02 今日から始める国民年金(額)生活2

 月額65000円での生活を何と呼ぶか。

 

 ずっと考えていたのですが、よい考えが浮かばず、国民年金の支給額と同じなので、国民年金(額)生活と呼ぶことにしました。

 

  国民年金(額)生活ですから、老後の話だと勘違いされるかもしれません。

 

 でもこれは「国民年金生活」ではなく、「国民年金(額)生活」なので、別に国民年金の支給を待っている必要はありません。

 

 自分で生計を立てている人なら誰にでも、十八歳の若者も、お父さんも、お母さんも、オジサンも、オバサンにも届けたい新しい生き方の話なのです。

 

 現代社会は誰もが、未来に生きています。

 

 それは未来に対する希望というより、未来に対する恐怖に生きているように見えます。

 

 子どもは小学校に入る前から、小学校で困らないように、通信教育を始めたり、塾に通い始めたり。

 

 小学生は良い中学に入るために、

 中学生は大学入学に有利な高校に入るために、

 高校生は就職に有利な大学に入るために、

 大学生は安定的で給与の高い会社に入るために、四年間の大学生活の半分程度を就職活動に費やします。

 

 働く人は、やりたいことではなく、より給料の高い仕事を選び、老後のためにお金を貯め込みます。

 

 さらには、すでに老後に突入したお爺さん、お婆さんまでも、アパート経営やら、海外信託投資やら、あらゆる投資でお金を増やそうとします。

 

 怪しい投資会社が破産すると何千万と投資したお爺さん、お婆さんが被害を訴える映像が流れますが、彼らは一体、いくら資産を持てればお金の心配をせず老後を暮らせると考えていたのでしょう。

 

 もはや社会全体が「お金」それ自体に取り憑かれているように見えます。

 

 一方で、生きていくのにお金が必要なのは紛れもない事実です。

 

 では、ぼくらは一体いくらあれば幸せに暮らしていけるのでしょう?

 

 真剣にそのことを考えてみたことはあるでしょうか?

 

 多くの人があまり深く考えずにもっともっと、もっとお金が使えればもっともっと幸せになれると漠然と考えているのではないでしょうか?

 

 月に30万円あれば幸せになれる、40万あれば幸せになれる、いや月に100万円でも足りない。

 

 では、あなたはそのお金のために何を差し出しますか?そして何を差し出してきましたか?

 

 やりたい仕事ではなく、少しでもお金になる仕事を選び、お金のために理不尽な客に耐え、お金のために自分の倫理観を無視して自分でもグレーだと思うビジネスに手を染める人もいます。

 

 多くの人が「何より貴重な人生の時間」をお金に変え、「自尊心」をお金に換え、人によっては「良心」すら、お金に換えているのです。

 

 そこで、ぼくが提案したいのはお金のために「私の人生」はこれ以上は売り渡さないという「明確なライン」をしっかり決めませんか?ということです。

 

 生きていくのに必要なお金を把握することは、お金から自由になることでもあり、お金としっかりと向き合うことでもあります。

 

 では次回は幸せに暮らすのに、いったい、いくらのお金が必要かということを考えてみましょう。

 

 生きていくのにお金が必要なので、ぼくたちは稼がなければなりません。ではぼくたちは月にいったいいくらあれば幸せに暮らしていけるのでしょう?

 

 まず、思いつくのは「生活保護費」です。憲法で定める「健康で文化的な生活」をうたっている以上、国が示す「幸せに暮らしていける金額」が支給されていると考えられます。

 

 調べてみると一人世帯で7~8万円+アパート代のようです。アパートを5万と仮定すると12万円から13万円程度ですね。

参考 生活保護費の支給金額はいくら?

 

 この数値ですと年間144~156万円。税、社会保障費の支払い等を考えると年収200万円近い金額が必要です。


 年収200万とすると時給1,000円で月に167時間。月に20日程度働かなければなりません。週5勤務で週休2日程度です。

 

 計算していて、絶望的な気分になりました。正にワーキングプアです。人並に働いているのに人並の生活ができない。これはつらいものです。

 

 さて、国はもう一つ生活に必要なの基準額を示しています。それは「国民年金支給額」です。現在月額、約6万5000円。

 

 ぼくが提案したいのは、この「国民年金(額)生活」です。生活水準を思い切って「国民年金支給額」でまかなえると考えてみましょう。

 

 すると、どうでしょう。お金ではない価値が人生に生まれてきます。それは「毎日」、つまり「時間」です。月に65時間働けばよいので、週2日の8時間労働。なんと週休5日の生活です。

 

 週休2日では、お休みも仕事のための体力回復という側面が強いですが、週休5日なら休日こそ、自由な時間こそが人生のメインとなります。

 

 問題は「国民年金支給額(月額約6万5000円)」で本当に暮らしていけるのかということです。

 

 それこそ、このブログのテーマであり、新しい考え方を必要とする部分なのです。