『FUTURE INTELLIGENCE ~これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣~』書評・目次・感想・評価

[読みやすさ 7/10] 翻訳がいいのか読みやすかった。 
[何度も読む 6/10] 一度読めば十分。 
[読後感 7/10] クリエイティブになるのは一筋縄にはいかないと悟れる。 
[学び 8/10] クリエイティブがであることの意味を学ぶことができる。 
[斬新さ 8/10] 内容的に矛盾することもありつつクリエイティブを解析。 

【Q1】どんな人にオススメ?

 何らかの方法でクリエイティブな人間になれると思っている人には是非、読んでほしい一冊。ものを創造することの深遠さ、複雑さ、を思い知らされる。

【Q2】この本の弱みは?

 わたしも10の習慣をものにしてクリエイティブになるぞという気持ちでこの本を読んでも期待外れです。内容的には簡単にはクリエイティブにはなれないし、クリエイティブであるということはとても複雑なことであるということを思い知らされる本です。タイトルにはちょっと無理があると思います。

【Q3】この本の強みは?

 クリエイティブの深遠さや、複雑さ、面白さ、残酷さ、様々な面を知ることができる。クリエイティブであろうとする心がまえと方向性を学ぶことができる。

 

FUTURE INTELLIGENCE ~これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣~ イメージ

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【『FUTURE INTELLIGENCE ~これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣~』目次と読書メモ】

第1章 遊び――楽しいことで脳を刺激する 

 
「人は老いたから遊びをやめるのではない、遊びをやめたから老いるのだ。ジョージ・バーナード・ショー
遊びは早期教育などよりずっと大切なこと。
 
!遊び、いや楽しいという感覚がないなら、それをやる価値はないとすら言える時代が来ると信じる。楽しくないことはAIにやらせておけ。小説でも書こうかな。売れない。自分のための小説!
 

第2章 情熱――何かに夢中になる 
 
夢と障害
夢をはっきりイメージすると自分自身でそれが叶ったものと脳が信じ込んでしまう危険があるので、夢と障害を両方はっきりとイメージすることが大切。
 
そのことをすること自体に喜びを感じることが大切。評価や賞賛など外部に求めずに。
 
!その行為を純粋に楽しめないのならば価値はない。本当に好きで価値があることだとは思わない。まったく賛成だ。誰も認めくれなくてもやれる好きは強い。とても強い!
 
第3章 夢想――自分と深くつながる 
 
マインドワンダリングは悪と見る考えもあるが、想像の源である。
散歩は移動式瞑想と言っていい。多くの偉大な知恵が散歩の最中に発見された。あと、シャワーの時間に。
マインドワンダリングとマインドフルネスのどちらも使えるといい
 
!散歩にそんな力があるとは知らなかった。散歩するか!

第4章 孤独――ひとりの時間で考える 
 
孤独でいられることはクリエイティブであることにとても重要。
創造することは恥ずかしいことなので孤独でなければならない。

第5章 直感――無意識の声を聞く   
 
人の思考は直感に近いシステム1と論理的思考のシステム2がありそのバランスをとることがより良いアウトプットにつながる。
1万時間練習すると達人になるという理論はクリエイティブに関しては当てはまらないことが多い。作家などは学校教育が過ぎると傑作を生み出す可能性が下がる。
予測しやすいものは1万時間理論に適合するが枠組みが複雑なものはそれに限らない。
 
!直感。この捕まえられないものよ!
 
 

第6章 好奇心――非日常の体験で限界を広げる 
 
ドーパミンの効果は幸福感ではなく、人々に「欲望を抱かせること」
多くの大発明は民族大移動の後に起こった。それは1つの考え方が新しい考え方に出会うことで新しい発明が誕生したのだ。
多くの天才は複数のカテゴリに精通している。ダウィンチなどはその典型だ。
 
!いろいろ雑多に学ぶことも決して無駄ではないのだろう。いろいろなことに好奇心の触手を伸ばしていこう、うねうねと!
 
 
第7章 瞑想――観察し、点と点をつなげる 
 
創作には外部の観察と自分自身がどう感じたかという自己観察が必要。
マインドフルネスは答えがひとつのIQテストに対して強いが、マインドワンダリングは様々な答えをたくさん思いつくようなクリエイティブな問題に強い。
できればその両方を行ったり来たりできるようになるのが理想とも言える。
とにかく思いついたことと、観察したこと、自分がそれについてどう思ったかをメモすることが大切。
 
!メモはとにかくとりまくりたい。瞑想はクリエイティブにはデメリットもあるようだ。もともとクリエイティブな人にはそれを失う危険もあるかもしれない!

第8章 繊細――傷つきながら、深く感動する 
 
感受性の高い子供は環境に左右されやすい。良い環境で育てられれば大輪の花をさかせる。それは環境が揃わなければ咲かない蘭の花のようなものだ。
感受性が高ければ音は騒音に、光は閃光になる。
多くの芸術家には外向性、内向性、ともに両立しないはずの気質が両立している。
感受性の高い人にとって喜びの山は高く絶望の谷は深い。
 
芸術に関しては本人の悪行と作品は切り離さなければ人類の損失になる。本当にそう思う。
性的にもきっと波が激しすぎるし、落ち込みや思い込みも酷すぎるのだろう!
 

第9章 逆境――辛い体験で成長する 
 
人生の最悪は「意味と目的の欠如」フランクル
「あなたを殺さない試練はあなたを強くするニーチェ
孤児効果というものがある。
クリエイティブな人の多くが若くして親を亡くしている率が一般人より高い。
悲劇が自らの価値観などを破壊してそこからまるで都市のように復興するなかで、新しい価値観、新しいものの見方を獲得する。
一方で不幸だけでなく幸福な出来事も人のクリエィティビティに良い影響を及ぼすことがわかっている。
 
クリエイティブになるのに必ずしも不幸でなくてもいいのは助かるw!
 
第10章 異端――アウトサイダーでいる 
 
大衆はクリエイティブであることを称賛しているようであるが、実際は違う、独創が社会に受け入れられ常識になってからたたえているだけ。常識を追認しているに過ぎない。
独創的な考えは大衆に攻撃され、クリエイティブであることは孤独だ。
クリエイティブである人は多くを試す。そして多くの失敗をする。
 
!クリエイティブな人を守り、クリエイティブな社会であるには、かつて独創的であった権威者(例えば日本で言えばノーベル賞受賞者など)があえて自らの功績を否定しかねない後から来た人がもたらした独創的な新しいチャレンジを讃え守っていかなくてはならないと思う
これはとても難しいことであるが、独創的であることの孤独や苦しみを知っている権威者こそ、それができる可能性があるのではないだろうか?!

まとめ これからの時代に必要とされる知性とは 
 
自らの中に矛盾する多様性を容認すること。内省的でありながら外交的で、過敏でありながら批判を恐れず、さまざまな面を、持っている。
クリエイティブであること、何かを生み出すことは自らを苦しみから救い出す手段にもなりうる
 
!クリエイティブであること。それは孤独であることを恐れないこと。フローに入り込めることをやること。好奇心を持つこと。そして何よりめんどくさがらないことかも。いやめんどくさいと感じている時点でその作業に向いていないのかも知れない!
 
82点
読了まで2時間
 
クリエイティブというもの自体が内包しているアンビバレンツさのせいで内容的にとっ散らかっている印象がある。内容に矛盾が点在する。しかし、それは仕方ないのかもしれないが、それをどうにかして欲しかった気持ちもある。飲みにくい良薬というところか?!