根拠があり、歴史的エピソードも面白く、内容も満載の人生に効く一冊。

 根拠のある成功理論が次々と登場し、一気に読み進められる。それでいながら本棚に置いて、節目節目で読み直したい。

 例示や歴史的エピソードもチャーチルアインシュタイン、チンギスハンなど誰もが知ってる偉人たちの意外な一面が紹介されていて飽きない。

 よくある自己啓発本にある説教臭さがなく、大学での研究成果など根拠のある理論なので素直に受け入れられる。

 こういう本にたまに出会えるので読書は楽しいのだ。高校生ぐらいから読めると思うので若い人にもぜひ読んでもらいたい。

【『残酷すぎる成功法則 9割まちがえる「その常識」を科学する』目次+読書メモ】 

1章 成功するにはエリートコースを目指すべき?
 
 高校を首席で卒業した人が社会で大成功するかと聞かれれば答えはNO。大した成功を収めていない。

 優れたリーダーには2種類いる。いわゆるバランスのとれたエリートリーダーとと外れ値にある特化型リーダーだ。

 例としてはイギリスの首相には2種類いて、バランスのとれた紳士チェンバレンヒトラーを信じて失敗し、後をついだチャーチルヒトラーをぶん殴りイギリスを救った。

 多くはタンポポのようにどうしたってソコソコの花を咲かせるが、突出した才能は適合した環境にあれば(ここ重要)大輪の花を咲かせる。

 シリコンバレーの起業家たちは偏執狂だし、大きな改革を行う政治家や、ビジネスで大成功するのはたいていサイコパス傾向がある。(かと言って余りに社会に適合できないと成功できない)。

 この事実を自分のキャリアに生かすにはまず自分の強みを知る事。そして、それを活かせる環境を見つける事だ。
 
!初っ端から面白い。なんとなくわかっていたことだが、こうして系統立てて説明されると納得できる。そして、強みと環境の歯車がぴったり合う場所を見つけられれば人は成功できるのだろう。
環境を選ぶって大事なんだね!まぁ、自分はタンポポの方だろうけど!
 
2章 「いい人」は成功できない?
 
 海賊は稀に見る民主的な組織だった。黒人も白人も平等で規則を決めるのは全員一致が基本だった。船長と船員の報酬差も約2倍程度で格差も少なかった。奴隷解放の150年も前の話だ。

 海賊はもともと横暴な船長を追い落とすために発足した。 

 海賊はもっとも民主的で成功した犯罪組織と言えた。

 荒くれ者のイメージは対外的なものでオッカナイと思われた方が仕事がしやすかったからである。
つまり例え犯罪組織でも信頼関係は不可欠であるということである

 仕事を黙々とこなす人より、上司にゴマをする人の方が出席するデータがある。基本的にサイコの方が成功するのだ。しかし、悪がまかり通ると皆が悪を始め、組織自体が崩壊し、利益が得られなくなる。

 一方で、人々に与え続けるギバーは最底辺と最上部に存在する。ギバーは搾取される一方、信頼を得て最上部に至ることもあるのだ。

 ひたすら奪われ続けるのは聖人ではなく愚者である。

 取引が継続的に行われる場合、コンピュータのシュミレートではしっぺ返し戦略がもっとも利益を得た。そして、さらにしっぺ返し戦略プラスたまに許すがさらによい成績をあげた

 我々が学ぶべきはしっかりと仕事をしつつキチンと上司へのアピールも欠かさないということ。
 
!海賊の話は別の本でも読んでみたいと思うほど興味深かった。長期的な取引では寛容なしっぺ返し戦略が最も優秀と分かった以上、それをこころに止めよう。そして、戦略的なギバーでありたいものだ!
 
3章 勝者は決して諦めず、切り替えの早いもの勝てないのか?
 
 人がグリッド(諦めない力)を手に入れるにはストーリーが必要である。ストーリーは必ずしも事実である必要はない。人は時に自分をテレビのヒーローに投影したりする、そしてそれが大きな力を発揮することもある。

 ナチスの収容所から生き延びたのは屈強なものでも若者でも従順なものでもなく、生きる意味を持っていた者だった。それが例え生きている可能性の低い妻の存在であっても。

 必ずしもストーリーは事実である必要はないのだ。自分のストーリーはどう作るのか、それは履歴書向きのプロフィールではなく、自分の葬式で語られるべき弔辞用のプロフィールである。誠実であったとか、正義感に溢れていたとか、、、現在の自分がそうでなくても、その様に振る舞えばその様になってゆく。

 もう1つはゲームとして捉えること。テレビゲームをやる時、人は8割は失敗している。それでも尚、ゲームが人を惹きつけるのは何故だろう。

 良いゲームは勝つことができる。

 良いゲームは斬新な課題を与える。

 良いゲームにはゴールがある。

 良いゲームはフィードバックがある。

 人は大きな成果よりも、小さな成功を積み重ねることに喜びを感じる。

 人々が仕事を退屈に感じるのは成功して当たり前、同じことの繰り返し、失敗は許されない。これではゲームとしては出来が悪すぎる。

 自分からゲームを設定して遭難から生還したものもいる。
 
 何に力を注ぎ、何を諦めるべきか。

 グリットを発揮すべきかどうかの判断基準としてwoop
  1. Wish(願い)
  2. Outcome(結果)
  3. Obstract(障害)
  4. Plan(計画)
 ゲーム性を取り入れよう。失敗8割でいい。フードバック。小さな成功、ご褒美を積み重ねる。勝てること、斬新な課題、ゴール、フィードバック。
 
!自分は弔辞でなんて言って欲しいのかちょっとわからない。ゲーム性を取り入れるのは是非やってみたい。例えば好みがブログの訪問者を増やすにはどんなゲームになるのか。次にwoop。wish 好きなことだけやって生きていきたい。outcome このブログで生計を立てたい。obstract 根気が続かない、人が来ない。plan 毎日、チビチビやる、ブログテクニックを勉強する。
何にしてもこの章はとても勉強になった。珍しく2回読み通してしまった。
 
4章 なぜ「ネットワーキング」はうまくいかないのか
 
 外交的人間と内向的人間。どちらが良いのか?それは収入、幸福感、健康、寿命に至るまで答えは出ている。外交的人間の勝利だ。内向的であることのメリットは一流になるための10万時間を誰にも邪魔されずに達成しやすいことだろう。

 それでもごく一部のニュートンのような天才でない限り、外交的であるべきだ。内向的な人間が外交的な振りをするだけでも幸福度は増す。

 人類は家族以外にもネットワークを巡らす事で発展してきた。人と人の間にネットワークを巡らす事で様々なメリットがもたらされる。

 では、我々はどの様にネットワークを巡らせばいいのだろうか?

 昔からの友人を大事にする。

 それはみんな幼稚園で学んだはずだ。同じ趣味の人を見つける、「おっ、君もアイアンマンが好きなんだ、僕も大好きなんだ」相手のことを聞きだし、共通点を見つけるなど、共通の嫌いなやつなんかがいると親友になれるかも。

 ネットワーキングに一定の資金と時間をあらかじめ割くことを決めておくことも有効だろう。

 人を説得してはいけない。勝ち負けのスイッチが入ってしまいゴジラvsギドラのようになってしまう。足元の東京は火の海だ。

 人の話を真摯に聞こう。相手の感情にレッテルを張るのも有効。「それは悲しい出来事でしたね」
メンターを作るといいらしい。
 
!この本は本当に役に立ちそうな情報が満載だ。メモがどんどん長くなるw自分は結構内向気味の人間で酒も飲まないのでネットワーク作りは意識して行わなけらばならないかも知れません!
 
5章 できると自信をもつのには効果がある? 
 
 自信がある者は人に有能に見られるので、高い地位に登る。そして自信家は人の意見を聞かない。そして実際には実力がないので大惨事を引き起こす。大惨事を引き起こすのは無能ではなく自信過剰な者なのだ。

 一方、自信のない者は実際より無能に見られ、能力を発揮しづらい。しかし、謙虚に意見を聞き、改善を心がけるので、失敗が少ない。

 自信の過剰も過少も問題がある。そこで、セルフコンパッション(自分を許す)の登場になる。

 自分を許すとはIQでは計れない知恵に属するもので賢者の有り様である。セルフコンパッションできるものは、人にも優しい。自信に目を塞がれることもなければ、無能に見られることもない。

 リンカーンはそんな人だった。
 
!自分を許すことは得意分野のひとつだ。確かに人にも優しくなれる。自分ができないことで人に文句は言えないのだから。許そう。自分を。!
 
6章 仕事バカ、それともワークライフバランス
 
 アインシュタインは偉大な業績を残したが家族をかえりみず特に妻には酷い夫であった。

 人が成功するには高い能力IQ120と(それ以上高くても大差ない)常識はずれの時間投入が必要。

 しかし、人は死ぬ時、こんなに働くんじゃなかったと後悔するという。自分で意義を感じて自分でコントロールして働く限り過労死しにくい。

 しかし、自分のコントロール下になく、やりたくない仕事していると、過労死の可能性は大幅に上がる。

 自営業者はストレスが多いが自分でコントロールできる部分が多いので過労死しにくい。実際にコントロールしていなくてもゲーム化してコントロールしていると信じることでも効果はある。

 大切なのは選ばされるのではなく、選ぶこと、最大化を選ぶのではなく、満足化を選ぶこと。

 最大を選ぶより自分で選んだ満足できる選択肢を選んだほうが満足度が高い。

人生の幸福のbig4は
 
幸福(大切な人と幸せに過ごすこと)
達成(何かを達成する)
存在意義(誰かに必要とされる)
育成(誰かに伝える、教える)
 
 このバランスが大切。自分で計画を立ててコントロールする。

 まず、自分が時間をどのように使っているか調べる。

 人はより満足できる時間の過ごし方があっても、気軽なもの例えばテレビをダラダラ見るなどをしがち。
 
自分の一週間がどのように使われているか調べる必要はありそう。テレビはあんまり見ないが無駄にネットサーフィンしている時は多い。
 今の自分はどんなバランスだろう。じっくり考える必要がありそう。もうちょっと濃い人生を送ろうか。
 最大化を選んだ人間は収入は多いが満足度は満足化を選んだ者人間は劣るのは肝に銘じたい!
 
終章